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【日想】衆安保険のFocusを経て

直近二回の衆安保険Focus記事でポイントとしてあったのが「プラットフォーマーに依存せず、自前でエコシステムを構築すること」、そしてそれを「クローズドループで完結させること」だった。
たまたま今僕が仕事で絡んでいるメディア系の中国企業さんとの間でも同じような話があった。
この企業さん曰く、中国で「脱プラットフォーマー」の動きが見え始めているということで、TikTok、Weiboといった超強力なプラットフォーム上に自社のアカウントを作り消費者にアプローチすることは消費者へのリーチという意味合いでは有効でも、そこから得られる消費者のデータは非常に限定的で「エンゲージメント」が構築出来ない。
そこでアプリやミニプログラムで自社の基盤を確立し、如何にプラットフォームにあるパブリックなトラフィックをその自社基盤に流し込みプライベートなトラフィックとしていけるかが、顧客と深い関係になる肝であるというということだった。

個人的に面白いなと思ったのはたまたま最近ブックオフで購入した村上龍さんの「おしゃれと無縁に生きる」というエッセイ集の中でもこうした一節があったことだ。(抜粋&要約)
「『カンブリア宮殿』で気づいたのだが『小さな経済圏』を作る動きが少しずつ広がっている気がする」
「とある四国の農協や都下の食品スーパー、食品卸国等は、大手への依存がなく、独自のネットワークによる『小さな経済圏』を成立させている」
「生き残る為には強者に頼ることなく『小さな経済圏』に思いを巡らす方が数万倍合理的である」
このエッセイ自体書かれたのは多分5年以上前だと思うが、日本でも確かにこうした思想・モデルが息づいており、中国でこれがまた「注目企業の最新モデル」として持ち上げられているのは関心深いことだ。
一方村上龍さんは「小さな経済圏は(一人で作るものでは無く、他社・他者と)理念を共有し信頼に基づいた『共生』が必要」であるとも書いており(これは巻末の寄稿文でマザーハウスの山口絵理子代表も特に同調している箇所)、この点まで今の衆安モデルが一致しているかどうか興味深い。

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