見返りを求めてしまう気持ちの手放し方
人に親切にしてあげたのに見返りがないことにモヤモヤしてしまうこと、ありませんか?
あるいは逆に、頼んでもないのに世話を焼いてきたと思ったら「ここまでしてあげてるのに、あなたは感謝が足りない!」と文句を言ってくるような人は周りにいませんか?
「見返りを求めずに人に親切にしたり、愛を与えたりできる人になれたらなぁ…」と思いつつも、「都合よく搾取されたくない」「損したくない」って感じると、なかなかそうはなれないのが現実というもんですよね。
あなたはその人を愛したいのか?愛して"あげてる"のか?
他者への親切や愛に見返りを求めるか求めないか。
この違いは、「愛する」という行為を価値提供だと思っているか否かではないでしょうか。
そもそも、「自分ばかり与えて損したくない」と感じるのは
「愛や親切とは、与える価値があるもの」
と考えているからです。
え?そりゃ与える価値があるに決まってる?
でも、例えば幼い頃のあなたはただ心のままに親を愛していただけで、親に価値を与えてやろう!とか、愛を感じてもらいたい!とか思っていなかったはずです。
飼い主にしっぽを振って飛びついてくる犬も、ただご主人様を愛したいから愛しているだけです。
けれども人は成長の過程で、例えば何かしてあげないと友達から無視されるとか、恋人が冷たいとか、親が悲しむといった経験をするようになります。
すると、「ありのままでいるだけじゃ不十分なんだな、何か価値を提供しないと一緒にいてもらえないんだな、注目してもらえないんだな」と思うようになります。
そして、「他者にギブしなければいけない」という思考は「他者からテイクしなければいけない」という思考とセットになって育ちます。
価値提供には必ず対価という概念がくっついてくるからです。
こうして、
と、愛することが「価値提供」になり、与えた価値に対して対価=見返りを求めるようになるのです。
見返りを求める気持ちの根っこにある不安
「テイクしようとしている」と聞くとなんだか傲慢な感じがしますが、テイカーさんはむしろ、自信がなくてビクビクしています。なぜなら、自分がギブした分だけテイクできない状態は「お前のギブには価値がない」と言われるのと同じだからです。
このように、「つい見返りを求めてしまう気持ち」の根っこには「私が提供するものにはちゃんと価値があると誰かに認めてほしい」、つまり、「誰かに認めてもらわなければ、私という人間に価値があるのかどうか、自分では確信を持てない」という大きな不安が潜んでいます。
私自身も長らく、「他者に価値を提供しなければ」という思い込みに染まっていました。
・仕事でバリバリ結果を出さなきゃ
・誰にでも愛想良くしなきゃ
・気がきくね!しっかりしているね!できるね!と思ってもらわなきゃ
・恋人が周りに自慢したくなるような彼女でいなきゃ
全部、根っこにあるのは「私が私であるということの価値を感じてもらわなければ、周りに愛されない・必要とされない」という不安でした。
「価値を提供しなければならない」という思い込みに気づく
でも、そもそも「価値を提供しなければならない」というのがただの思い込みだとしたらどうでしょうか?
愛したい人だけを愛して、親切にしたい人にだけ親切にして、自分が熱中できる仕事だけできるようになれれば、「価値を提供しなきゃ」「提供した価値の分だけ見返りを得なきゃ」なんて思うことさえなくなりますよね。
だから、あなたがすべきことは
・乗り気でない仕事のスキルや資格を手にいれることでもなく、
・無理に相手に合わせることでもなく、
・頼まれごとをいやいや引き受けることでもなく、
「価値を提供しなければ認めてもらえない」という思い込みそのものを手放すことです。
思い込みを手放す方法
では、どうすれば「価値提供しなければ」という思い込みから自由になり、愛と価値提供を切り離すことができるようになるのでしょうか?
これには大きく2つのアプローチがあります。
この2つを並行してコツコツ続けることで、
自分は無理して何か人に与えようとしなくても、ただ自分のままでいるだけでも他者に無償の愛を渡せる人間なんだと実感できるようになり、
また、無理に人からテイクしようとしなくても、既に周りの人たちから多くの愛を受け取っているんだな、という満たされた感覚を得ることができます。
私自身、このアプローチでかなりの思い込みから解放された実感があります。
ある程度自己受容や自己実現ができている人でないと、非現実的なアプローチに感じるかもしれませんが、とても効果的な方法なので、ぜひ実践してみてください。
一人でやるのが難しい場合は、ぜひコーチやカウンセラーのサポートを受けてみましょう。
ただ純粋に自分がやりたいことをやろう
見返りを求めたくないのに求めてしまうこのジレンマは、私自身が長年向き合ってきた課題でした。
私が望むような見返りを与えてくれない相手を責めたり、あるいは逆に、自分の品位が低いせいだと卑屈になったり、ずいぶんグルグルしてきましたが、今ではただ素直に「親切にしたいからしてるだけ」「愛したいから愛してるだけ」という状態でいられるようになりました。
純粋な自分の「want」に従って生きられている状態は、とても身軽で清々しく、自由です。
これまでの私と同じように今悩んでいる人の何らかの助けになれば幸いです。
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