#22 増肉係数と養殖

「増肉係数」とは、1㎏の肉を生産するのに何㎏の餌が必要かという割合のことである。
例えば、ブリだと1、マグロだと15、クルマエビだと18(どれもおおよその数値、餌の種類によってかなり上下する)などである。
ブリ類であるハマチは1尾(およそ4㎏)育てるのに約32㎏のイワシなどの他の魚が必要になる。
国内で漁獲されるイワシのうち、食用はおよそ2割で、残り8割は飼料・肥料・養殖用の餌として使われているそうだ。
養殖というと人間がその場所だけで魚の飼育を完結させているイメージがあるかもしれないが、養殖の魚1匹の裏には餌となっている自然界の大量の魚がいる。環境に負荷をかけているということを忘れてはならない。

同様の関係が家畜と穀物にも言える。牛肉1kgを生産するには11㎏の穀物が必要である。豚肉では7㎏、鶏肉だと3kgである。肉を食べるということは家畜が食べた大量の穀物も同時に消費している。食料問題を考える上で欠かせない視点である。

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