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普段の暮らしから気候変動問題に挑戦!!第2話2020年

今年の日本は例年通りの梅雨ではなく、新たに、長雨梅雨、豪雨梅雨、ゲリラ梅雨、熱帯雨林梅雨、と言うような、もはや普通の梅雨が過去の話しであることを実感する人が多いと思います。今年は熊本で豪雨による水害がありました。個人的には熊本に縁があるので、しかも芦北地域にも友人がいるので心配です。これから年々、日本各地でもこのような豪雨水害が発生することが増えていくでしょう。

その原因は?何世代にもわたり地球に負荷をかけてきた私たち人間の行動です。地球カレンダーで言えば、わずか2秒の出来事です。その結果として、気候変動を代表する各種環境問題が 激甚化しています。地球にしてみれば、破壊されたエコシステムに対する自然の反応、人間以外の生物にしてみれば破滅的な状況に追い込まれています。では、人間にしてみれば?社会的・経済的に徳を得ている一部の人にとっては幸せな世の中かもしれません。でも近代社会が生み出したハザマや格差による負の影響を受けている大多数の人にとっては、他の生物と同じようにより苦しい状況に追い込まれています。

今回の記事は、先月の記事に続く第2段として、私たちの普段の生活において、気候変動対策をどのように取るべきかを考えるために、何気ないその行動に二酸化炭素(CO2)排出量の見える化をしてみました。

なお、この話はフィクションです。また、用いた数値は様々な参考文献を基にしています。参考文献により数値のばらつきはありますが、目安としてお考え下さい。

第1話2019年7月1日(月)から1年1か月後の話し:2020年8月3日(月)

僕たちの生活もここ5カ月で劇的に変わった。新型コロナウイルスの感染者数が増えた3月1週目から、エンジニアの僕は在宅勤務。でも今月から2日間程度出勤するようになった。地元中小企業の事務職の妻は、4月7日に政府より緊急事態宣言が出されるまで毎日出勤。その後は、週3日程度の出勤が続いていたが、5月21日に大阪の緊急事態宣言解除後は、元に戻り毎日出勤している。息子の方は3月1週目から保育園への通園ができませんでしたが、先月6月から保育園が再開されました。この目まぐるしい5カ月で、僕たちの生活習慣もガラッと変わり、ニューノーマルがもはやノーマルとなった。

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朝6時。今日も暑くなりそうな一日だ。今朝の気温は既に27℃、熱帯夜だった。エアコンをつけないとさすがに寝れない日々が続いている(エアコン一晩8時間:1240 g CO2)。ニューノーマルな生活になってから、朝の生活パターンが変わった。朝起きてテレビ(44 g CO2/1時間)をつけると、今日もコロナの最新情報をしている。ついに第2波が来たか、と思わせるように感染者数が増えている。エンジニアの僕は数値に強いが、どう見てもコロナ感染者数のグラフが指数関数的な動きになっているのは気になる。でもwithコロナ政策なので、僕たちもいつどこでコロナウイルスに感染するかもしれない、と言う気持ちを常に持って生活をしないといけない。

今日は僕は在宅勤務、妻は出勤なので、僕が朝ごはん担当。といいつつ朝ごはんのメニューはいつも通りで、パンとヨーグルトとコーヒー。一人2個づつの個包装(28 g CO2 x 一人2個 x 3人 =168 g CO2)のパン。妻は準備して出勤。エレベーターで5階から1階まで降りて(6 g CO2)、電動自転車で3 ㎞の道のり(1.8 g CO2/km x 3 km = 5.4 g CO2)。いつも通りに、途中のコンビニでお弁当(お弁当容器 :22 g CO2)とペットボトル(ペットボトル容器(350 ml:11 g CO2) のお茶を買う。レジ袋有料化になってからマイバックは持っているけど、他のお客さんが待っている朝の忙しいレジで、マイバックに商品を自分で入れるその5秒のゆとりが持てないので、レジ袋を3円出して購入してます(レジ袋:14 g CO2)。

午前8時30分。僕は在宅勤務開始の前に、車で子供を保育園に送っていきます。エレベーターで5階から1階まで降りて(6 g CO2)、駐車場で子供を乗せて出発。保育園まで片道1㎞なので歩いて行けるけど、この暑さだしついつい車で送迎します。保育園の駐車場に車を止めるけど、ほんのわずかな時間なのでエンジンはかけっぱなし(9 g CO2/分 x 2分 = 18 g CO2)。さて、家に帰って在宅勤務開始だ(186 g CO2/km x 2 km =  372 g CO2)。

