一年の抱負に『変化』と掲げる人の愚かさをPM視点で徹底解説
新年を迎え、今年一年の「抱負」を掲げる人をよく見かけます。
誰もが希望に満ちた目標を掲げ、2019年をより良い一年にすべく力強く意気込む。大変素晴らしいことだと思います。
そんな中、一年の抱負として「変化」と掲げる人を何人も目にしました。
おうふ!Jesus!Oh my god!यह खेदजनक है!
PMとして聞かせてください。
・『変化』って何に変化するんでしょう?
・何をどう変えるんでしょう?
・いつまでに変わるんでしょう?
・変わったらどうなるんでしょう?
パッと思いつくだけでもこれだけの疑問が湧きました。
まるで具体性がなく、極めて曖昧で、漠然とした抱負ではありませんか。
間違いなく『変化』しないでしょう。
なぜ曖昧だと変化できないと言い切れるか?
それは、抱負に『変化』と掲げる人の思考回路を紐解くことでよく分かります。
まず、彼らの掲げる『変化』という言葉に具体性が無いのは、複数の問題を繁雑に捉えているからです。
恋人が欲しい、痩せたい、お金が欲しい。そんな漠然としたいくつかの課題をひっくるめて、とにかく「いい感じ」にしたい。でも真剣に考えるのは面倒くさい、だから全てをまとめて『変化』と言い切る。これは明確な思考停止です。
おそらく、正月地元に帰って旧友と酒でも飲んだ時に、漠然と不安を覚えたのでしょう。
友人たちは段々と結婚して家庭を築き、仕事で成功した者は良い時計をして、良い車に乗っている。一方で自分はまだ独身、時計は1万円の安物で、車はおろか自転車も持っていない。自分だけが取り残されているように感じてしまうのも無理はありません。
そして家に帰る途中、何となく「変わらなきゃ」と思ってSNSに書き込むのです。
これは日本人が子供の頃から仮面ライダーやプリキュアを見て育った弊害でしょう。ボタンやアイテム一つで全く違う自分に変身できると潜在意識の中に刷り込まれているが故に、すぐ「変身だ!」と短絡的な思考に至ってしまう。
残念ながら多くの人間は仮面ライダーではありません。どちらかといえば、毎回同じ衣装に身を包み、同じタイミング、同じ技で爆破されるショッカーです。
ちょっとおいしい話を耳にするとすぐ「イイ!イイ!!」と騒ぎ立てるところなんて、ショッカーそのものでしょう。テレフォンショッピングでいらない布団圧縮袋をため込んでいる、そんなあなたはショッカーの才能があります。すぐに入隊を志願しましょう。
(0120-111-111:「フリーダイヤル、イーッ、イーッ」)
では、一体どんな抱負にすれば良いのでしょうか。
そもそも目標には3つの役割があります。
・方向性を言語化して意思決定の判断軸にする
・ステップを刻んで進捗を可視化する
・良い未来を描いてモチベートする
つまり、優れた目標というのは達成するための最適な選択を促し、かつ自分を鼓舞することができるのです。
逆に言えば曖昧な目標の下では優れた行動もされず、モチベーションはぐんぐん下がり、最終的には忘れ去られます。そして2月には節分の豆を年の数の8倍強は食し、挙げ句の果てにはバレンタイン用のチョコを「味見」という大義名分のもとむさぼり食うことになるのです。
もうやめましょう、同じ過ちを繰り返すのは。
これからお教えする3つのステップを踏んで、理想の自分に一歩でも近づこうではありませんか。
3つのステップとは以下の通りです。
1.大目的の設定
2.目標の具体化
3.アクションプランの策定
それでは1つずつ見ていきましょう。
1.大目的の設定
一年の目標を設定するにしても、そもそもどんな風になりたいか「大目的」がなければ目標は芯のないブレたものになってしまいます。そもそも結婚することが人生の幸せだと思っている人と、キャリアウーマンとして生涯を全うしたい人と、両取りしたい人とでは目標は全く違うものになるはずですよね。
例えばあなたが「恋人が欲しい」「痩せたい」「お金が欲しい」と思っていたとします。ではそこに「なぜ?」と問いを立てて深掘りをしてみましょう。
すると以下のようになりました。
・恋人が欲しい
└結婚したいから
└結婚して専業主婦になって仲睦まじい家庭を築きたいから
・痩せたい
└恋人が欲しいから
└結婚したいから
└結婚して専業主婦になって仲睦まじい家庭を築きたいから
・お金が欲しい
└働きたくないから
└家からあんまり出たくないから
└結婚して専業主婦になって仲睦まじい家庭を築きたいから
