#198 韓国ではなぜ金属の箸を使う?

日本の箸はほとんどが木製かプラスチック製だが、韓国では銀やステンレスなどの金属でできた箸が一般的だ。
韓国で金属製の箸が使われるのにはいくつか理由がある。

まず、かつての貴族たちが毒物による暗殺を防止するために銀の箸を使ったという説がある。料理に猛毒のヒ素(正確にはヒ素と結びついた硫黄成分)が入っていると、化学反応を起こして銀の食器が黒くなる。
貴族たちは無味無臭の猛毒であるヒ素による毒殺を防ぐために銀の食器を使っていたと言われている。
銀は富の象徴とされ、憧れの対象になったことから、銀の食器に似た青銅やステンレス製の食器が庶民にも広まっていった。

また、韓国の料理はキムチなど味が濃いものが多く、食器に色や匂いがつくことを防ぐために金属製の食器が広まったという説もある。

また、韓国の箸は日本の箸と比べると長いものが多い。中国も同様だ。
日本食では膳の文化があり、自分の分の料理があらかじめ取り分けられていることが多いので、自分の目の前にある料理を食べればよい。それに対して中国や韓国は、大皿にある料理を家族で囲んでその都度取って食べるのが一般的なので、遠くの料理を取りやすい長い箸が便利なのである。

【目次】

【参考】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?