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感染症予防のために会社が今やるべきこと

新型コロナウィルスの熱を帯びた報道で不安な気持ちになっていることとお察しします。アメリカでは新型インフルエンザで1万人を超える死者が出ましたし、日本でもインフルエンザの流行期に入っており、会社のオペレーションにおいて頭が痛い問題が続きます。

こういった時会社はどのような対応すればよいのでしょうか。中国では新型コロナウィルスの流行に伴い数多くのマニアルが発行されてきました。今回はその内容を中心に会社でできる感染症予防の対策をまとめてみました。

なお筆者は公衆衛生や医療の専門家ではありません。自己責任でご利用ください。

検温の徹底

中国では体温が37.2度を超えた人は外出や出勤が制限され、発熱外来とよばれる病院に行くように言われます。これは新型コロナウィルスに対する自覚症状がない人であっても微熱が出ていることが多いことからそのような基準になったそうです。37度位であれば気づかず、あるいは無理して会社に行ってしまう人も多いかもしれませんが、そうした人が病原体を周囲にばらまいてしまう可能性も否めません
まず社員には毎朝、家を出る前に必ず体温計測してもらいましょう。検温結果が37.2度を超えていた場合、出勤を取りやめ、熱が引くまで安静にしましょう。Slackなどのビジネスチャットを使っている会社であれば、専用のチャットルームを1つ作り、出発前の各社員に体温を報告してもらうなどの方法が便利です。

手洗いうがいの周知徹底と実効手段の用意

手洗い・うがいは新型コロナウィルスに限らずインフルエンザや風邪などの感染症の予防にも非常に重要です。そのため平時から「手洗いうがいを徹底しましょう」と呼びかけられていますが実際に会社で手洗いやうがいがちゃんとできるようになっているでしょうか。

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正しい手洗い・うがいのために洗面台に次のものを備えていることが望ましいです

液体石けん
・うがい用の紙コップ (小さいものでよい)
うがい薬 (プッシュ式がおすすめ)
アルコール消毒液
使い捨てのペーパータオル
・紙コップやペーパータオルを捨てるための蓋付きのゴミ箱

多くの会社で石けんを置いていると思いますがおそらく紙コップやうがい薬を用意している会社は少数派でしょう。コロナウィルスはいわゆる風邪と同じ感染経路ですので手洗いだけでなくうがいをきちんとすることが重要です。
出社時や外出先から戻ってきたときに必要なことはもちろん、ランチの前にも手洗い・うがいをしてもらいましょう。本来は飲食店に上記の「手洗い・うがいセット」があるべきですが、現在の日本ではほとんど見かけません。

部屋の換気をきちんとする

感染症予防のために部屋の換気をこまめにすることが非常に重要です。窓を開けられるオフィスであれば最低でも1日3回できれば2時間おきに窓を全開にして空気を入れ替えましょう
できれば「誰がいつ換気したか」を記録できるチェックリストをつくり、換気忘れがないように気をつけましょう。
窓が一切開かない高層ビルなどではビル側で強制換気をしています。念のためビルの管理者の方に換気能力を最大にしてもらうように連絡しておきましょう。

2メートル・ルール

作業者同士の間隔は2m以上あけておくことが好ましいでしょう。これはウィルスなどが飛散する範囲が患者から半径2m以内に集中しているからです。机の間隔を2m以上離す、会議室の椅子の間隔も2m以上とるなどの対策が有効です。またお客様と面談をする際にも出来る限り2m以上の間隔を確保できるとよいでしょう。

公共交通機関での通勤は正直リスクが高いです。もし避けられるようであれば自転車や徒歩、自家用車での移動をおすすめします。

2メートル以内での接触があり得る場合はマスク

とは言えオフィスによっては制約上2mの間隔を設けられないこともあります。また客先への営業ではルールを徹底することが困難です。また前述の通り公共交通機関で通勤する社員にとっては他者との密接接触が避けられないでしょう。

こうした時に役にたつのがマスクです。もしあなたが何らかの感染症を持っていた場合、マスクがあることによって周囲に病原体を拡散させにくくなります。(自覚症状がなくウイルスが潜伏していても病原体は拡散します) 他方、一般的なマスクに予防効果は乏しく、病原体を吸い込むことを防ぐのには不十分です。したがってマスクは感染リスクが高い人が積極的につけるべきです。例えば接客業、港湾施設や公共交通機関等で働く人は常にマスクをつけることが望ましいでしょう。

マスクは4時間おきに交換を

もしマスクをつけるのであればマスクを長時間使い続けることにより菌が繁殖して逆に不衛生です。マスクは4時間ごとに交換をしましょう。内勤者であり他の社員との間隔を取れるのであれば、公共交通機関に乗る出社時と退社時のみマスクを使うこととし、朝晩それぞれ新品を使うようにするのがちょうどいいと思います。

リスクを感じたら休む

この文章の冒頭で37.2度を超える発熱がある場合には会社を休むことを勧めるように書きました。しかし多くの社員は37.2度台微熱では会社を休まずに薬を飲んで出勤するケースが多いのではないでしょうか。コロナウィルスは市販薬では治癒を期待できませんのでたとえ37.3度であっても出勤をしてはいけません

これを徹底するためには、社員が必要に応じて休業できる環境を整えることが大事です。普段全く休んでいない人が急に休もうとすると周りのことが心配になり結局休めないということもあるかもしれません。上長はチームメンバーが適切な休業がとれるようにサポートする必要があります。有給をほとんど使っていない社員は特に注意が必要です。あらかじめチーム内で仕事の引き継ぎ方を決めておくなど、スムーズに休業できるようチーム内で連携しておくことが重要です。

抵抗力を高め、心身ともに健康な状態を保つ

「肺炎をこじらせて死ぬ」という話は聞いたことがあると思いますが、新型コロナウイルスが引き起こす症状も主に肺炎です。万一感染したときも、こじらせないように身体のコンディションを整えておきましょう
普段から早寝を心がけて必要十分な休息を確保する、栄養バランスの取れた食事を摂る、日常的に運動をするなどの基本的な体調維持を心がけてください。
コロナウイルスの報道など、暗いニュースをたくさん見ると不安になって心も病んでしまいます。SNSやニュースアプリは程々にし、身体を動かしにいきましょう。

まとめ: これだけはやっておこう

総務スタッフの仕事
・出勤前に検温をするように全社員に通知する
・石けん、紙コップ、うがい薬、ペーパータオル、アルコール消毒液、ゴミ箱を買い揃えトイレに置く
・オフィス入室時や食事前に手洗いうがいを実施するよう告知をする。(声かけ、ドア付近への掲示が有効)
・一定時間おきに換気を行う

上長の仕事
・37度3分以上の発熱のある従業員は会社を休むように指示する
・チーム内でいざとなったときに休めるようにフォローする

みんなの仕事
早寝早起き、健康な食生活、運動を心がけ抵抗力を上げる
朝の検温、帰宅時や食事前の手洗いうがいを習慣にする

怖いのはコロナウィルスだけではありません。インフルエンザ等感染症を防いで効率よく仕事をしていきましょう!

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