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【能登半島地震】なぜか進まない復興。県・国はどこを目指しているのだろうか

半年経過、なぜか進まない復興。石川県、国はどこを目指しているのだろうか。復興が後退していないだろうか・・・・

LINEヤフーは7月24日、1月1日に発生した能登半島地震被災者の避難先などについて、同社が保有する位置情報データなどを活用して分析したリポート「能登半島地震から半年 ビッグデータからみる能登半島地震の避難状況」を公開した。

 被害が大きかった石川県輪島市と珠洲市の人流を時系列で分析したところ、地震発生直後に推定居住者の約7割が自宅を離れた可能性があることが判明。6月末の段階でも全体の約46%しか自宅に戻れていないことが見て取れたという。

被災後に輪島市・珠洲市の住人がどこへ移動したのかを分析したところ、石川県内では金沢市が最多。県外で最も多かったのが隣の富山県だった。

分析を通して同社は「多くの被災者が今も帰宅できず、やむを得ず他県や東京都への移住を選択せざるを得ない現状にある」と指摘。「被災地はメディアの注目度の減少とは逆に、いまなお深刻な危機に直面している。報道の減少が、決して状況の改善を意味するものではなく、被災地の復興の遅れが単なる印象ではない」と危機感をあらわにしている。



1.復興とは

復興とは、防災の考え方を「課題解決型」から「目標達成型」へと変える取組。従来の防災では、目の前のリスクをどのように減らすかという課題に追われがちであった。しかし、それでは問題の根本的な解決にはつながらない。

「目標達成型」の発想では、まず私たちが目指すべき理想のビジョンを描く。そして、そのビジョンに向かって計画的かつ持続的に取り組んでいくことが求められる。これにより、単にリスクを減らすだけでなく、地域や社会全体の発展と向上を目指すことができる。

特に重要なのは「事前復興」の実践。災害が発生する前に、どのような未来を作り上げたいかを明確にし、その目標に向けた準備や取り組みを進めておくこと。
これにより、災害が起きた際も迅速かつ効率的に復興を進めることができ、より良い社会を築くことが可能になる。復興は単なる災害対策に留まらず、未来を見据えた持続可能な発展を目指す大切なプロセスとなる。
※一部経団連の考え方を参照


2.なぜ復興が進まないのか

ガイアの夜明けでちょうどその話が放送されていた。
半年が経過し、少しづつではあるが、地元にひとも立ち上がり前を向き歩みを進めようとしている。それにはもちろん壁がいくつも立ちはだかる。しかも、災害前なら何とか乗り越えられた壁が、大きく見えてしまうのである。
国の制度の問題なのか、社会的な課題が直結しているのか、それまた地域の問題なのか、考えさせられる内容であった。

国交省では、復興まちづくりの体制や手順等を事前に検討しておくことで、被災後に早期かつ的確な市街 地復興が可能となるよう、5つのポイントをガイドラインで明示している。

1.体制
復興まちづくりを進めるにあたり、どのような 体制で、どの部署が主体となって進めていく のかを明確に決めておく。

2.手順
どのような時期に、どのような対応が生じる のかを把握、整理し、どのような手順で実施 していくのかを決めておく。

3.訓練
職員が市街地復興への理解と知見を得るた めの、復興訓練を実施する。

4.基礎データ
どのような基礎データがあるのかを確認し、 まちの課題を分析する。 不足データの追加・充実、継続的な更新等、 基礎データを整備しておく。

5.目標
市町村での被害想定とまちの課題をもとに、 被災後の復興まちづくりの目標と実施方針を 検討しておく。

北陸地方・石川県ではこのことが欠如していた。

復興まちづくりのための事前準備の取組状況(令和5年7月末時点)を見ると、事前準備の不足状況が確認できる。

赤*いずれかの取組を「検討済み」または「検討段階」と回答した自治体
緑*いずれの取組も「検討していない」自治体

以下、参照

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001734593.pdf

全国の状況をみても、取組着手率は、政令指定都市が90%、特例市が約78%、中核市が約77%など、自治体の規模が大きくなるにつれて高い傾向がみられる。

小さな市町がある、地方はその取り組みが遅れ、いざという時に復興が遅れてしまうことになる。実際、そのような状況だ。

復興まちづくりのための事前準備の取組を国の基本計画に入れ込み、市町での策定を推進していくべきである。それも今すぐに。
また、それら取組は自治体同士で共有し合い、毎年更新していくことも大切だ。


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