#206 飛鳥はなぜ「あすか」と読む?

「飛鳥時代」や「飛鳥文化」は歴史の授業で学ぶが、「飛」という字に「あ」や「あす」という読み方はなく、「鳥」という字も「か」と読むことはない。なぜ「飛鳥」を「あすか」と読むのだろうか。

5世紀ごろから使われ始めた万葉仮名では、「あすか」は「明日香」と表記されていたそうだ。飛鳥宮があった地域は現代でも明日香村となっている。明日香村は石舞台古墳や高松塚古墳がある由緒ある地域である。

「飛鳥」を「あすか」と読むようになった由来は、万葉集などで用いられた枕詞にある。
柿本人麻呂の詠んだ歌に、「飛ぶ鳥の 明日香の川の 上(かみ)つ瀬に石橋渡し 下(しも)つ瀬に打橋渡す」というものがある。「飛ぶ鳥」は「明日香」の枕詞としてつかわれていた言葉だったが、いつしか「あすか」に「飛鳥」の漢字を当てるようになったと言われている。

同じように枕詞が由来となった言葉として、「春日(かすが)」や「日下(くさか)」、「長谷(はせ)」がある。それぞれ、「春日(はるひ)の滓鹿」、「長谷(ながたに)の白瀬」というフレーズが語源になっている。

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【参考】


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