正しく見えた未来~流行り病からの生還~02

そのウィルスは何ヶ月もしないうちにこの島国にも流入してきた。

当然、医者達は警戒した。

なんつったか、有名な整形外科医も頑張って警鐘を鳴らしていた。

あとは政府が港を閉じるなりすりゃ良かったんだが…

残念なことに、そうはしなかった。

具体的な話としては、そうだなぁ・・・こう言ったら伝わると思うが・・・

感染者をドンドン輸入したんだ。

大陸で広がりを見せていたこのウィルスなんだから、当然大陸から来る旅行者はみんな持ってるって考えるのが妥当だろう?

もちろん、政府だってそんなことは百も承知だったさ。

だが、その旅行者達はただの旅行者じゃないんだ。

毎年まぁまぁ大きなカネを観光スポットに落としていってくれるお得意さんだったわけだ。

カネに目が眩んだとも噂された通り、旅行者=経済生命線のように見えたんだろう。

そこをカットすることによって被る損害、つまり財界からのお叱りが怖かったんだろうなぁ。

「水際対策」とかなんとか言ってたが、そんなに時間がかからないうちにその言葉も消えていった。

本当に、バカだったよ・・・政府は。

政府以外の政治家もまぁまぁおかしな連中だった。

水際対策に失敗して国内感染者が増えているにも関わらず、その対策協議を脇に置いてくだらねぇ政治資金問題について国会で追求してるんだぜ。

本当に、クソ共の集まりだったよ。

立法府は立法府らしくいてくれって、当時の国民全員が思ってただろうな。

そうこうしているうちに、当然ながら感染は拡大していった。

そうだなぁ・・・たった2~3ヶ月で大都市と言われている関東の1都3県と関西の大阪やら兵庫やらがやられていった。

そんくらいのスピードだったんだ。

その一因は、実は長距離バスだったんだ。

バスくらい止めろよって思うんだがなぁ。

そこまでが冬の話さ。


春になり、案の定感染者数とやらがまぁまぁ増えてなぁ。

政府も頭を切り替えたんだろう。

やっと、緊急事態宣言とかいうやつを発令したんだ。

とはいっても、最初は都市毎の部分的なやつさ。

首都圏を中心に開始し、それにならって周辺都市、地方都市が徐々に閉鎖していった。

まぁ、諸外国のロックダウンと比較すると、その辺はけっこうユルユルでなぁ。

ステイホームだとかエンジョイアットホームだとかいう、訳の分からん標語を並べ立てて、人々を家に押し込んだ。

家の無い人はどうしたかって?

彼らはそのまま野宿さ。

ただ、マスクはしていたがね。

どこから調達したのかはわからんが、なぜかすすけていないマスクだった。

あ、そうそう。

これも伝えておかなきゃならんな。

マスクで思い出したんだが、冬に大量流入した外国の感染者達が悪さをしていったんだ。

やつら、あろうことか、国中のマスクを買いあさり、自国へ発送していやがったんだ。

それによって、この国ではマスクが不足した。

そうだなぁ、2~3ヶ月ほどは不足した状態に陥っていたと記憶している。

医療機関なんか、使い捨てマスクを使い回すといった運用に切り替えて対応していたくらいに、本当に不足していたんだ。

んで、夏が過ぎ、秋もすぎた頃、この異常事態はいったん解除された。

その頃からだな。

変異株という、訳の分からないものが報道され始めたのは。

言葉の意味自体は理解できるし、他の感染症のウィルスだって変異はする。

今回の変異株、何が変だって、その判定方法がしばらく証されなかったわけよ。

おそらく、陰ではゲノム解析をして判定していたんだろうが、それがいっさい展開されなかった。

テレビや新聞などの報道機関や、そこに登場するいわゆる専門家の言葉の中にさえ、ゲノム解析なんてのは出てこない。

それゆえ、PCR検査だけでは株の種類までは特定できないことを知っている人々が、本当は株なんて特定できていないんじゃないかって、騒ぎ出した。

あー、ちなみにだが、俺もPCR検査だけで判断するのは間違っていると考えている派だ。

なぜかって?

PCR検査には解像度が不足しているからだ。

他の感染症も検出されてしまう方法っていった方がわかりやすいかもな。

さーて、今回はこれくらいにしておこう。

次はいつにする?

あー、来週はダメだ。

そうだなぁ・・・

再来週にしよう。

その時までに歴史を少しお勉強しておいてくれ。

今のおまえさんじゃぁ、ここから先の話にゃあ、ついてこれないだろうからな。

んじゃ、また次回あおうや。

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