午前9時に在宅勤務スタート、のはずが、保育園の送り迎えを終えて帰宅して準備していると10分ぐらい遅刻。うちの会社はそこまで厳密に管理していないけども、何かあるとまずいので、お昼休みを10分短くしてその分働くことにする。とりあえず冷蔵庫で冷やしていたペットボトル入りカフェラテを飲む(ペットボトル容器(350 ml):11 g CO2)。僕はエンジニアなので、ひたすらパソコンで設計、上司や同僚とのやり取りは基本メールとSlackとTeamsでしている。在宅勤務のいいところは、暑がりの僕にとっては自分好みのエアコン温度に設定できること(エアコン日中8時間:1,240 g CO2)。職場は、いわゆる典型的な事務所なので大部屋。大部屋すぎるのかエアコンの能力が足りていないのか、僕はいつも暑く感じます。でも同じ島にいる事務職の女性は、「職場のエアコンは寒い」と言っているけど。

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午後0時10分。在宅勤務のお昼は決まって、近くのコンビニでお弁当を買って家で食べている。エアコンはオンのままにして出かける。エレベーターで5階から1階まで降りて(6 g CO2)、徒歩5分のところにあるコンビニへ。今日のお昼は何にしようかな?牛丼弁当(容器 22 g CO2)とプリン(容器 22 g CO2)と炭酸飲料(容器 350ml:110 g CO2)にしよう。ここで一つ問題点。先月からレジ袋が有料化になったこと。マイバックは持っているけど、お弁当を入れるための底が広いマイバックは持っていないんだよな。ここのコンビニでもお弁当用のマイバックを売っているけど、値段は1000円ちょっと。1枚3円のレジ袋と比べると1年分ぐらいだし、あとはコンビニのレジでマイバックに商品を入れるのがめんどくさいのが1番ネックかな。マイバックを追加購入するメリットが感じないのが本音。なので、僕は今日もレジ袋を購入(レジ袋:14 g CO2)。

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妻も職場でコンビニお弁当タイム。以前は休憩室で同僚3人とランチタイムだったが、新型コロナウイルス対策で新たなルールがいくつか誕生。まずは、事務所の机の並びが島形式からスクール形式に。ランチも各自自席で食べるのが原則。ここが問題です。今まではランチ時間に職場の同僚とおしゃべりするのが、唯一の職場での楽しみだったのに、それがなくなりました。コロナではしょうがないと思うけど、なんだかつまらないランチ時間に。その代わりとして、スマホのLINEで同僚とチャットしながらランチしています。同僚はすぐ横にいるのに、なんかさみしい。

午後3時。在宅勤務でなくなってしまったのが、行きつけのカフェでおいしいコーヒーを購入すること。これが仕事中の一つの楽しみだったけども。その代わりとして最近はコンビニカフェです。なので、表向きは運動をするのが目的としてコンビニへ(エレベーター1往復:12 g CO2)、アイスカフェオレを購入(使い捨て容器 350ml:110 g CO2)。職場から「在宅勤務中は運動不足になりがちなので、運動することを心がけなさい」と言われているので、午後3時のコンビニ往復が僕にとっては運動です。

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妻はストレスが増えてきた職場で冷たいペットボトル入りのお茶を自動販売機で買って飲んでいる(容器 350ml:110 g CO2)。旦那はいいなぁ、大企業だと引続き在宅勤務。私みたいな地元の中小企業はそうはいかない現状、と思うこの頃。テレワーク格差が、職場環境格差となり、新型コロナ対策格差となるのは間違いないと実感。そう言えば、こんな記事を読んだっけ。私も在宅勤務を普通に導入できる職場に転職したいなぁ。

午後5時。在宅勤務終了。これから在宅勤務の主夫としての僕の忙しい時間が始まる。エアコンはつけっぱなしにして玄関を出る。まずはエレベータで5階から1回まで降りて(6 g CO2)駐車場へ。車内は激熱なので、エンジンをかけてエアコンを最大にして3分ぐらいアイドリング(9 g CO2 x 3分 = 27 g CO2)。これでようやく車内が多少涼しく感じるところで、保育園につく頃の車内の温度がちょうどよくなる(186 g CO2/km x 1 km = 186 g CO2)。保育園の駐車場に止めて、エンジンかけっぱなしで息子を迎えに行く(9 g CO2/min x 1 min = 9 g CO2)。ここから父と子のドライブ、と言っても5分だけど、一緒にスーパーへ (186 g CO2/km x 1 km = 186 g CO2)。

今日は何にしようかな、ショッピングカートに子供を乗せて店内をうろうろ、でもいつもの行き先はお総菜売り場。今日のメニューはご飯(容器 22 g CO2 x 2個 = 44 g CO2)、コロッケ(容器 22 g CO2)、煮物(容器 22 g CO2)、カット野菜(袋22 g CO2)、バナナ(袋 22 g CO2)、1.5 L お茶(ペットボトル容器 133 g CO2)、パン(個包装 28 g CO2 x 一人2個 x 3人 = 168 g CO2)。一通り買うものをカートに入れ終わったら、息子お待ちかねのお菓子コーナー、正確に言うとそこにある駄菓子コーナーへ。これがあるから息子はスーパーに行くのを楽しみにしています。ルールは一つ、一つだけ買っていいこと。さて、息子は何に決めるか?今日は、なんと、ビスコ(個包装 14 g CO2)、定番!!これでレジに並ぼう。

