見出し画像

老人が助け合えば日本を救えるかも。

少子高齢化、非婚化、円安、人手不足、低賃金、長時間労働、格差拡大、世代間格差、社会保障費、低成長率、一人当たりのGDPの低さなどなど、昨今様々な社会問題が叫ばれております。
これらを一発で解決できるアイディアを思い付きましたので、軽く記事にしてみます。

年齢と資産額で累進するストック課税を社会保障費に充てる

最初に結論から書きます。タイトルの通り「老人が助け合えば日本を救えるかも」と考えております。社会保障費が多く分配されるのも、資産を多く保有しているのも高齢者ですから、高齢者同士が経済的に助け合うのを政府がサポートする形で税制改革を行えば、大多数の国民の税負担を減らせるため、消費や投資が活発になり経済は成長すると予想されます。もちろん社会保障費を上手く削減することも並行して必要だとは思いますが、高齢者の生活を支える財源を現役世代ではなく高齢富裕層に負担して頂くというアイディアです。

具体的には、非線形方程式で下の世代はほとんど非課税となるような制度設計をして、年齢と金額で累進課税となる「金融資産税」を新設し、その税収を社会保障費に充ててはどうかという発想です。ほとんどの高齢者の方の負担は増えませんし、他の世代は税負担が軽くなります。税収額によっては消費税減税すらできるかもしれません。そうすると消費が増やせますね。
最大多数の国民が今よりキャッシュを使えるようになるので必ず経済は成長します。消費が活発化すると賃金が上がり、賃金が上がると婚姻率も上がり、そうなると出生率も上がります。消費が増えると付加価値に対価が支払われますので、生産性も向上します。事業が儲かるので起業も増え、様々な能力が評価されやすくなります。すると日本経済そのものの価値が増して円も買われるようになり、円安も解消します。

ポイントは「高齢世代の格差是正」によって「全国民をキャッシュリッチにする」ということ。しかもこの方法ならプライマリーバランスも崩さずに健全な経済循環が実現できます。

経済が成長し好景気になるなら当然、大企業や資本家、地主ほど儲かりますので、ご高齢の超富裕層の皆様も日本から逃げる必要はありません。息子や孫がガッツリ稼げるようになりますし、一時的に預金の金額が目減りしても資産価値が増します。そもそも余っている資産の数値が減るだけなので、物理的には何の損もしていません。むしろ生きやすく楽しい余生が過ごせる社会になるでしょう。

つまり、老人同士が互いに手を取り合い助け合うだけで、明るく楽しく平和な社会を実現できる訳です。恐らく老人を狙う詐欺師や強盗も減るでしょう。「同世代を助けるのは嫌だ!」というご高齢の成功者の方がいらっしゃるようでしたら、生前贈与で家族に財産分与するのもいいでしょう。社会視点では贈与税収が増えますし、早めに財産を継承した下の世代のご家族が消費や投資、起業を行うことで経済に好影響を与えられます。

簡単に言えば「ごく少数の富豪が一時的に損をすることで大多数が得をし、その結果好景気になり富豪もまた得をする」という仕組みです。金は天下の回りもの。高齢者ほど資産を持っていて、高齢者ほど収入を増やす手段が少なく、高齢者ほど社会保障が必要なので、「老人の互助」「年齢による累進課税」という発想は理に適っていると考えます。

国家・税金とは何か?

アイディアを正しくご理解頂くために必要な予備知識がいくつかありますので、順を追ってご説明致します。

「富の再分配」だとか「格差是正」と言うと「社会主義だ!」「共産主義だ!」と、間違った印象をお持ちになる方がいらっしゃるかもしれません。「本来税金は格差是正のためにある」ということをまず知っていただきたい。日本は民主主義国家で、選挙によって国民の中から代表者を選んで政治を担当してもらっています。政治家というのは国民の中から選ばれた代表者で、さらにその国民の中から政府を担当する人たちを選んでいます。ちなみに国務大臣は民間から選ぶこともできます。もし私を大臣に起用したい総理大臣の方がいらっしゃいましたらいつでもXでDMください。そして、官僚や公務員はその政府(または自治体)に雇用された国民です。つまりみんな国民なんですね。これ意外と忘れがちですが。

そうして構成された国民の政府担当の人たちが税金を集めて「公共の利益」のために使います。公益というのは社会の利益、社会というのは人の集まりですので、つまりすべての国民の利益のために使われます。そして所得税が累進課税であることは皆さんご存知だと思いますが、「社会から多くの富を集めた人が社会の維持・運営費を多めに負担する」ということになっています。という訳で、つまり税金とは格差是正のためにあるのです。

つまり大きな視点で見ると、日本という国は国民によって運営されている訳です。ということは、通貨を発行しているのも、国内で企業・個人が商売することを許可しているのも、税金を集めているのも、大きく見れば国民な訳です。国民が価値交換のために通貨を発行し、経済活動をして、社会の維持・運営のために費用を集め、公益のために使っている、というのが日本という国家です。

国民が国家を運営しているのに、そのシステムによって国民が貧しくなっては意味がありません。資本主義というのもただの経済システムであって、その目的は国民の価値交換のサポートです。なぜ価値交換が必要なのかは、当然物品やサービスの交換、労働という手段で仕事を手伝って対価を得てそれによって生活の糧を得るためです。先程の「政治家や官僚も国民だ」というのと同じで、人間はシステムに慣れてしまうと原理原則を忘れたり、目的と手段を混同しがちです。

つまり色んなイデオロギーや仕組みがありますが「すべては国民のためにある」ということを忘れてはいけません。すべての国民が国家の主権者です。もちろんマイノリティの方も手厚く保護されるのが民主主義の原則ですが、国家の基本は最大多数の最大幸福を目指すことにあります。

日本の経済格差とは?

