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普段の暮らしから気候変動問題に挑戦!! プラスチックを減らすと温暖化対策になるか?

ここ最近、何人かの方から同じ質問をもらいました。「春が一瞬で終わる感じがするし、夏の暑さが年々厳しくなっていたり、雨の降り方が豪雨だったり。気候変動問題が身近に感じるようになった。その対策として、自分自身でできることは何だろうか?」。今年2月に気象庁が発表した夏の天候の見通しによると、気温は平年並みか高く、降水量はほぼ平年並みの見込み、と予想が出ています。この見通しを読み進めていくと、「地球温暖化の影響等により、全休で大気全体の温度が高いでしょう」と書いてある。この文言は既に標準装備なのかもしれない。僕の家の周りでも、既に蝉の声がチラホラ聞こえてきてます。昨年のような酷暑の夏が今年もそこまで来ています。

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環境省が毎年作成している環境白書では、今年新たな言葉「気候危機」が使われるようになりました。もはや”変動”を飛び越えて私たちの生命が”危機”状態であることを明確に表現しています。小泉環境大臣は「今年の環境白書では、地球環境の危機的な状況に対応する節目の年にあたって、一人一人の行動から社会変革を進めることができることを事例とともに示しています。今年の白書を契機として、環境省として、ここに気候危機宣言をしたいと思います。」。地球人の一人として何かの行動、サステナビリティアクションをしないといけません。

環境省が昨年作成した2100年未来の天気予報。皆さん見ましたか?このまま気候変動が進むと、2100年8月21日の最高気温は、なんと、東京43.3℃、大阪42.7℃、札幌40.5℃にもなる。このころ、お米の産地は北海道、でもこの気温でお米の成長にも被害が出るとのこと。でも、私たちがアクションを起こして気温上昇にブレーキをかければ、東京40℃、大阪39.6℃、札幌36.8℃まで抑えられます。ちなみに、2100年2月3日の気温は、東京26℃、大阪22.3℃、札幌13.1℃、桜前線はなくなるそうです。

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さて、質問に戻って「その対策として、自分自身ができることは何だろうか?」の答えは何だろうか?言い換えると、自分自身でできる気候変動問題の原因である温室効果ガス対策は何か?となります。

改めて復習ですが、温室効果ガスとは、人間活動によって増加した、二酸化炭素(CO2)、メタン、一酸化二窒素、フロンガス等です。化石燃料の燃焼などに伴って人為に排出されるCO2は、人為起源の温室効果ガスの総排出量の約65%を占めており、地球温暖化を測る基準物質です。何で気候変動が起こるのか?と改めて知りたい方はこちら、などの情報を参考にしてください。

温室効果ガスの対策は大きく分けると、緩和策と適応策の2種類あります。緩和策は温室効果ガス削減と吸収源の対策(例:省エネ対策、再生可能エネルギー普及、CO2の吸収源対策、二酸化炭素の回収・貯蓄)、適応策は影響への備えと新しい気候条件の利用(例:渇水対策、治水対策、洪水対策、熱中症予防、感染症対策、農作物の高温障害対策、生態系の保全)となります。

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地球の大気中のCO2濃度はこの2000年間、約280ppm前後でしたが、1750年頃から始まった第一次産業革命を機に一気に上昇し、現在は417ppmとなっています。人為由来のCO2排出量の総量は、約328億トン(2017年)、日本はその3.4%、一人当たり8.9 CO2トン/人、一日当たり0.024トン/人→24 kg/人です。エネルギー庁のデータによると、2018年度の日本人一人当たりのCO2排出量は約1,920 kg CO2/年 = 約5.3 kg/日 = 約5,300 gとなります。私たちが毎日出しているCO2量がこの約5,300 gです。みなさん、日本人の一人当たりのCO2排出量は、世界ランクで第3位、つまり一人当たりのCO2排出が3番目に多いという事です。何かせねば、と思いませんか?

ちなみに、この約5,300 g CO2を吸収するために杉の木は何本いると思いますか?40年の杉の木一本は1年間で、約8,800 gの二酸化炭素を吸収できます。という事は、日本人一人一日で、杉の木一本が1年間で吸収できる量の60%を排出しています!!という事は、杉の木のみでカーボンニュートラルをするのであれば、一人当たり約219本も必要です!!

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地球温暖化普段の暮らしでできることは何か?このイメージが付きにくいと思います。そのイメージを日常のストーリーから考えてみましょう。このストーリーでは、私たちの生活の中において、ちょっとした”地球にやさしい行動 = サステナビリティアクション”で減らすことのできる、何気ないCO2排出行動を強調しています。この何気ない行動から排出される二酸化炭素量のデータを見える化してみました。なお、これらのデータは多くの文献・情報を参考にしており、また時と場合と各種条件によりデータは変動しますので、あくまでも一つの目安としてご覧ください。

今から一年ほど前のある家庭で...