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コロナの影響でレジも様変わり。レジ待ちラインでそれぞれ並ぶ。今日は二人が待っているレジの列に並んでみる。僕はレジ待ち列の運は比較的無い方です。だいたい並んだ列が一番時間かかる。レジでは飛沫感染防止用の透明スクリーンがあるこの風景にはいまだに慣れず。定員さんも僕もマスクをしているしスクリーンがあるから、声がお互い聞こえにくいんだよね。そうそう、マイバックは一つ持っているけど、全部は入らないから、レジ袋を2枚購入しないと。「支払いはカードで、レジ袋2枚ください(14 g CO2 x 2枚 = 28 g CO2)」。あとなんとなくだけど、この時期、子供を連れて店内を歩くと冷たい目線を感じる。でも車にもちろん息子を置いていくことはできないし、家で一人で留守番もできないし。確かにコロナ禍では最少人数でのお買い物を、とスーパーもアナウンスしているしね。

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駐車場で先ずは車のエンジンをかけて、子供をチャイルドシートに載せる。買った食料品も後方座席において、いざ出発(アイドリング3分:9 g CO2/min x 3 min = 2.7 g CO2)、そして車で帰宅(186 g CO2/km x 1 km = 186 g CO2。エレベーター:6 g CO2)。

午後6時から午後9時。ここからが主夫(在宅勤務)としての腕の見せ所。先ずは手洗いうがいをして、子供のおもりとしてテレビオン(44 g CO2 x 4時間 = 176 g CO2)。もちろんエアコンはずっとオン(155 g CO2/時間 x 8時間=1,240 g)。ちょうど妻も帰宅してきた(電動自転車で3 ㎞(1.8 g CO2/km x 3 km= 5.4 g CO2)。エレベーター:6 g CO2))。そしてここからが僕のテクニックが活かされるところ。それは、どの順番で素早く電子レンジでチンするか。煮物→コロッケ→ごはんの順番で温めて(電子レンジ 311 g CO2/分 x 10分 = 3,110 g CO2)、その間にサラダをお皿に移して、テーブルを拭いてお箸をおいて、お茶を準備して、15分で準備完了。

3人そろっていただきます。妻が、「大企業はいいわね、在宅勤務で。中小企業だと、なかなかそうはいかないのよ」と愚痴が出ている。妻は完全にコロナ疲れしている。そういえば、夕方買い物に行ったスーパーのレジの方も、なんだか疲れている様子だった。体力的と言うよりかは精神的に辛そうと思う、だって仕事している時間は、マスクとスクリーンはあるけども、常に誰かと対面しているし。

食後は洗い物。今日は何個のプラスチックを洗う事になるのかな?... 答えは全部で10個。でも何で洗うのだろうか?マンションのごみ出しルール表によると、プラごみは「汚れは洗ってから出してください」とは書いてあるけど、理由はよく知らないんだよな?たぶん、リサイクルのために必要なんだろうな。

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さてとお風呂の時間。今日も息子とお風呂。いつも通りに湯舟ギリギリまでお湯をためて、この瞬間「体が入った瞬間にお湯があふれ出る音」が幸せを感じる。「一日終わったぁー、在宅勤務に主夫に、色々大変だけど、僕幸せ」(お湯:14 g CO2/L x 330 L = 4,640 g CO2)。

2020年8月1日のこの二人のCO2排出量は?
さて、新型コロナウイルスの影響を受けて、生活パターンが変わったこの二人の普段の行動でのCO2排出量はどれくらいでしたでしょうか?夫:8,001 g(使い捨てプラスチック:8%、生活:81%、移動:11%)、妻5,215 g(使い捨てプラスチック:9%、生活:91%、移動:0.4%)でした。真夏という事もあり、エアコン消費電力が増えたので、夫は在宅勤務もあり日本人の平均約5,300 g CO2/日をかなり超えました。となると、この二人が出す1日分のCO2は、杉の木1.5本が約1年で吸収できるCO2量と同じレベルです。

もう一つ数値を見てみましょう。それは使い捨てプラスチックの製造から廃棄に必要なCO2量です。この二人のモデルとしては、1日当たりの全二酸化炭素排出量の約10%程度が、使い捨てプラスチックから排出される二酸化炭素排出量となります。結構な量を占めていると思いませんか?

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今年7月からスタートしたレジ袋有料化の真の意味をもう一度考えてみましょう。大義は「ライフスタイルを見直そう」です。レジ袋有料化制度に関しては、様々な批評が出ていますが、分母を地球1個で考えると、使い捨てプラスチックをやめることで、気候変動対策にも貢献することは明らかです。

パリ協定達成のために、私たちは26%の二酸化炭素排出削減が求められています。26%削減にはミラクルな方法はありません。普段の生活での小さなエコからコツコツとする必要があります。でも、二酸化炭素排出の見える化で実際のデータを見ると、なんか減らせそうな気がしませんか?その気持ちを今からアクションにしましょう。私たちのアクションが地球を守ります。

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