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コモンズの再発明

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様々な領域や産業において共創型コミュニティを作り出し、プレイフルに社会のありようをシフトさせていくにはどうしたらいいのだろうか。その鍵になりえる「コモンズ」「共」についての調査や…
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#コモンズ

狩猟採集民から学ぶ「育てない」という感覚

「育てる」「所有する」「管理する」「生産性を上げる」「定住する」 あたりまえじゃん!と我々が思っている概念の結構な多くは、農耕社会がはじまってから定着してきた。 都市化や資本主義の発展、教育システムも、そのパラダイムと地続きにある。 農耕的な概念や営み(「農耕OS」と呼んでみる)は、生存のための基盤をつくり、社会を安定させ、様々なストックを生み出してきた。 同時に、それが故に、集団内のヒエラルキーが生まれたり、所有による争いが生まれたり、画一的な評価のものさしが生まれた

デジタル民家がつくり出す21世紀の原風景 ──VUILD秋吉浩気と丑田俊輔対談

2022年後半に秋田・五城目の地に建設がはじまった、5棟のデジタル民家からなるリアルコミュニティ「ネオ集落」について、建築面を中心としたパートナー・VUILDの秋吉さんと、シェアビレッジの丑田が対談しました。施主がつくるプロセスに参加する方法や、内装づくりの民主化、コミュニティをベースとしたお金面の運営スキームなど、集落づくりのための試行錯誤を語っています。 ↓前回の記事はこちらから 住民はどこまで家づくりに参加できるか丑田: 一年以上にわたるVUILDさんとの試行錯誤を

評価されないという快感

コロナ下の2年半、社会システムが断続的に麻痺したり、世間の空気でものごとが動いていくようにも感じられる中で、どこか窮屈さを覚えていた人は少なくないんじゃないだろうか。 国や自治体の号令や、世間の空気から少しでも逸脱する人は、地域で変な噂をたてられたり、SNSで吊るされたり、といった具合に。一方でその逆サイドの側も、自分たちの信じる世界にいない人をSNSでディスってマウントをとる現象も度々目にする。 一人ひとりの自由の相互承認、そして社会のグレーゾーンがなくなっているような

コミュニティを「ひらく」と「ひらかない」の間

コミュニティを「つくる」と「つくらない」の間、の続編。今回は、「ひらく」と「ひらかない」の間。 前回は、「「つくる」のも「つくらない」のも、どっちが正解だ!ってこともない。自分たちのあり方次第だ」「その「間」にある曖昧さを美味しく噛み締めていこう」というゆるふわ系結論だったが、先に言うと今回もそんな話だ。 ↓こちらもあわせてどうぞ 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 排除性と競合性の間のグレーゾーンコモンズやコミュニティの話をする時、特にアカデミックで使われる二つの

地域に300年愛された「湯の越温泉」を復活させるドタバタ劇!いま、「暮らしを自治する」ということ

2022年3月26日、いつかドラマになりそうな温泉がリニューアルオープンする。この小さな田舎町の温泉復活ストーリーから、「暮らしを自治する」ということに、あらためて向き合ってみたい。 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 地域に300年愛された「湯の越温泉」コロナ禍の2020年に休業した、秋田県五城目町の山間にある乳白色の硫黄泉。 約300年前から温泉として親しまれていた場所で、数十年前までは小学校の敷地内にある温泉として、子どもたちが放課後に浸かって帰ったという思い出

茅葺古民家はランボルギーニだった?現代の価値の変遷から通貨や交換、贈与のこれからを考える

研究者の山口周さんが著書『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』の中で、「役に立つか×意味があるか」の4象限でビジネスを整理していたのを読んだ。自分も戦略コンサル時代、「めっちゃ4象限書いてたなぁ」という淡い記憶とともに、Share Villageで取り組んでいることを無理矢理あてはめてみた。 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 「自動車メーカー」の場合山口さんが著書で紹介している事例では、自動車メーカーを例にあげている。 「役に立つ」市場は、規模

コミュニティにおけるダサさと地味さの美学

田舎でのんびり暮らす中で、「ダサさ」と「地味さ」という視点からコミュニティを眺めてみたら結構面白かったので、一気に書き連ねてみた。 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) カッコよく魅せたい。という気持ちはたぶん誰にでもある。かの宇髄天元も「ド派手にいくぜ」って言ってる。 うちのコミュニティ、めちゃ盛り上がってるぜ。 うちのまち、めちゃオシャレな店たくさんあるぜ。 うちの会社、めちゃ皆んなイキイキ働いてるぜ。 例えば、自分が住んでいるまちを案内する時。平日の朝市よりも、

