#120 「24時間戦えますか?」

1989年の新語・流行語大賞に「24時間戦えますか」がランクインした。この標語は、栄養ドリンクのリゲインのCMソングで広まったワードである。このワードは1980年代の日本を象徴するものと言っていいだろう。ちなみに2014年には「3、4時間戦えますか?」というフレーズにリメイクされており、時代の変化を象徴しているCMである。

 1980年代後半、日本人は世界中から「働きすぎ」だとして批判された。当時は、日本製の工業製品の輸出が好調で、欧米諸国との貿易摩擦が問題になっていた時期である。それに対して、欧米諸国からは日本が「ソーシャルダンピング」をしていると批判が出た。労働者を奴隷のように残業させて不当に安い商品を輸出しているという指摘である。もともとは1930年代の日本を批判した言葉だったが、バブル期に再び蘇った言葉である。

「ソーシャルダンピング」はある意味では的を得ており、1973年のオイルショック後の日本経済の成長は、間違いなく労働者の過剰な労働によって支えられていた。終身雇用と年功序列型賃金という日本型の労働形態が、労働者を勤勉に、そして過度に働かせたのである。

令和となった今でも日本を呪縛する日本型の雇用は今後どのように変化していくのだろうか。

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【参考】

https://imidas.jp/ichisenkin/g05_ichisenkin/?article_id=a-51-008-07-11-g204


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