そう、つまりこの人は「結婚して専業主婦になって仲睦まじい家庭を築きたい」という思想が根底にあるのです。
ここまで綺麗にまとまることは稀ですが、だいたいの方向性と最も優先度の高いものが1つ見えてくれば大丈夫です。
また、1人でやると難しい場合がありますので、もし実家でやる際には両親に「とにかく『なぜ?』って聞き続けて欲しい」とお願いしましょう。
途中から「なんであんたは結婚せえへんの?」「理想高いんとちゃうか?」「お母さんだって我慢したんやで」など、「なぜ」以外の質問が増えてくるかと思いますが、「うるさい!」と声を荒げず「お母さん『なぜ』だけでいいから」と優しく返してあげましょう。
2.目標の具体化
大目的が定まったところで、ようやく抱負を立てていきます。
目標を立てる際に有効な「SMARTの法則」というものがあるので、そちらを参考にしていきましょう。
「SMART」とは、目標を明確に表現するために不可欠な「5つの要素」の頭文字をとったもので、良い目標かどうかを判断するチェック項目としてよく用いられます。
5つの要素は以下の通りです。
◆要素1:Specific(具体的である)
◆要素2:Measurable(測定可能である)
◆要素3:Achievable(達成可能である)
◆要素4:Related(大目的に関連している)
◆要素5:Time-bound(期限が示されている)
そして、よくSMARTにかなった目標の例として使われるのが、1961年にアメリカJ・F・ケネディ元大統領が掲げた『アポロ計画』の目標です。
彼は「今後 10 年以内に人を月面上に着陸させ、無事地球に帰還させる」という目標を掲げましたが、これはSMARTの全要素を網羅しています。ここまで明確かつ具体的でしかもキャッチーな目標はなかなか他にありません。
また余談ですが、アメリカには世界中からその目標に惹かれて優秀な人材が集まり、無事にアポロ計画を成功させたそうです。目標自体が目標の達成に寄与するというとても分かりやすい例ですね。
では、「SMART」に照らし合わせて先ほどの結婚願望が強い女性の目標を立ててみましょう。
「2019年内に体重を50kg以下に落として、年収600万以上の顔面偏差値が大泉洋クラスのメンズと付き合う」
とても具体的で分かり易くなりましたね。
特にメンズが分かり易くなりました。年収600万以上となればジャニーズクラスはまず狙えませんから、阿部サダヲや大泉洋、ムロツヨシあたりが妥当ですね。しかし「面白さ」まで求めると無理があるので、あくまで「顔面偏差値」にしたというところでしょう。
というわけで、皆さんもこの「SMART」に照らし合わせながら目標を立ててみましょう。もし1人で難しい場合は両親に「この5つの基準に合ってるかな?」と聞いてみると良いかもしれません。
ただし「お母さん横文字わからへんわ」「大泉洋ってこないだ映画出てはった人?」「スマート言うたら堂本光一がええんとちゃうか」など、全く趣旨とは外れた話になってもめげてはいけません。優しく「お母さん、聞く相手間違ったわ」と言ってあげましょう。
3.アクションプランの策定
さて、SMARTな目標が立ったらあと一歩です。
最後にアクションプランを立てて終わりましょう。
目標の設定で一番恐ろしいのは、立てたことに満足してしまうことです。
フィットネス器具しかり、美顔ローラーしかり、買って満足しているようでは意味がありません。しっかり行動まで落とし込まなければ顎にたっぷりと溜まった贅肉も、腹回りを占拠する皮下脂肪たちも、そこを微動だにしないでしょう。
そのため、なるべく「仕組み化」することが大切です。
ダイエットであれば食材を定期購入してしまうとか、行き帰りを自転車にするために自転車を買って定期を解除するなど、弱い自分を追い込んでしまうのです。
もし不安な場合は両親に「毎週末に体重聞いてくれない?」と聞いてみるのもアリかもしれません。
ただ徐々に「あんたそういえば隣の鈴木さん別居しはったらしいで」などと世間話が9割になってきて鬱陶しくなってもイライラしてはいけません。「お母さん、余計な脂肪は減ったけど、余計な電話代がかさむわ」と言ってすみやかに切りましょう。
さて、以上がPM視点で考えた「今年の抱負」の立て方です。
これで皆さんの『今年の抱負プロジェクト』が成功することをお祈り申し上げます。
サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。