自分を愛するにはどうすればいいですか。

みなさんは自分を愛していますか?自分を愛するのって時々難しいですよね。必要以上に自分をだめだと自己卑下したり、自分を無理に頑張らせすぎたりすることってありますよね。私はどちらかというと、自分を愛するのは下手な方だと感じています。ですから、「自分を愛するにはどうすればよいですか。」という動画がYoutubeのおすすめに上がってきたとき、何気なく再生しました。よく知らない外国のお坊さんだし、つまらなかったら直ぐに見るのをやめたと思います。

でも、この方の静かな佇まいに引き込まれ見入ってしまいました。只者ではない感じがひしひしと伝わってきます。

そして、必要な方にどうしても見てほしくなってNoteを書いています。英語で話されていますが、設定から日本語字幕を出せるので気になった方は、ぜひご覧いただければと思います。

こちらの動画は、ベトナム人の禅僧、ティクナットハンさんが、facebookに寄せられた質問に答えた講話です。

ティクナットハンさんは、ダライラマ14世とならんで、平和運動に尽力された仏教者でノーベル平和賞の候補者にもなった方だそうです。私はこれまで、恥ずかしながら存じ上げませんでした。

この講話の中では「自分を愛すること」がどういうことなのかとてもシンプルに具体的に伝えられています。

自分の備忘録も兼ねてポイントを書き残しておきます。

   「自分を愛すること」

 自分を愛することはまず、息を吸いこむことです息を吸いこむと自分には身体があるということに気づきます。例えば、パソコンに2時間向かった後は、ストレスでいっぱいになっています。その時は完全に身体のことは忘れています。未来のことや仕事のことを考えている2時間、身体はストレスを感じています。

 自分を愛する第一歩は、息を吸い、自分の身体に立ち返ることです。息を吸うと自分には身体があるということに気づきます。こんにちは!身体さん、私帰ってきたよ!世話をするね。そのように身体に立ち返ることが愛の始まりなのです。

思考が身体に立ち返ると、思考と身体が今この瞬間に立ち返ります。マインドフルネスな呼吸をし、思考と身体が今この瞬間に立ち返ると2つのことに気づきます。

①身体が未知なるものであるということを再発見する

身体は宇宙の傑作です。肉体は意識が宿る場所です。みなさんは身体のすばらしさをわかっていない。身体には宇宙の歴史に関する全情報が備わっています。身体の一つ一つの細胞に人間の祖先だけではなく、植物、鉱物、動物、あらゆるものの祖先を感じることができます。この全存在の祖先が身体に息づいています。宇宙が一体となって作り出したものが皆さんの身体です。

自分の身体と通じ合うことができれば、全宇宙とつながることがでます。すべての祖先とも、将来生まれてくる存在とも。身体という神秘を受け止めることができますか?

母なる大地はあなたのうちにあります。足元の地面ではなく、周りの空気でもなく、あなた自身の中に存在しています。父なる太陽もそうです。あなたは太陽の光によってできています。新鮮な空気や、新鮮な水によって。この神秘に気づくと、このすばらしさがわかると、たくさんの幸せが訪れます。

呼吸をすると身体に気づくのです。身体がある喜びを感じることができるようになります。生命の流れと繋がり、祖先たちとつながることができるようになります。身体には宇宙に関する全情報が入っているのです。こうした気づきによって傷が癒え、豊かさに満たされます。

②身体にこわばりや痛みがあるということ

それは、長い間身体にため込んできたから、身体を顧みることがなかったから、身体を苦しめてきたからです。マインドフルな呼吸はこの事実に気づかせてくれます。身体の苦しみを減らしたいと思うようになります。だからこそマインドフルに息を吐くのです。すると身体のこわばりを開放することができます。これは身体に直接働きかける愛の行為です。

息を吸い込むと体に気づきます。息を吐きだすとこだわりをほぐすことができます。これが自分を愛すること。身体とつながる愛の行為です。とても具体的です。

「自分を愛するとは身体の存在に気づき、こわばりを手放すことです。」

あなたが息をすって息を吐くと、身体にマインドが戻ってきます。そして自分を生き返らせ、癒してくれる。光や風や水という宇宙の各元素がたくさん存在するということに思いいたるのです。喜びの感情を生み出すことができるのです。自分自身を養う幸せを生み出すことができます。これが愛するということです。喜び、幸福の感情で自身を満たすことです。

マインドフルネスな呼吸をすることによって、痛みのある感情が出てくるかもしれません。でももうわかっています。痛みや悲しみに気づき、抱きしめることができるということを、そして苦しみが減るということを。

1分、2分、3分だけマインドフルネスな呼吸をし、痛みと悲しみを抱きしめると、苦しみを減らすことができるのです。これが自分を愛するということです。

苦しみに気づいたら、まず落ち着きを取り戻します。するとさらに先にすすむことができるでしょう。苦しみに耳を傾けることによって、その成り立ちを深く見つめることによって、苦しみの根を、そのような苦しみを生み出した考えを、見つけることができるでしょう。自分の苦しみの成り立ちが見えてきます。するとその苦しみには、自分の父親の苦しみ、母親の苦しみ、祖先の苦しみまで含まれていることに気づくでしょう。

自分自身の苦しみを理解することは、父親の苦しみ、母親の苦しみ、祖先の苦しみを理解することです。そしてその苦しみの理解によって常に必ず共感が生まれます。共感には癒しの力があり、共感により苦しみは軽くなるでしょう。これも愛するということなのです。

そして苦しみが軽くなると、ほかの人を手助けすることができます。息子や娘、父親、母親、パートナーの苦しみを軽くしてあげられるでしょう。他の人の苦しみを理解すれば、これ以上苦しみを味わうことはないでしょう。

そして自分自身のうちにある、共感のエネルギーによってほかの人の苦しみを軽くしてあげたいという気持ちがうまれます。そしてその人たちの苦しみが軽くなれば、自分自身の苦しみも軽くなるのです。そしてもっと喜びを感じることができます。これが自分を愛する方法です

自分を愛する方法がわからなければ誰かを愛することはできないのです。

これがブッダの教えです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポイントだけ書き留めておこうと思ったのに、一字一句素晴らしくてほぼ書き起こしのようになってしまいました。

「自分を愛する」ことがどういうことなのか、こんなにシンプルにわかりやすく語ってくれた人にあったことがありません。いや、いたのかもしれないのですが、あまり心に残りませんでした。

調べてみると、ティクさんはベトナム戦争時に仏僧として、戦争に反対し、平和を求め活動し、いろいろな国から入国を拒否されたり、不当に身柄を拘束されたり、自国であるベトナムから国外追放されたりと壮絶な人生を送られています。

彼の存在が放つ光と平和で穏やかなたたずまいそのものが「愛することはどういうことか」を体現しているような気がして、言葉以上に伝わってくるものがありました。

この動画を見てから意識して息を吸うようになりました。そうすると、自分の意識が前のことを思い出したり、先のことをシュミレーションしたり、不安になったりと忙しく、今ここにとどまっていないことに気が付きます。息を吸って吐いて今この瞬間に意識を戻すと穏やかな感覚を感じることができます。そして、自分の妄想で自分を苦しめていることに気がつきました。

何度も何度も形状記憶合金の用に、今までのパターンに戻ってしまうことがあると思います。でも何度でも自分の呼吸に、今このときに立ち返って、今ここにあることを感じていきたいと思いました。

もし、動画をご覧になって何かお感じになることがあれば、ぜひ感想をコメントでシェアしていただけたら嬉しいです。

苦しみの中にある方にティク師の教えの光が届きますように。











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