読書感想文 #27 『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』
みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
今日は晴れて、夏のような暑さでした。晴れると蒸し暑くなりますね。
今日はちょっと変わった本の感想です。
ノーベル文学賞を読む
ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで
橋本陽介著
目次
と、まぁ目次のタイトルだけでも、バラエティに富んだグローバルな内容になっているかと思います。
また、歴代の受賞者を紹介しているのではなく、1980年代以降と比較的最近のものを紹介されています。
先日ツイートでもつぶやきました。
受賞の傾向として、偏らないように世界のいろいろな地域の作家ラテンアメリカやアフリカ、中国等としていたり、越境ですね、ナイポールや高行健、カズオ・イシグロといった人たちが選考されやすいそうです。
それぞれの作者の人物像や時代背景等だけでなく、独特な文体や表現についても実際の文章を元に解説されています。
一つ例にとってみます。
ナイポールのミゲル・ストリートの説明です。
ストーリーが子供の目線で書かれているのが肝になっています。しょーもない大人をカッコいいと思ってしまうとか、確かにありますね。
読者があー、そうそう、あれは良かったよなぁ、という郷愁を味わうのはよくありますが、思い出したくもないような汚い部分を出し、大人が子供にほらを吹くという話が随所にでてきます。
このように作品の分析がされているので、なんだろうこれは、ちょっと面白そうだなぁ、読んでみようかなと思える内容になっています。唯一日本人を紹介されているのが大江健三郎ですが、名前は知っていても、作品は全然知りませんが、なぜ彼が受賞したのか、村上春樹がとれないのに、そのあたりもなんとなくわかります。ノーベル賞は商業的に成功した人を選ぶという方針ではないようです。
せっかくなので、これまで全く手にとることのなかった大江作品でも今度は読んでみようかなと思います。
以前2作品ほど、読書感想文を書いていたので、お知らせします。
V・Sナイポール ミゲルストリート
高行健 霊山
それではまた。
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