読書感想文 #43 『夜間飛行』
みなさんこんばんは。 いかがお過ごしでしょうか。
晴れてまずまず暖かくて、過ごしやすい日曜日でした。
今日は下記の感想文です。(表紙は星の王子さまミュージアム)
夜間飛行
サン=テグジュペリ (著), 堀口 大學 (訳)
内容
感想
新潮文庫から1956年に日本で発売されたこの本は、1部の夜間飛行(1931)、2部の南方郵便機(1929)と二部作になっています。今回は夜間飛行について。
航空機というと今ではジャンボジェット機を思い浮かべますが、この当時は小型で、時速も200キロしかでず、故障したら墜落のリスクも高かったようです。悪天候の自然のリスクも高く、鉄道や船などとの競争もある中での夜間飛行。1つの判断ミスが命取りになるのですが、営利航空会社の支配人リヴィエールの地上での葛藤と、操縦士ファビアンと無電技師を載せた飛行機が暴風雨でアンデス越え、山を避けて着陸しようとするもできない空のパラレルが印象的です。途中ファビアンと結婚してわずか一ヶ月の若い妻がリヴィエールの元を尋ねるも、音信が途絶えてしまいます。少しタイタニックのような、利益に走る人間と、その犠牲になる人間のいる時代の印象があり、「飛行機というこのパイプオルガンの歌が、天へ上りつつあった」といった独特でどこか美しい表現が含まれていて、短い話でありながら、評価が高い作品であるというのが納得できるものだと思いました。
それではまた。
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