昨今、高齢世代が多くの富を保有している「富の偏在」による「世代間格差」が話題です。実際どんな感じなのかはこちら。

https://futurelab.co.jp/blog-20220720/

凄い格差ですね。パッと見「60歳以上の老人が大金を持っている」という話になりそうですが、実際には預金ゼロの高齢者も多く、大半の人はそれほど財産を持っていません。同世代の経済格差が最も大きいのは60歳代です。資産の規模が大きいということはその分相対的な格差も大きいということです。

そして10年後にはこのグラフが右にズレることになります。もちろん下の世代も資産を増やすでしょうが、事業や財産は次の高齢世代が相続するため一部の高齢者は資産を増やすことになり、世代間格差はさらに拡大する予定です。私はこれを「格差濃縮」と命名しました。

そして人口ピラミッドはこちら。

https://www.daiwa.jp/lp_dc/ideco/column/article_201/

10年後、20年後はさらに高齢者が増える予定です。富も人口も今後さらに高齢世代に集中していくので、やはり「高齢者の財産で高齢者の社会保障費を賄う」のは合理的だと思います。

参考資料

・脱税回避のため世界で最も裕福な億万長者3000人に対して所得ではなく資産の2%に課税すべきという主張

・超富裕層が生まれる理由と税金の必要性が一発で理解できるウェブページ

・人は「格差が解消されると自分は損をする」と誤解することが判明、絶対的な豊かさより人と比べて裕福なことを重視

・「富裕層が投資で稼いだお金に課税する法律」は予想以上の歳入をもたらし貧富の格差解消につながる

日本人は格差が小さい方が幸せになれる

外国の話は一旦置いておきましょう。あらゆる条件が違うので単純比較はできません。そして資本主義や経済成長、社会発展を考えた時に「競争」は必要です。学力を競う、スポーツやゲームで競う、そして仕事で競うことを一切否定しません。不正や理不尽な条件は当然悪ですが、健全にルールを守ってスポーツマンシップに則り競うのなら一向に構いません。若ければ若いほど何かに熱中し、個性のぶつかり合いを楽しみながらどんどん競争し成長するのは健全なことです。

しかし、日本人はとても「空気を読む」人たちです。こんなジョークがあります。

「早く飛び込め!」
ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。船長は乗客たちに速やかに船から脱出して海に飛び込むように、指示しなければならなかった。船長はそれぞれの外国人乗客にこう言った。 

アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっています」
イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」
フランス人には「飛び込まないでください」

日本人には「みんな飛び込んでますよ」

早坂隆『世界の日本人ジョーク集』より

ステレオタイプなイメージと言ってしまえばそれまでですが、例えばiPhoneのシェアしかり、リクルートスーツしかり、日本人は異端になることを恐れたり周りに影響されやすい人たちであることは疑いの余地がありません。

ということは、周りが浪費すれば浪費し、カップルが増えれば付き合い、結婚が増えれば結婚を考え、起業が増えれば起業する人が増えるということです。「周りに影響されやすい社会」というのは悪循環にハマれば荒みますが、好循環を生み出せば一気に発展させることが可能です。もちろん個人で見れば色んな人がいるのは当然ですが、社会として見た時に「周りに流されやすい人が多い」というのは自明の理ではないでしょうか。そしてその性質を社会発展に利用するためには、大多数に現金を持たせ消費させるのが最も有効です。

「高齢者の引きこもりが増えている」なんてニュースもあります。他の世代より経済格差が大きく、さらに所得を増やす方法や将来性、可能性が若者よりも少なく格差を縮める方法が制限されているので「老人が仲良く楽しく暮らせていない」のです。もしかしたらそういう小さなコミュニティもたくさんあるかもしれません。怪しげな集会所みたいなお店があったり、病院をサロン代わりに使っているなど色んな話があるようですが、老人同士にも大きな分断があるということです。

最後に

若輩者の意見ではありますが、老人の皆様には手を取り合って仲良く楽しく余生を満喫して頂きたい。そのためにはやはり「高齢世代の格差是正」が必要だと思う訳です。あの世に財産は持って行けません。この世をより良い世界にするためにお金を使ってみませんか?そして政府はそれを啓蒙し、手伝い、全国民にとってより良い社会に導くのが仕事ではないでしょうか。

高齢世代が互いに助け合い若者の負担を減らす姿は日本社会全体に対して良き模範となります。国も社会も政治も税金も経済も、本来は人々が助け合うためにあるはずです。昨今蔑まれがちな迷惑老人、金満老人のイメージを覆し、正しく敬われるようにもなるでしょう。より良い社会のための賢明なご判断を願ってやみません。

誰もが赤ん坊の頃は心安らかにスクスク育ち、子供の頃は公平な条件で教育を受け、思う存分遊び交流し学力を競い、若者は趣味を楽しみ夢を持ち、才能を伸ばして個性をぶつけ合って競争し、中年はそれぞれの理想を胸に後進と社会を育て、そして「人生の終末」には仲良く手を取り合って余生を楽しむ。そんな社会がみんな生きやすいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?