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おいしい旅 想い出編 アミの会~読書記録260~

アミの会は、仲良し女性作家のグループだ。
で、短編小説を共同発行したりしている。

こちらは2022年に書きおろした作品なので、食事の時にマスクを外したり、食事が終わると付けたり。 そういった細かい描写がリアリティを感じて、面白い。

やはり、私は新津きよみ先生が好きだ。ほんの僅かのページであっても、必ず何かしらのミステリー部分を備えている。

そして、本書最後の大崎梢先生の作品では、読みながら泣いてしまった。
恥ずかしい・・・
結婚を機に横浜から高知に移り住んだ女性。80代になった現代、懐かしの横浜にと旅行するのだ。もう知った人はいない。弟は早くに亡くなってしまったのだ。
彼女は、両親と弟の墓があるはずだという、横浜の二俣川のお寺に行く。もう無縁墓として処理され無くなっているかもしれないと思っていたが、墓を見つけた時の喜び。掃除もされていた。
昼食の時に、その墓を手入れしていた姪2人との久々の再開。姪2人は、彼女の息子(従兄)から連絡を貰っていたのだという。
尚、ここに出て来る寺の名前で検索したが、架空のものであった。当たり前か・・・
しかあし!
イチャモンをつけるわけではないのだが、その墓に最後に入ったのは弟のお嫁さんで10数年前。2人のお子さんもまだ生きているのだから、そう簡単に無縁墓にはならないだろう。
お寺だって、連絡のつく親族が何人もいるものを、そう簡単に処分出来ないだろうし。小田原市で北村透谷の墓のある寺に行った時に、無縁墓を多数見たが、かなり旧いものだった。
その辺は、まあ、お寺で働く知り合いにでも聴いてみたいと思う。


これが無縁墓。平成以後に亡くなった人のはないかなと・・・

その事は、さておき。
話の最期に出て来る、横浜ホテルニューグランドでの食事内容に思わず、よだれが。。。
ホテルニューグランド発祥の品、こちらの3品が紹介されていたが、こちらが食べたくなってしまう書き方なのだ。

どの作品も読後感が良かった。登場人物は善良な人たちであった。
書かれた時代が時代なだけに、このような心温まる作品が求められたのかもしれない。


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