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読書感想文 #49 『首里の馬』

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
今日は一日雨でした。そんな中で正月に行けなかった実家に日帰りで行ってきました。

今回は下記の感想です。

首里の馬
高山羽根子 著

第163回芥川賞受賞作品

概要

この島のできる限りの情報が、いつか全世界の真実と接続するように。沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて……。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。

感想
舞台は沖縄県の旭橋というモノレールの駅近くの雑居ビル。そこで未名子は世界の数名のメンバーにクイズを出すという仕事をしていて、不思議な空間が広がっていました。ある日自宅の庭に謎の生き物がいることに気づき、それが宮古馬で、ヒコーキと名付け、ヒコーキに乗って、街を歩きます。

途中戦争の地上戦の話だったり、戦前に琉球競馬というレースではなく、毛並みの美しさを競う独特のものがあったのが、地上戦ですべてなくなり、資料もなくなり、今は何も残っていないのだとか。順さんの資料館や未名子の暮らしがマイナーな感じがあり、戦争でおぞましいほどの犠牲を払った沖縄も未だに歴史があまり知られていないという点ではマイナーであり、その切なさが描かれているのが、ユニークな印象を受けました。

本州の人たちからすればいまや明るい大人気の南国リゾートの沖縄の影の部分を静かに描写した感じで、ちょっと待てよ、いろいろあったんだぞと考えさせるような、それが高く評価されたのかと思いました。


それではまた。


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