アゲアゲな青春

 


この前久しぶりにマクドナルドに行った。
 


 

たまにテイクアウトで買って帰るのだが、店内で食べることはかなり久しぶりだった。
 
 

 
18時くらいに行ったので、夜マックというボーナスタイムに突入していた。



 
 
御存じない方もおられるかと思うが、マクドナルドは17時以降に倍プッシュ制度を導入している。

 

 
ほとんどのバーガーがプラス100円でお肉部分のパティが2倍になるのである。
 
 
 
その特例制度にまんまと引っかかり、チーズバーガーとチキンクリスプをそれぞれ単品で倍プッシュしたため、お会計が予想外の530円というワンコインおこぼれお会計となってしまい涙目で支払いを済ませた。
 
 




 
席に座ると、近くに学校終わりであろう女子高生2人組がいた。
 


 
 
マクドナルドにいる高校生を見て、すごく懐かしい気分になった。
 
 
 



僕が硬式テニス部で青春を謳歌していた高校生時代、よくテニスバッグを背負ってマクドナルドに行っていた。
 
 


今とは違い、あの頃は日本にポテトが溢れ返っており、ポテトLが150円で食べることができていた。
 


 
大量のポテトを机に広げては、まったく中身のない会話を何時間も繰り広げていた。
 
 
 
 



 
僕がよく放課後にいた京都駅には、当時マクドナルドの他にロッテリアもあった。
 
 


 
ロッテリアの“絶品チーズバーガー”が大好きで、よく友達と行っていた。
 
 
 



 
今でこそ少し落ち着いてはいるものの、当時のロッテリアはイケイケで破天荒なイベントを頻繁に実施していた。
 
 



 

ボクシングの井岡選手にスポンサーとしてついており、三階級制覇をかけた試合に合わせて“3段絶品チーズバーガー”というチーズ狂にはたまらない商品を期間限定で出していた。
(デフォルトのロッテリアの“絶品チーズバーガー”が大きいため、マクドナルドの“トリプルチーズバーガー”よりもかなり大きいサイズ。)
 



 

 



“3段絶品チーズバーガー”を2つ食べ、隣で友達が引いていた。
 
 
 
 




他にも、60分ポテト食べ放題の“ポテホーダイ”というdocomoのカケホーダイとコラボした謎のイベントにももちろん参加した。
 
 



 
ポテトのフライヤーをぶっ壊す!というマニュフェストを掲げ、部活終わりに友達と2人でテニスバッグを背負いロッテリアに向かった。
 
 



友達は2袋(ポテトSサイズ)で早々にギブアップをし、フライヤーはびくともしなかった。
 
 



 
結局2人で目標の合計10袋には届かず、8袋に終わった。
 
 
 
 




隣で友達が引いていた。
 
 
 




 
 
さらには、エビカツバーガーのカツが5段の“エビカツツリー”というもはや何のコラボかも分からない謎のイベントもやっており、当然の如くテニスバッグを背負って出陣した。
 
 
 
 


“エビカツツリー”(エビカツが5段)を2個注文した。
 




 
 
 
既に隣で友達が引いていた。
 
 
 




注文すると、調理に時間がかかるということで友達と席で待っていた。
 
 
 
 


 
少し待つと、テイクアウトではなく店内で食べると伝えていたものの、店員さんがテイクアウト用の袋を持ってきた。
 


 
 
 
袋の中を見ると、“エビカツバーガー”が2つの隣にエビカツが8個が別で入っていた。
 
 
 




 
 
僕が引いてしまった。
 
 
 
 


 
“エビツリーバーガー”を注文したはずが、完全に“エビカツバーガー”2つとサイドメニューのエビカツ8個でしかなかったのだ。
 
 


 
 
 
仕方なく当時アルバイトもしたこともない僕がバーガー創作に携わったのだが、パティの部分にあたるエビカツが5枚となると、もはやその様相はバーガーとは成り得ない。
 




 
 
 
諦めて“エビカツバーガー”を片手にエビカツを食べた。
 
 
 
 





 
そんな僕の青春の1ページをマクドナルドで回想していると、さっきの女子高生たちから声が聞こえてきた。
 



 
 
 
会話内容が気になったので、僕はバレないようにそっとイヤホンを外した。
 
 





 
 
学校生活のことを話しているようだが、よくよく聞くと女の子の片方がひたすらに強烈な悪口を言っていた。
 


 

「コイツまじ嫌いなんだよあたし。」

 
 
「ブサイクなのに頑張ってんじゃん。」

 
 
「ガチきめぇ。まじ死ねよ!」


 
 
静かなマクドナルドに現役女子高生の罵詈雑言が響き渡っていた。
 
 
 
 




今のマクドナルドを創り上げたと言われている天国のレイ・クロックも少し顔が引きつっていた様に感じた。
 
 
 
 
 





すると、悪口を放ち続けていた女の子が「こないだ駅で元カレに会ったんだよね。」という僕の知的好奇心を爆発させるような入りでエピソードトークを始めた。
 
 
 




 
 
高校時代に一世を風靡した野々村議員の如く、僕はバレないようにさらに深く聞き耳を立てた。
 
 
 



 
 
聞くと、元カレに会った際に、新たに彼女ができたという報告をされたらしい。




 
 
さらに、その新彼女の写真も見せられて自慢されたらしい。
 
 




その彼女に対して「ブスだった。」とちゃんと批評もしていた。
 
 
 




 
僕はその話を聞きながら、今の高校生はドラマみたいなことをしているのかと驚いていた。
 
 
 





 
ポテトとエビカツを無心で食らい続けていた自分が恥ずかしくなった。
 
 
 
 





 
己の薄っぺらい青春を頬を赤らめながら懐古していると、女の子が続きを話し始めた。
 
 
 
 





 
新しい彼女の話をうんざり聞いていると、元カレが「お前は彼氏できたの?」と聞いてきたらしい。
 
 
 





女の子は「まだできてないし。」と答えると、元カレは「そうなんだ。作ればいいじゃん。」と言ったらしい。
 
 





 

 
元カレのノンデリカシー発言に対して、一言その女の子が言い返したらしい。
 
 
 
 
 






 
「あたし、もう失敗したくないから。」
 
 
 
 
 






 
 
今の高校生はとんでもない青春ドラマを繰り広げているらしい。
 
 
 
 
 
 
 




 
 
 
水瀬
 
 
 

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