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ウォルトが毎週金曜日に生演奏をオーダーするほど好きだった曲


何の曲かご存知でしょうか?

そう、メリーポピンズの「2ペンスを鳩に(Feed the Birds)」です。

ウォルトはこの曲が好きすぎて、
毎週金曜日にこの曲を作ったシャーマン兄弟を自分のオフィスに呼び、生演奏をしてほしいとオーダーしていたそうです。

「2ペンスを鳩に」の映画のシーンは、メリー・ポピンズが子供たちをロンドンの街中へ連れ出し、セントポール大聖堂の前にいる年老いた女性(「バード・レディ」)を紹介するところから始まります。彼女は毎日大聖堂の前に座り、通行人に鳩の餌を「2ペンス」で売っています。メリー・ポピンズはこのシーンで、「2ペンスを鳩に」という曲を通じて、子供たちに慈悲や他者への思いやりの重要性を教えます。

「2ペンスを鳩に」という歌詞は、単純な行為であっても、それがどれほど価値のあることかを伝えています。2ペンスというわずかな金額でも、誰かを助けることで大きな影響を与えることができるというメッセージなのです。鳩に餌を与えるという行為は、他者への優しさや思いやりの象徴であり、それがどれほど人々の心を豊かにするかを示しています。

物悲しいAメロから一転して、優しい温かい曲調に転調するBメロ。

まさに、音楽で物語を語っているメロディです。聴いていると物語の風景が思い浮かんでくる。そして自然と涙が出てくる。

…この曲について語るだけで2000文字くらい書けてしまいそうですが、今日はシャーマン兄弟のお話をしたいのでこの辺で我慢します。笑


ディズニーの曲の中で、皆さんが好きな曲はなんですか?


私は、2ペンスを鳩にも好きだし、ワン・リトル・スパーク (ジャーニー・イントゥー・イマジネーションというエプコットのアトラクションの曲)も好きだし、くまのプーさんの曲も好き。


…そう、これら全てシャーマン兄弟が作った曲なんですよね。


彼らが手がけた曲はこんな感じ。

▼映画
※ディズニーではないものも含まれます。

・メリー・ポピンズ(1964)
・ジャングル・ブック(1967)
・おしゃれキャット(1970)
・ベッドかざりとほうき(1971)
・スヌーピーの大冒険(1972)
・シャーロットのおくりもの(1973)
・シンデレラ(The Slipper and the Rose)※ディズニーのアニメ映画ではない
・くまのプーさん 完全保存版(1977)
・ラッシー(1978)
・ティガー・ムービー プーさんの贈りもの(1999)
など


▼アトラクション/パーク
・小さな世界 - イッツ・ア・スモールワールド
・魅惑のチキルーム
・ジャーニー・イントゥー・イマジネーション
・Disneyland 60th 「A Kiss Goodnight」など
☝️これめっちゃ好き…現地で聴いた時、泣きました

あとは忘れてはいけない!!
There's a Great Big Beautiful Tomorrowも大好き。

シャーマン兄弟がいたからこそ、ディズニーのアニメーションは素晴らしい曲とストーリーを展開できたのです。



実は代々音楽一家だった


シャーマン兄弟は父親の影響で音楽の道に進んだそうです。シャーマン兄弟の父、アル・シャーマンもティンパンアレーの作曲家でした。

アル・シャーマンは、1909年にウクライナからアメリカに渡り、ピアニストとしてのキャリアを築きました。ニューヨークのハラルド広場で第一次世界大戦中に戦争債券を募るための演奏を行ったこともあります。アル・シャーマンがその時に演奏した曲は『オーバー・ゼア』で、これを歌ったのがジョージ・M・コーハンでした。

シャーマン兄弟の弟、リチャードは作曲家、兄のロバートは小説家を目指していましたが、父親のアドバイスで彼らは協力し合うことにしました。これがディズニー史上初の社内作曲家として採用されるきっかけとなったそうです。


