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読書感想文 #60 世に凄む日日

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

寒い日が続きますね。 北日本など大雪の地域もあるようです。気をつけたいですね。

今日はこの本の感想です。

世に凄む日日

司馬遼太郎 著

概要

時は幕末。嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。
長州萩・松本村の下級武士の子として生まれた吉田松陰は、浦賀に来航した米国軍艦で密航を企て罪人に。生死を越えた透明な境地の中で、自らの尊王攘夷思想を純化させていく。その思想は、彼が開いた私塾・松下村塾に通う一人の男へと引き継がれていく。松陰の思想を電光石火の行動へと昇華させた男の名は、高杉晋作。身分制度を超えた新しい軍隊・奇兵隊を組織。長州藩を狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動に駆り立てていくのだった……
骨肉の抗争をへて、倒幕へと暴走した長州藩の原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の青春群像を鮮やかに描き出す長篇小説全四冊。

感想
この本を読むのは二度目で、前回は5年くらい前に図書館で借りた古い大きな本で、その後文庫本を探すもどこにも見つからず、ついに先日
、新宿の紀伊國屋書店でようやく見つかり、全巻まとめて購入。ちょうど年末で鉄道の移動が多く、読書の時間が取れて、1週間で4巻読みあげました。
幕末の長州藩において、前半は吉田松陰の話で、後半は高杉晋作の話になっています。
師匠と弟子で対照的な性格の両者であるものの鎖国の時代にペリーの戦艦に入り、アメリカに連れて行ってくれと懇願する松陰と、上海に洋行に行き西洋に支配されてはならないと思う晋作。世界にでて視野を広げようとするところは似ています。

日頃は芸遊びが好きで、次々と奇跡を起こす革命家の晋作の話はマンガのようで、シティーハンターの冴羽遼みたいな感じもして、周りの連中は後に明治の日本政府の中心を担うというのもスゴいことで、明治維新により、今の日本のかたちの土台ができたのですが、徳川将軍に引導を渡す中心の一つ、長州藩のこの物語は、もっと多くの人に読まれていいと思います。

幕末から維新後の西南戦争まで、近代化された中での日本人同士の紛争は、その複雑さや精神が今の中東などでのテロや紛争に対して、なぜ人間がああもなってしまうのか、少し理解できる気がします。

それではまた。


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