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2019年7月1日(月)朝6時から9時

朝6時。週の始まりの目覚めは良好。テレビ(44 g CO2/1時間)をつけると、オリンピック施設建設ニュースや先週金曜日に大阪での梅雨入りが気になるニュースをやっている。今日の天気予報は曇り時々雨、降水確率40%、傘は持って行った方が良いとのこと。最高気温は28℃とでている。妻も起きてきた、共働きの僕らの今日も忙しい日々の始まり。

朝は時間との闘い。時短というやつだ。なので我が家の朝食はパンとヨーグルトとコーヒー。一人2個づつのパン。それぞれ個包装(28 g CO2 x 一人2個 x 3人 =168 g CO2 )されている。朝食直前に一人息子を起こして3人での食卓。僕はチャチャっと食べて、出勤準備して、8時に家を出発。家は5階なのでまずはエレベーター(6 g CO2)、マンションの真ん前にあるバス停から最寄りの地下鉄駅までバス(70 g CO2 x 1 km = 70 g CO2)。地下鉄の駅まで徒歩15分くらいなので歩いていけなくはないんだけど、バスの方が楽だし便利。地下鉄2本乗り継いで(16 g CO2 x 5 km = 80 g CO2)、そこからは徒歩10分で職場に到着。オフィスは5階にあるのでエレベーターに乗る(6 g CO2)。家を出てから約1時間程度で自席に到着。おっと1階にあるコーヒーショップでカフェラテ(容器350ml:110 g CO2)を買うの忘れたので、エレベーターでもう一往復(6 g CO2 x 2回 = 12 g CO2)。職場の入り口で課長と会った。課長はいつも階段を上ってくる。

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妻は保育園に通う息子を連れて車で出勤。電動自転車もあるけど、車の方が便利だし、今日は雨が降りそうだし。でも実際は、ほぼ毎日車で出勤。エレベーターで下まで降りて(6 g CO2)、電動昇降式駐車場から車を出して息子を乗せて出発。先ずは車で3分(186 g CO2/km x 1 km = 186 g CO2)で着く保育園で息子を預ける。先生に息子を預けるだけなので、保育園の駐車場で車のエンジンはかけっぱなし(9 g CO2/分 x 2分 = 1.8 g CO2)。途中のコンビニでお弁当(お弁当容器 :22 g CO2 )とペットボトル(ペットボトル容器(350 ml):110 g CO2) のお茶を買う(レジ袋:14 g CO2)のが毎日の習慣。保育園を出て15分(186 g CO2/km x 3 km = 558 g CO2)で職場に到着。でも、今日は月曜日ということもあって渋滞がひどい。今日はいつもより10分余計に時間がかかった(9 kg CO2/分 x 10 分) = 9 g CO2。

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お昼休み

午前中、僕は外で打ち合わせがあったので、会社への帰り際にコンビニでお弁当とペットボトルのコーヒー、今日はデザートも購入(エレベーター1往復(12 g CO2 +弁当容器 22 g CO2 + ペットボトル容器(350 ml)110 g CO2 + デザート容器 22 g CO2 =166 g CO2 )。お弁当は温めてもらったので、冷たいコーヒーと分けるためにレジ袋は分けてもらった(14 g CO2/枚 x 2枚 = 28 g CO2)。コンビニの店員さんはいつも親切。自席でスマホ片手に昼食。同僚は外に食べに行ったり、奥さん手作りのお弁当を持ってきてたり、うらやましい。ちなみに、僕の課長は、お昼休みは奥さん手作りのおにぎりを2個だけ食べて、あとはウォーキング、という健康的な時間を過ごしている。さてと、デザートを食べるか。今頃妻は、コンビニ弁当を食べているのだろうな。食べ終わったら、プラスチック容器は洗わないといけない、これが少々めんどくさい。たまにしれっと、他のごみの中に入れてしまうけども・・・。

そのころ妻も、朝買ってきたコンビニのお弁当を同僚と食べています。いつもこの4人で休憩室でお昼ご飯を食べているけど、この4人はだいたいコンビニ弁当がランチ。さてもうすぐ1時だから片付けないと。ここの職場では、お弁当のプラスチック容器は洗ってからプラごみに捨てないといけない。4人でそのままキッチンに行ってプラスチック容器を洗わなくては。4人分のプラスチック容器は結構な量になる。

午後3時

僕はこの時間になるとトイレ休憩ついでに再び1階のコーヒーショップに行く。午後は眠気を覚ますためにブラックと決めている。夏場はもちろんアイス。アイスコーヒー片手(容器350ml:110 g CO2)に自席に戻って(エレベータ一1往復:12 g CO2)、もうひと踏ん張り。課長はというと、フェアー何とかトレードというコーヒーが気に入っているみたいで、家で入れてきたコーヒーをいつもマイボトルで持ってきている。

