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【書籍紹介】アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険

ごきげんさんです。
拡がる読書会の主催者やっています、文鳥さんです。

今回は僕が読んだオススメ本を紹介したいと思います。
たまーに紹介できたらいいなぁと考えています。

では今回は
アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険

ちょっとお値段高いんですが、あまりの表紙の可愛さに衝動買いしてしまいました(笑)

あらすじ
苔とか庭いじりを唯一の喜びとしていたアーサーは、ある日教皇から呼び出されます。
そして、亡き父ジョン・マンデヴィルの書に記されたプレスター・ジョンの王国を探すよう命じられます。
しかしその情報源は父の遺したデタラメ旅行記だった。
果たして父の書に真実はあるのか。驚異と笑いに満ちた奇想天外な旅へ、いざ(しぶしぶ)出発!

感想
主人公のアーサー・マンデヴィルは架空の人物なんですが、父親のジョン・マンデヴィルって人は実物?とされている人物なんですね。東方旅行記(マンデヴィル旅行記)の著者として知られています。

内容はマルコ・ポーロが「東方見聞録」のように東方の国々を紹介しているのですが、ほんとに嘘だらけの本なんですよw
ファンタジーの世界で描かれていて、首から上が犬になった女、双頭の雁、巨大なかたつむり、体全体を覆う程の巨大な一本足の人間、など現実には存在しないものが登場する。

そんな内容を信じてしまった教皇に東方にあるというプレスター・ジョンの王国を確かめてこいと言われてしまったアーサー。
嘘とわかっていながらもしぶしぶ権力からの圧力に逆らえずに旅立つことになるわけですが、とにかく低いアーサーのテンションが面白いw
ずっと愚痴りながら冒険をしています。
お供についてきた柄の悪い傲岸不遜な修道士と書物好きで夢見がちな弟。
この二人も個性的で、ちぐはぐなパーティーにはトンデモ旅が待ち構えているのです。
とにかく変な旅なんです。夢のような旅なんです。

デタラメだけど実在する東方旅行記という本は14~16世紀くらいは凄い評判良かったみたいですよ(笑)
今はネットで世界中の情報は手に入りますけど、昔はどっか行っててきた人の話を信じるしかないわけで、この本自体は知識としては役立たずだったみたいですけど、当時の人々を他国や未知の領域への興味を奮い立たせるには凄い役立ったらしいです。

実在する嘘八百な本を元に実在しないアーサーが旅をするっていう、実物と虚構が入れ子構造になっているような状態がとても楽しかったです。
なかなか旅行も行けないご時世。この本を読んで面白い冒険気分を味わってみてはどうでしょうか?

ちなみに表紙を書かれているのは網代幸介という絵本とかいっぱい出している方なんですが、この方の絵がすごく魅力的なんですよね。可愛いけど、ちょっと不気味さなんかもあって、微妙なアンバランスさが良いんですよ。
ページを開くとアーサーたちが旅した内容を記したイラストがたくさんあって、それも見どころです。

網代幸介の絵本でオススメは
てがみがきたな きしししし
郵便屋さんがなにやら怖い屋敷に手紙を届けるお話。怖いんですが思わずページをめくって話を読み進めてしまう世界観は素晴らしいです。

今回はこのへんで。
以上、文鳥さんでした。
ごきげんさーん。

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