読書感想文 #33 『国家はなぜ衰退するのか (上) 権力・繁栄・貧困の起源』
みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。
今日で7月も終わりますね。明日からはいよいよ8月です。
今日は下記の本の感想です。
国家はなぜ衰退するのか (上) 権力・繁栄・貧困の起源
ダロン・アセモグル&ジェイムス・A・ロビンソン 著
鬼澤忍 訳
目次
感想
フェンスの両側にある元々同じ町で両極端な富裕と貧困の差があるという現実とその背景について書かれており、衝撃的でした。アメリカ側の人たちが極めて優秀で、メキシコ側が怠慢で劣っているということではなく、過去から現在の中で制度や国の発展でこのようになったわけで、人の優劣とか地理とか全く関係がないというのがよくわかりました。
大変重要で、でも知らない人が多い事実ではないでしょうか。市民が怠慢とか民族的に劣っているとかが貧困の原因でもなく、地理的に資源に恵まれたり、農産物に恵まれた国が裕福で、そうでない国が貧しいというのがあてはまらないわけで、歴史の中で、植民地の先住民を搾取して支配してきたことを政府が引き継いでしまったのが今日まで貧しい国であるのだそうです。政治の問題を見て、その上で経済学が必要なのだそうです。こういったことはもっと教育して広める必要があると思います。
欧米のアジア侵略の影響から徳川家の支配脱却する明治維新を政治革命として表現しているところが興味深いですね。その後国会ができ憲法制定し近代の日本ができたことから、戦後焼野原からでも高度な成長を実現したと考えるのは自然で、日本の経済成長が単に敗戦から必死に頑張っただけではないということがよくわかります。この詳細は本の下巻十章でも書かれているそうです。
このような切り口は日本では珍しく、目からウロコで読みやすかったです。経済学者等が誤った情報や偏見で貧富の差が誤解されているということがよくわかりました。ちゃんとした原因を教育していくことで、多くの人に理解されて、将来の改善につながっていくものだと思いました。
それではまた。
よろしければサポートをお願いいたします!!! 費用は活動費に充てさせていただきます。