バイブスとパッション、そして共感(コミュニティ編)

こんにちは。キュレーターの赤坂です。 前回『ヒップホップとコミュニティの関係性』という記事を書かせていただきました。 別の顔として持つラッパーakaposとして、ヒップホップの表現者としてのアーティスト活動をしながら、シェアビレッジや地元立川のチームなどでコミュニティに携わる活動をして、「ヒップホップとコミュニティ」という命題を追究する日々を過ごしています。 今回は前回の記事に続いて、『バイブスとパッション、そして共感』というタイトルで「コミュニティ編」「ヒップホップ編」

都市の機能はどこまでコモンズにできる?

シェアビレッジの関係者がコモンズの再発明について探索する、雑談的なコーナー。今回は、『WIRED』日本版の雑誌「NEW NEIGHBORHOOD」特集にも関わっていた、都市デザイナーの内田友紀さんと丑田が交わした都市とコモンズの話を中心にお届けします。 都市の構造が変わっていこうとしている丑田:WIREDの「NEW NEIGHBORHOOD」特集、読んだよ!マンズィーニさん(※)への取材はどうだった? 内田:マンズィーニさんは以前から影響を受けてきた人だったから、すごく緊

「みんなでつくるプラットフォーム」ってなんだ?猫でもわかる!プラットフォーム・コーポラティズム超入門!

シェアビレッジは「プラットフォーム・コーポラティズム」のモデルケースになっていくことを志向しており、2020年4月のリリースからその実践を重ねてきました。 他方、「プラットフォーム」も「コーポラティズム」も日本語になじんでおらず、ほぐしながら発信していく必要性を感じています。 そこで今回は、澤正輝と丑田俊輔の2人で語りあいながら、猫でもわかるように「プラットフォーム・コーポラティズム」のことを翻訳していこうと思います。 シェアビレッジの葛藤とオリジンへの回帰 澤正輝(

そうだ 一揆、しよう。

2022年、「コモンズ」や「コミュニティ」はどのような変化が起こるだろうか。2021年のShare Villageの動きを振り返りながら、2022年の潮流を抱負も兼ねて書いてみたい。 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 自律分散的に生まれていくコミュニティ群 Share Villageをリリースして8ヶ月が過ぎた。 お陰さまで2021年には、全国各地で16のコミュニティが公開。住宅・山・飲食・農業・まちづくり・子育て・関係人口から、新たな共同体の社会実験まで、様々な領

複数の経済圏を行き来する力が、未来の必須スキルになる

「経済」って聞くと何をイメージするだろうか?今回は、経済をメタに(俯瞰して)眺めながら、多種多様な経済圏を行き来することについて書いてみる。 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 前回の記事はこちら いま自分はどの経済圏で生きているか?「経済」と聞いてぱっと思いつくのは、お金のことかもしれない。「金銭のやりくりをすること」というその意味からすると正しい。同時に、経済という言葉には「人間の生活に必要な財貨・サービスを生産・分配・消費する活動。また、それらを通じて形成される

コモンズは暇人のものなのか?

コモンズ(共有資源)や“共”の可能性について語っていると、「それは時間に余裕のある人だから考えられることだよね」なんて声もある。この21世紀、コモンズとか言ってる人は、果たして暇人なのだろうか? 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 前回の記事はこちら 現代に生きる人々は忙しい?みんな何かと忙しい。仕事、勉強、趣味、子育て。自分の身の回りのこと以外に使う時間なんてない。それ以外のことは、余裕ある人がボランティアでやるか、行政に任せておくしかない。 経済界からは、コモン

コモンズは誰のものか?

コモンズ(共有資源)はみんなで共有していくものだとした時、果たしてそれは誰のものなのか?コモンズを考えていく上で、このテーマは避けては通れない。今回は、「コモンズは誰のものか」をお題に考えてみたい。 執筆:丑田俊輔(シェアビレッジ代表) 前回の記事はこちら。 「共有」の3分類法律上、「共有」にはいくつかの分類がある。 一つ目は、「狭義の共有」。 所有権を複数人で分割して持ち、その持ち分はそれぞれが自由に処分できる。よくあるシェアの形がこれだ。不動産を複数人で持つとか