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少子社会日本~読書記録117~

2007年出版。「パラサイトシングル」でお馴染みの社会学者・山田昌弘先生の書だ。

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少子化の原因として、先生は「経済的面」を強調されていた。
又、高収入男性の方が結婚出来ると言われていたが、それで全てなのだろうか?
高収入でも結婚出来ない人は出来ないし、収入が少ない、高学歴ではない人の子だくさん(で、キラキラネーム)の人は沢山いる。

確かに、先生が書かれていたように、パラサイトシングルが居心地が良すぎて結婚が遠のく人は多い。
60歳くらいの男性でも、正社員で親とずっと同居、家事は親が、で独身。などと言う人は沢山いる。
以前、少しだけ訪問ヘルパーをしていたのだが、80代、90代の親と同居の独身男性の多さにびっくりしたものだ。

確かに、戦後の高度経済成長、バブル崩壊、非正規雇用の増加。などなど、結婚出来ない要因はあるだろう。
先生が書かれていたように、戦後は「結婚したら子供を作れる。以前は外に子供を持つ嫡出子がいて、財産分与もあった」。その通りなのだ。
経済的な面でのみ少子化対策を語るのなら、一夫多妻制でもいいのではないかとさえ思えるのだ。
インドネシア初代大統領スカルノ氏のデヴィ夫人を観ていたら、なんか素敵に思えるし。

友人夫妻は夫婦共に非正規雇用。経済面から子供を作らない選択をした。
そのような人は確かに増えている。

だが、果たして、本当に経済面の問題だけなのだろうか?

私個人の考えだが、心の在り方が大きく変化したからではないかと思う。
私の叔父、叔母は結婚前、親元から勤めに出ていたが、決してパラサイトシングルではない。農業では親の食べる物、着る物も賄えない。給与を貰って家計を助けていたのだ。
昭和時代の親元で暮らすシングルと平成以降のシングルは違う。

そして、日本人が贅沢になったのだろう。物質面において。

更に、現在「親ガチャ」とかい言う言葉が流行っている。「毒親」とかも。
ちょっと子供をぶつと、虐待だのなんだの。公園も恐怖だし。(私だけか?)
要するに、子育てが昔よりもずっと責任を負わせるものなのだ。

私は、「大草原の小さな家シリーズ」が大好きなのだが、ローラの父、インガルス氏を「毒親」だとか、ローラ自信を「毒親」だとか。
ちと、この記事には悪意しか感じない。
何も、ローラの一家、ローラだけがそうではなく、19世紀のアメリカ開拓期には、どこの親もこんな感じだったのではないだろうか。
家族の目が見えなくなったら、周りがケアするし。
21世紀だから「毒親」だの言うわけで。

ネットを観ていても、30代、40代、50代と、「毒親に育てられた」「アダルトチルドレン」など言う人は多い。
昔よりも親の文句を言う人は確実に増えている。

昔の人は、その時に与えられた状況を受け止め、懸命に働き生きた。それだけで。普通に子供を作り、生んだわけで。

確かに子供にはお金がかかる。イヤになる。
そして、経済面だけでなく、精神的なストレスも多分にある。
社会学者はデータを述べるだけで解決は示せない。

多分、今後ますます日本の少子化は進むだろう。

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