【国試】令和4年度社会福祉士国家試験 ~心理学理論と心理的支援③
ピアジェの発達理論
感覚運動期(0~2歳)
吸う・触る・なめる・見る・叩くなどの手段を通じ、あらゆる感覚を用いて物事を把握しようとするもの。刺激と感覚器官との結びつきを認識する。
循環反応
手に持ったスプーンを何度も落としてみるなど、赤ちゃんの繰り返し行動のことで、生後1か月頃から見られます。
対象の永続性
手や布で覆うなどして物を見えなくしても、物がその場所に存在していると理解できることで、生後6か月頃から見られます。
模倣行動
生後8か月頃には、自分が見たり聞いたりする相手の手の動きや発声をまねできるようになります。
そして1歳頃には、見ることができない自分の表情を、目の前の相手の表情に近づけることも可能に。
前操作期(2~7歳)
「操作」とは、情報を正しく処理すること。この段階の人間は情報処理が未熟なため、「前操作」なのだそうです。自己中心的な思考で、相手の立場になることができない。「ごっこ遊び」のようなシンボル機能が生じる時期。
自己中心性と中心化
世界を自分の視点からしか見られず、相手の立場で想像できないこと。自分が楽しいことは相手にとっても楽しく、自分に見えないものは相手にも見えていないと思っています。
また、目立つ部分にばかり意識が向く「中心化」という特徴も。
実念論・アニミズム・人工論
「主観的世界」と「客観的世界」を明確に区別できていません。そのため、サンタクロースや鬼の存在を心から信じるなど、想像と現実を混同する「実念論(実在論、リアリズム)」という特徴があります。
また、あらゆるものは命を宿し、人間のように考えたり感じたりすると思い込む「アニミズム(汎心論)」という特徴も。
また、前操作期の子どもは、「太陽は誰かが赤い折り紙を貼り付けたもの」のように、自然物も人間がつくったと思い込んでいます。
象徴的思考期と直感的思考期
前半の2~4歳は「象徴的思考期(symbolic function substage)」。たとえば絵を描くとき、目の前にない物でも思い出して描けるようになります。
後半の4~7歳は「直観的思考期(intuitive thought substage)」。「家は地面から生えたのではなく人間が建てた」のように、空想ではなく理性によって考えられるようになります。
具体的操作期(7~11歳)
自己中心性から脱する。小学生にあたる子どもたちは、論理的思考を獲得し始めます。実際に手を動かさなくても、情報の処理を頭のなかで行なえるようになるのです。また、保存の概念や可逆的な操作が可能になる。
保存の概念
底の面積が狭くて背の高いコップAから、底の面積が広くて背の低いコップBに水を入れ替えるのを見せると、コップBに移した水を頭のなかでコップAに入れ戻すという操作ができるようになるので、どちらの水の量も同じだとわかるのです。
数の保存
10個のブロックを数えます。それからブロックの積み方を変えて「全部でいくつ?」と聞くと、数えることなく「10個」と答える。見た目が変わっても数が変わるわけではないという「数の保存」の感覚も獲得しているのです。
形式的操作期(11歳~)
抽象的な概念の理解や論理的思考ができるようになる。
形式的演繹(けいしきてきえんえき)
直接的観察から得られた事実からではなく、想定した判断で結論を導き出すことです。
抽象的・仮定的な推理
科学や哲学に関する問題も考えられるようになります。ピアジェの発達段階論を参考にすると、「ブロックを使って説明してみようかな?」など、子どもとよりよくコミュニケーションをとるためのアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。
今日のところはここまで!
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