妻は自動販売機でペットボトル入りジュースを購入(容器350ml:110 g CO2)。冷たい飲み物が疲れてきた体を潤す。もう2時間頑張ろう。

午後5時

ここの終業時間は午後5時30 分。でもなんだかんだで職場を出るのは午後6時ごろ。今日は残業がなさそうだから、あと1時間頑張るか。そのエネルギー源として自動販売機でペットボトルのジュース(容器 350ml:110 g CO2)を買ってこよう。

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妻は終業時間。終業のチャイムが新たなスタートの合図。5分後には車を発進させ、15分かけて保育園に向かいに行く15分(186 g CO2/km x 3 km = 558 g CO2)。保育園の駐車場に止めて、車中の温度を保つためにエンジンかけっぱなしで息子を迎えに行き(9 g CO2/分 x 2分 = 1.8 g CO2)、そのまま近所のスーパーへ(186 g CO2/km x 0.5 km = 93 kg CO2)。今日の夕飯は何にしようかしら、と考えつつ、いつものお惣菜コーナーへ。ここのスーパーはお惣菜が充実しているので、旦那と息子が好きなおかずがすぐに見つかる。さてと、旦那と私にはサケの焼き魚、息子には唐揚げ、あとはカット野菜、白ご飯も買わなきゃ、明日のパンは何にしようかしら(個包装28 g CO2 x 一人2個 x 3人 = 168 g CO2 )。そして車で帰宅(186 g CO2/km x 1 km = 186 g CO2)。

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今日はレジ袋3枚分のお買い物(14 g CO2 x 3 = 42 g CO2)。重い荷物を持ってエレベーターで5階へ(6 g CO2)。帰宅後にいつもすることは、エアコンをオン(155 g CO2/時間 x 8時間=1,240 g)、テレビをオン(44 g CO2 x 4 = 176 g CO2)、もちろん手洗いも。

午後6時から午後9時

なんだかんだで、職場を出るのが6時になってしまった。課長も帰るところ見たい。そう言えば、課長の家は方向は僕の家と反対だけど距離的には変わらなかったかな。課長は片道7キロを自転車通勤。地下鉄を乗り継ぐと50分ぐらいかかるみたいだけど、自転車だと30分ぐらいで来るとか。今は小雨が降っているので課長は合羽を着て階段を下りていった。さて僕も帰宅、エレベーターのボタンを押す瞬間(6 g CO2)がいつもうれしい帰宅の始まり。あっ、傘を持ってくるのを忘れてしまった。すぐ横のコンビニでビニール傘(692 g CO2)を購入しなければ。地下鉄を乗り継いで(16 g CO2 x 5 km = 80 g CO2)最寄りの駅まで戻ってきたら雨は止んでいた。傘がまた1本増えてしまった。バス(70 g CO2)の時間まであと10分。バス停でスマホ見ながら待つか。

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ちょうど午後7時に帰宅。帰宅と同時に、妻は夕飯の準備開始、と言っても、スーパーで買っていたお惣菜とご飯を順番に温めるだけ。10分後に「いただきます」、テレビを見ながらの夕食、家族みんな安らぐ時間です。ここから僕の出番、夕食後の片づけは僕の仕事、お皿洗いは得意です。でも正確に言うとお皿洗いよりかはプラスチック容器洗いと言った方がいいかも。家事の効率化と言う名のもとに、我が家の食卓はお惣菜容器がそのままのっています。なので、お皿系はお茶碗と取り皿、残りはお惣菜が入っていたプラスチック容器を洗っています。プラスチック容器って色々な種類があるようなぁ、と洗いながらいつも思います。

さてお風呂の時間。うちはちょっと特殊かもしれません。僕は、お風呂に入った瞬間にお湯が浴槽からでるあの音と見た目が大好きなんです。「一日終わったぁー、お疲れ様、僕。幸せ。」と感じるので。なので、いつも浴槽ギリギリまでお湯をためます(お湯:14 g CO2/L x 330L = 4,620 g CO2)。

この二人のCO2排出量は?

さて、この日の二人の何気ない普段の行動でのCO2排出量はいくらだったでしょうか?夫:4,264 g CO2、妻:4,609 g CO2。その他の電気使用等を入れれば日本人の平均約5,300 g CO2/日になるでしょう。この二人が出す1日分のCO2は、杉の木1本が約1年で吸収できるCO2量になります。そう考えると、私たちは結構な量のCO2を排出していると思いませんか?

でも、ちょっとした毎日の心がけとサステナビリティアクションで、CO2排出を減らせそうな気がしませんか?今から始めましょう。

この家族の続編は来月初旬に登場します。お楽しみに。

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