【築地ついて】大間マグロのカマ炭火焼き
毎週火曜日は治療の日なので、車で国立がんセンターに向かう。
8時半ごろ病院へ着き、一目散に血液検査の予約。
9時ごろ血液検査を終え、結果が出るまでに約1.5時間かかる間は、ソーシャルワーカーへ仕事周りや生活周りの進捗やお悩み報告。
10時半から11時にかけて診察済むと、投与開始までだいたい2時間ほどあるので、この間が『築地散策』の時間。
「今日は何食べるー?」
と妻が携帯を見ながら、隙間待ち時間に聞いてくる。
病気を鑑み、健康な食事は心がけているが、『築地の日』だけは、我慢しないことにしている。
「こことかどう?Jige、マグロの釜焼き。昔ランチでよく来てたの」
と。妻はよく店を知ってるし、グルメだ。
「いいよー」
と、自分でも多少探していたけど、妻に任せることに。この手の役割はこれから妻に任せようと思いながら、返事を。
それで、向かったJige。11:30なオープン前にして、サラリーマンや観光客、老年夫婦など、十組ほどが並んでいて、僕らもそれに並ぶ。
ランチメニューは、基本4種。どれも美味そう。店の中から溢れてくる炭火の匂いが余計に空腹を演出する。
10分ほど待つと、お店がオープン。
カウンターでは焼き手が忙しなくカマを焼いてる。
席に座ると、ホールスタッフが
「限定10食、大間の本マグロカマ焼きどうですか?」
と勧めてくる。
基本メニュー4種にない限定メニュー、1800円。
なかなか高いが、これはイカネバ!何故なら食欲のタガを外した火曜ランチだから!と自分に言い聞かせ、なまじ食べ切る自信もないのに注文。
「本マグロの本ってどういう意味かねー?」
とか、妻とスマホをいじりながら待つこと10分。
来た。
見たことないような本マグロの炭火カマ焼きが!
斜辺20cmほどはあろうかと思われる二等辺三角形のカマ焼きが皿から溢れんばかりに置かれている。加えて中落ちの赤みの刺身も。
そしてこれぞとばかりに和紙に書かれた
『青森 大間 まぐろは大間』
の品書き。
全てにおいて自信がみなぎっている。
実食。
箸を入れると、身はほろほろと取れるが、崩れず密着している。
そして、口の中に運ぶ。
ヤバい。こんなん食べたことない。
口に入れた瞬間に、炭火の風味が広がる。鮮度の高い脂は身が溶け込んで行くのを助ける。
噛みたい!と思って噛むと、全く臭みのない柔らかさの中にある弾力感で上の歯が押し返される。
美味すぎーー!と昇天しそうになった。
美味しすぎて、箸止まらず、無言で食べる。満足度120パーセントです。
『こんな美味しいカマ食べたの初めてだよ、ありがとう』
と妻に。
美味しいものを食べると口元の潤滑油が活性化されて、ありがとうって素直に言えるから不思議だなぁと思いながら、病院へ戻った。
投与が終わり、帰路にて首都高を進むと、16時の空は、すっかり秋空に変わっていた。
冬空も春空も夏空も、来年の秋空も見たいなぁと思いながら高崎に帰った。
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