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【書籍紹介】僕の狂ったフェミ彼女

ごきげんさんです。
拡がる読書会の主催者やっています、文鳥さんです。

気が向いたら僕が読んだオススメ本を紹介するコーナー

今回はフェミニズム関連の辿っていった本を紹介したいと思います。

ネットでよくフェミニズム関連のつぶやきを見かける機会が多く、いつか関連本を読んでおこうかなぁと考えいたんですが、小説からならわかりやすいかなぁと思ったんですよ。で、手に取ったのが

僕の狂ったフェミ彼女

韓国の小説なんです。韓国のほうが日本よりも差別問題を顕著に取り上げているそうで、そのテーマの小説が増えているようです。

あらすじを言いますと、あるラブラブの学生カップルがいるんですが、彼氏が一年間インターシップにアメリカにいくことになります。そこで彼女が遠距離恋愛は無理!あっという間に破局。それから4年の月日が流れ、彼氏は帰国したあと、ちゃんと会社員をしているんですが、ある日、女性差別を取り上げたデモ行進の中で彼女を発見。まだ昔を忘れられない彼は彼女を探し出します。

で、復縁はするんですが、昔と違ってゴリゴリのフェミニストの彼女。全然別人みたいになってるんですよ。それ彼はあまり重要に思っていない。フェミニストなんて厨二病みたいに考えてるんですね、だから自分の親戚付き合いとか意識高い友人たちに合わせていけば、前のように戻ると思っていて・・・
まぁ、そうは簡単にはいかないわけです。
この物語にでてくる登場人物がほぼステレオタイプなちょい古い価値観を持ってる人たちが勢ぞろいなんですよ。彼女のフェミニスト像もそれほぞ複雑じゃなく分かりやすいネットとかよく発言してそうなステレオタイプ。

フェミニストを彼女にしてみたら・・・
偏った偏見持ちの人ばかりがぶつかりあったら・・・
ってところが見どころでしょうか。

でも、物語のテンポが軽快さを失わないためか、バランスのためか彼女のフェミニスト加減がちょっと浅かったというか、動機が「男性からの受けた被害や圧」に反発している人なだけであって、フェミニストとしての動機がちょっとポップすぎてでフェミニズムの深いところまでいけませんでした。

しかし、フェミニズムが壁となっている男女の今どきの恋愛ものとしてテーマは面白かったですし、軽めの文章でわかりやすく色んな価値が混載する社会を皮肉っている物語。韓国の差別問題について丁寧に解説も入っているので、フェミニズムを調べ始めるきっかけとしてはちょうどよい本となりました。

そして、韓国の差別問題についての本に手を取ります。このまえの読書会でも紹介させてもらった本なんですが良かったので、ここでも紹介。
差別はたいてい悪意のない人がする

ジャンルで言うとエッセイ本になると思うんですが、皆が自然と持ってしまっている思考のバイアスと、日常の中にありふれた排除の芽を注目して、
多様性と平等を考えるための思索しています。
こちらも韓国の差別問題のお話なので日本とはちょっと事情は違うなと思ったりもしますが、将来的に日本も抱えるテーマも混じっているような気もしました。

一つ気になったのが、韓国人が考える「外国人差別」
外国人は出禁しているお店があったりするのが、日本でもないことはないんですが、韓国の方がよくあるような事のように記されていました。
思わずしてしまう偏見からの排除の例として上がっているんですが、他にも差別が何故起きてしまうのかを色々と思索しいるのを分かりやすく記しているのでこちらは差別問題入門として良いと思います。

ただ、差別がなぜ起きるのかが見えてきても、解決策が具体的に載っているわけではありません。差別を知ることが差別を起こさない、起こってもどう心構えをもつかを考えさせられます。


で、差別の中でもよくあるというかよく聞くのが女性差別。
今のフェミニストたちがよく訴えているのは男性との不平等や、男性からの性被害から出てくるものなのですが、ではその被害者が差別や被害からの傷をどう乗り越えたかを捉えたのが下記作品。

当事者は嘘をつく

正直、この本を飲み込むのは結構手こずりました(笑)
本書には、当事者と研究者、嘘かほんとうかをめぐって幾層にも考え抜き、苦しみ格闘したプロセスが描かれています。
エッセイと言うかドキュメンタリーでしょうか。

冒頭に性被害を受けた内容をかかれているのですが、
「性暴力の被害にあった」と書かれているすぐ後に、
私は彼の部屋に行き、性行為に同意した。暴力も脅迫もなかった。
って書いてるんですね。
同意しているのに?とちょっとパニックになってしまいました。
読み進めると初めての性交渉は苦痛なもので、彼との交際していく上でモラハラを受け続け、人格を否定されて精神的に壊れていった自身がいたという流れがあります。
そこから働くこともできないくらいに追い込まれるんですが、僕には「性被害」の定義がわからなくなってしまいました。
本書のテーマとしては被害を受けた女性がどうその過去に向き合っていったか?というのと表題にある「当事者は嘘をつく」の真相を被害者側から述べられるのを追いかける本として読みました。
著者の当事者としての苦しでいる姿は、息を呑む気持ちで読みました。

同意があったからといって、その性交渉の力加減というか程度いうのでしょうか。それはやってみないと分からないわけですが、著者の心の傷になったのは確かで、その傷の負い方は、すべての性被害者に通づるものではりません。しかし、貴重な証言であり、それを乗り越えていく様や、著者が彷徨い歩いた環境は興味深いものがありました。


今回、この三冊を読んでと感じたことは・・・
人間、社会性あっての今の文明の生き物ですから、それぞれの社会での立場や役割が自然と出来上がるのですが、個々としてはすべてそれに当てはまるわけではなく、多様性という概念をもってうまくバランスを取りたいところですが、男女とか国籍とか人種とか関係なくバイアスが生まれまだまだ解決しきれないという現状を思い知らされる感じでした。いやはや難しい。

今回はこの辺で
以上、文鳥さんでした。
ごきげんさーん。

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