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読書感想文 #37 『肩をすくめるアトラス 第二部 二者択一』

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

冬晴れの今日は在宅でほとんど家にいましたがいろいろバタバタしてあっという間に終わってしまいました。


今日は以前でもご紹介したSF小説の続きとなります。

肩をすくめるアトラス 第二部 二者択一

アイン・ランド著


目次

第一章この世にふさわしい男 6 第二章コネの貴族 73 第三章白いブラックメール 147 第四章犠牲者の承認 211 第五章残高不足 269 第六章ミラクル・メタル 328 第七章頭脳のモラトリアム 383 第八章この愛によって 448 第九章苦しみも恐れも罪もない顔 487 第十章ドルマーク 522


あらすじ

生産統制が強化され、深刻な不況にみまわれるアメリカ。失意のダグニーは、工場跡で偶然発見した奇跡の大気発電モーターの設計者を探しだすことを決意する。強欲な実業家への批判が高まるなか、ジムの結婚式で、幼馴染のフランシスコが「お金は諸悪の根源ではなく、名誉の象徴」と演説をおこなう。

登場人物

ダグニー・ダッカード ダッカード大陸横断鉄道業務取締役副社長

ヘンリー・リアーデン リアーデン・スチール創業者社長

フランシスコ・ダンゴニア ダンゴニア銅金属副社長

ジェイムズ・ダッカード ダッカード大陸横断鉄道業務取締役社長

ロバート・スタッドラー 天才科学者・国家科学研究所所長

フロイド・フェリス 国家科学研究所調整官長

ナース リアーデン・スチール分配長代理

ケンティンダニエルズ 若手科学者・モーターの研究者

ケン・ダナガー ダナガー石炭社長

エディーウィーラーズ ダグニーの幼馴染・副社長補佐

ラグネル・ダナショールド ノルウェイ人の海賊

オルレン・ボイル 共同製鉄社長

シェリル・ブルックス ジム・ダッカードの婚約者

リリアン・リアーデン ヘンリー・リアーデンの妻

フィリップ・リアーデン ヘンリー・リアーデンの弟

ウェスリー・ムーチ 経済企画国家資源企画局調整官長

ユージン・ローソン 経済企画国家資源局顧問

バートラム・スカダー 「未来」誌編集長

オーウェン・ケロッグ ダッカード大陸横断鉄道元社員

ジェフ・アレン 浮浪者・二十世紀モーター社元社員


ふう。登場人物を書くだけでくたびれました。以前も書きましたがこの本はアメリカの大富豪たちは皆読んでいる小説です。

お金持ちになる方法というよりも富豪を政治やライバル、マスコミやらに足をひっぱられて苦悩するような話で、こうならないように慢心せずに気をつけるようにというのを実感できます。

どんどん景気の悪くなるアメリカで、政令が発令され特許がなくなったり、従業員が退職できない内容になっているが、鉄道のレールのメンテナンスはひどく、ついにはトンネルでおぞましい事故まで起きてしまいます。

敏腕女副社長のダグニーが駆け回り、ヘンリー・リアーデンやフランシスコ・ダンゴニアが同志でもあり恋敵でもあるのがドラマチックでもあります。

1920年代を舞台となっていますが、戦後のアメリカの鉄道産業の斜陽の前兆を描いたような内容になっています。

資本主義が機能不全に陥るとこういうふうになるのかと映像を思い浮かべることができます。

登場人物も多く、地名もアメリカ各地で名前は一応わかるけど、街はよくわからないため、なかなか日本人には理解が難しいのもアメリカでの知名度と日本の知名度が両極端になっている原因かもしれません。

自分は富豪でもなくサラリーマンだし、アメリカの昔話だから関係ないと思ってしまうかもしれませんが、これから社会人になる日本のすべての大学生の必須教科書にしてもいいくらいの本です。

事実、世界の長者番付のトップのほとんどがアメリカ人なので、ほんとうのトップの人たちが気にかける本は、図書館やそのへんの本屋ではなかなか探すのが大変ですが、読む価値があります。読んでいて司馬遼太郎の歴史小説のような日本人の心をゆさぶるようなものはありませんし、ロバート・キヨサキの「金持ち父さん・貧乏父さん」のような読んで金持ちになりそうだというような気持ちよさもありませんが、読んだと読まないでは人生において雲泥の差があるかと思います。ぜひ読んでみてください。



それではまた。


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