読書感想文 #26 『東ドイツ史』
みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
今朝は曇っていましたが、日中は晴れていいお天気でした。
昨日少しJogを軽くしたのですが、走っている最中と直後はなんでもなかったのですが、夜になったらぜんそくがかなり苦しくなったので、今日も外での運動は控えました。
今日はひさしぶりに本の感想文です。
東ドイツ史 1945-1990
ウリルヒ・メーラート著 伊豆田俊輔訳
目次
第二次世界大戦の敗戦国ドイツが分断され、ソ連の影響下で社会主義国となり、ベルリンの壁ができ、最後は壁は崩壊し、統一されるという歴史について詳細に書かれています。
最初に驚かされたのが、略語一覧というページが冒頭にありました。
何だかわかりますか?
DDR はドイツ民主共和国(東ドイツ)
SED はドイツ社会主義統一党
といった感じで政党等の団体名や国名が文中で多くでてきます。
ホーネッカーという名前も久しぶりにみかけました。
本書の構成について訳者が書かれているものを抜粋します。
戦勝国がドイツをどうするか話をし、ソ連が東欧諸国を束ね、東ドイツが国家になるものの、西ドイツも西側として建国されます。ベルリンが東ドイツになるのですが、西ベルリンというのがあり、そこだけ西ドイツになる為、自由な世界があり、東と西で往来があるのを壁を作り、シャットアウトするという、そして壁を乗り越えて西側へ逃亡する人は容赦なく射殺するという非情さがあります。東側では工業等で、割と優等生でありながら、徐々に経済が立ち行かなくなり、赤字が膨れ上がり、福祉も行き届かなくなり、市民の不満も増えていきます。ソ連にゴルバチョフが就任し、方針を変えるペレストロイカを打ち出し、アメリカ等西側に近づき、その影響を東ドイツも受け、市民のデモ活動が巨大化し、国外に出る者も増えて、ついにベルリンの壁が崩壊し、その後も勢いが止まらず、最後は西ドイツの連邦に加わるという形で消滅するという歴史が描かれていました。
テレビのドキュメンタリー番組等で、特に80年代の最後は観たりしてイメージはありましたが、どのように建国に至ったのかとか、そのあたりは知らなかったので、非常に面白いです。
東西ドイツの統一に対してよく比較されるのが南北朝鮮ですが、ソ連自体も1991年に崩壊するという状況であったこと等、タイミングが非常に良かったのと、北朝鮮の金総書記のような世襲の絶対君主がいないことも幸いだったのかもしれません。
本書には残念ながら記載がありませんでしたが、ソ連と東ドイツのスポーツの取り組みも興味があり、なぜいまだに残る陸上競技の世界記録を出す選手がいたのかというのも今後知ることができたらいいなと思います。
45年のみ存在した幻の国の歴史については、あまり日本の教科書には記載がないので、こういった書物がいろいろとでてくると、日本の一般の人たちにも伝わって良いと思います。
それではまた。
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