女性がセックスでイッたフリをする本当の理由
先日、Facebookのストーリーズでこんなアンケートをとってみました。
すると、実に93%が「NO」という回答でした。
…みなさん色々とパートナーに言えないことあるんですね…。
でさ…
例に漏れず、私も言えてなかったよね。
「都合のいい女になりたい!」
かつて私には、いかに男性から都合のいい女と思ってもらえるかに全力を注いでいた時期がありました。
は?と思われそうですが、文字通りの意味です。
たとえば恋人に「前戯なしでいきなり挿れていいよ」って言ったりしてたんですけど(笑)、なぜそんなことを言っていたかと言うと、「男性って前戯が面倒なんでしょ?でも私は大丈夫。いつでも挿れていい便利な女だからね〜!」というブランディングで自分の価値を打ち出していたのです。
説明したところでなかなか共感は得られないだろうなとは思いますが…。
そんなブランディング戦略なので、「ガードが甘い」とか「すぐヤれそう」と言われるのがむしろ嬉しかった、という特殊な人間でした。
本当のことは言えなかった
と、ここまで読むと「ずいぶん性に奔放だったんだね」とか「欲望に忠実に楽しんでいたんだろうね」なんて思われるかもしれませんが、実はそうとも言えませんでした。
たとえば「こういうプレイしてみたい」「こういうことをしてほしい」といった願望があっても、相手が受け入れてくれそうな範囲の願望しか言えなかったのです。
あるいは、相手には自分を全部さらけ出して没頭して楽しんでいるように見せつつ、実際は相手の性癖に合わせて相手が喜びそうな反応をする自分を演じていたこともありました。
(100%演技だったわけじゃないけど)
それくらい、ありのままの自分勝負でセックスすることって、私にとってはとんでもなくハードルが高い行為でした。
なぜ女性はイッたフリをするのか
でも、女性は誰しも、多かれ少なかれ演技をしている(してきた)と思うんです。
なぜなら女性は、男性は「男は女を気持ちよくしなければならない」という呪縛に強く囚われていることを、それはもう切実に感じ取っているからなんです。
男性って、とにかくイかせるのがゴール!って感じで、「イッたら100、イかなかったら0」みたいな白黒思考、強いですよね。
男性にとって射精ってとても重要なので、女性もそうだろうと思ってしまうのも分かります。
けれど女性は男性と違って、絶頂に達するにはそれ相応の心身的成熟と継続的な訓練と心理的安全性などの保証された環境が必要です。
個体差も非常に大きくて「こうすれば誰でもイけます」みたいな分かりやすい王道メソッドは存在しないんですよ。(ここめっちゃ大事!)
でも、「私がイくためには、事前準備はこうして、手順はこうで…」なんて、こと細かく要望を伝えるのはハードルが高すぎる。
かと言って「俺は女性を気持ちよくできない男なんだ…」なんて自信喪失してほしくもない。
だから、男としての自信と安心感を与えてあげられるなら、いくらでも演技してあげよう、という思考になるのです。
同様に、とがった性癖とか願望を打ち明けて拒絶・否定されるのも本当に怖いです。
ドン引きされるとか、変態女とか思われるのも怖いんだけど、
「俺じゃこの子を満足させられない」と自信喪失されるのも怖い。
男性はプライドを傷つけられるとポッキリ折れてしまう生き物であることを女性はよく知っているのです。
本当にしたいセックスをするためには
でも、相手に気を遣って本心をさらけ出せないスキンシップにモヤモヤを感じているなら、結局そのモヤモヤを打開する方法は「勇気を出して本心を伝えること」しかないんですよ。
セックスやスキンシップってお互いの深い部分で交じり合う行為だからこそ、そこに少しでも嘘や演技や隠しごとがあると、必ずお互いの心にズレが生じます。
都合のいい部分だけを見せていても、本質的に理解し、繋がり合うことはできないんです。
私もたくさんの恐怖を乗り越えて、自分をさらけ出す努力をしました。
とてもしんどかったし、もちろん相手にもしんどい思いをさせたと思います。
そして、パートナーとの関係性が長ければ長いほど、一朝一夕にはいかないと思います。
いきなり「今までのセックスぜーんぶ演技でした!一度もイッたことないです!」って夫に言ったり、「ほんとは大勢の前で逆さに縛って首絞めて激しく罵りながら失神するまで攻めたい!」って妻に言ったりしても、絶対受け止めきれないので。
長年蓄積させて凝り固まってしまったものは、同じように時間をかけて溶かしていくしかないと思います。
それでも、私にとってはですが、やる価値はあったなぁと感じています。
もちろんこれはセックスの話だけをしているわけではありません。
結論だけ見れば、どうしても願望が叶わなかったという部分もあるけれど、それでも「誠心誠意、自分の思いを相手に伝えて、すり合わせられる部分をすり合わせて、どうにもならない部分も最大限リスペクトをもって受け止める」という挑戦は、してよかったと心から思います。
その価値を一人でも多くの人に感じてもらえたらいいなぁ。
きっとその先にはふたりの素晴らしい未来があるから。
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