メリーポピンズの「お砂糖ひとさじで」制作の裏話


シャーマン兄弟がプロジェクトごとに多くの曲を作り出す中で、必ずしもすべてが使用されるわけではありませんでした。 

メリーポピンズの名曲、「お砂糖ひとさじで」もそのうちの一つでした。

以下、兄ロバートの息子の思い出話を引用します。

「1960年か1961年のことで、私は学校にいた。その日はポリオワクチンの接種が行われていたんだ。家に帰ると、父はたいていリチャードと一緒に5時か6時まで仕事をしていた。この日は、私が学校から帰ると父がそこにいた。カーテンは閉められ、とても落ち込んでいるようだった。
父は『今日はどうだった?』と聞いた。私は『ああ、そうだな、今日は学校でポリオワクチンを接種してきたんだ』と答えた。
すると父は私を見た。その日、彼らはジュリー・アンドリュースをスタジオに招いて『メリー・ポピンズ』の全曲を演奏していたそうだ。彼らのお気に入りの曲は『Through the Eyes of Love』という曲だったんだ。彼らはこれが最高傑作だと思っていた。ジュリーはすべての曲を聴きき、ほとんどの曲は気に入ったのです。しかし、「Through the Eyes of Love」が演奏されると、彼女は「ああ、わからないわ」と言いました。彼女はウォルトに、その曲にはあまり満足していないと告げ、彼らはがっかりしました。」

「それで彼らはしばらく考えを巡らせました。『うーん...『早めに処置すれば、9回は救われる』とか、そういう感じで、もっとメリー・ポピンズらしいものは思いつかなかったんです。
ワクチン接種から帰ってきた日のことを私は父に話をすると、父は『ちょっと待って。学校で誰かに注射してもらったの?』と言いました。私が注射を嫌がることを知っていたからです。私は『いいえ、彼らはこのカップを取り出して砂糖を入れ、そこに薬を入れました。私はただそれを食べただけです』と言いました。父は私をちょっと変な目で見て、電話機のところに行ってリチャードに電話しました。そして翌朝、彼らは『スプーン一杯の砂糖は薬を飲みやすくします...』と書いていました」

確かに、メリーポピンズの制作過程を描いた、「ウォルトディズニーの約束」という映画にこのシーンがあったかも…!

お砂糖ひとさじで、って子供の頃から記憶に残るフレーズだったので、こうやって生まれたんだと感動しました🥺



ディズニー100周年記念の短編映画で世界中のDヲタ達がこぞって泣いた理由


ディズニー100周年記念で公開された、「ワンス・アポン・ア・スタジオ」は観ましたか?

素晴らしいシーンがたくさん出てくる映画ですが、そのうちのひとつがここでしょう。

ミッキーがウォルトの写真の前で
Got to go, But thanks, On with the show.
「行かなきゃ、ありがとう、ショーを続けるね」
と言ったシーン


100周年の節目でウォルトの写真とミッキーの会話を出してくるなんてやばすぎる!!

と、ストーリーにも感動したのですが、
実は、泣ける理由はBGMにもあったんです。

なんと、この映画のために

リチャード・シャーマン本人が、
あの毎週金曜日に呼ばれたオフィスの、
ウォルトのために曲を弾いたピアノで、


特別に演奏したBGMだったのです。

そりゃ、、想いが溢れる演奏だよ、、

音楽ってすごいですよね。
目に見えなくても心が伝わってくる。

この映画はもう何度も観てるけど、
何度でも泣けます。





天才兄弟の作品は永遠に。


彼らはアカデミー賞®を二度も受賞し、9回ものノミネートを果たしました。特に1964年の映画『メリー・ポピンズ』での「Chim Chim Cher-ee」は、オスカー®の栄冠に輝きました。また、グラミー賞®も3度受賞し、65年にわたるキャリアで24枚のゴールドおよびプラチナアルバムを獲得しました。


兄のロバート・シャーマンは2012年に亡くなりました。

そして、弟のリチャード・シャーマンは、2024年5月25日に95歳でこの世を去りました。

しかし、その遺産は今なお生き続けています。
世界中のパークと、作品の中で毎日たくさんの人に聴かれ、元気を与え続けています。



おわりに


いかがでしたか??
映画やパークを楽しむだけももちろん楽しいけれど、こういった裏話を聞くとより楽しめますよね☺️

もっともっとディズニーの奥深さを知って、好きになってくれる人が増えると嬉しいです☺️


あ、この演奏も、リチャードの愛情深さが伝わってきて大好きなので、
シャーマン兄弟に興味を持ってくださった方、
ぜひ観てみてくださいね🫶


もっとシャーマン兄弟を知りたい!という方は、映画もぜひ!

https://www.disney.co.jp/studio/liveaction/1251

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