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第7回:「BookBASEときわ台」

みなさん、はじめまして!
淑徳大学 人文学部 表現学科 杉原ゼミの佐野です。

今回紹介するのは、「BookBASEときわ台」というお店です。


「BookBASEときわ台」は、ときわ台駅南口を出て目の前に現れる青いテントが目印の「TOKIWADAI BASE byマルミツ―」の"中"にあります。


このBookBASEときわ台の大きな特徴といえばズバリ!

棚貸本屋ワークショップスペースであるということです!


TOKIWADAI BASE(ときわ台ベース)は、「みんなの秘密基地」として、2021年5月オープン。
駅前0分の好立地を活かし、つながりやものづくりを愛する人たちの、交流と発信の場になることを目指しています。

こちらBOOK BASEは、「棚貸(シェア)本屋」+「イベントスペース」の運営を担っています。
棚に置ける商品は本やZINEなどに限らせていただきますが、棚主さんは、一日店主となってフェアやイベントを優待開催できます。(イベント時は雑貨販売などもOK) 一人一箱の本屋さんの集合体ですが、本棚ってその人となりが垣間見えますよね。

顔の見える作家/棚主さんに主体的・継続的にイベントを行なっていただくことで、活気溢れるつながりが生まれる場になれば本望です!
引用:BookBASEときわ台ホームページ










そんな秘密基地BookBASEときわ台では「絵本のまち板橋&ボローニャ絵本さんぽ」で、どんなイベントを行うのでしょうか――。


そこで私たち取材班は実際にお店に行き、お話を伺いました。



BookBASEときわ台とは


ときわ台南口を出ると、すぐ目の前にTOKIWADAI BASE byマルミツーが現れました。


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ここで軒先の黒いテントにご注目。BASEと書かれた隣に文字が並んでいます。実は店内はいくつかのエリアに分かれており、BookBASEはその中の1つなのです。

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この棚がある場所一帯がHobbyBASE。手前には革製のソファや大画面のモニターなどが設置されています。


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こちらがBookBASE。今回の主役となる場所です。

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中にはこんなユニークな本や……

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こちらはブックカバーが手作り!可愛い刺繡が入っています!



そして、今回取材をするにあたって、

BASEのオーナー兼HobbyBASEの管理人である渡邉幸典さん
BookBASE管理人の本田あきらさん
絵本研究家のてらしまちはるさん

上記3名の方にご協力いただきました!ありがとうございます!



BookBASEで行われるイベントについて


BookBASEでは「絵本のまち板橋&ボローニャ絵本さんぽ」の開催に伴い、てらしまちはるさんによる「エキマエ絵本市『シェアするえほんづくり』ワークショップ」が行われます。


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こちらの本棚の飾りは、てらしまさんの手作り!
ボローニャをイメージして作られた、かわいらしい世界には所狭しと絵本が並んでいます。

もしかしたら知っている絵本もあるかも……?



ワークショップのデモ体験


今回特別に、「『シェアするえほんづくり』ワークショップ」のデモンストレーションに、取材班も体験させて頂きました。

このワークショップは、誰かとシェアすることで一緒に絵本づくりを楽しめるというコンセプトのワークショップです。

そこでBookBASEの管理人である本田さんと共に、えほんづくりに挑戦していきます!

まずはクレヨンで絵を描いていきます。
黄色いエプロンの方が、絵本研究家のてらしまさんです。

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好きなように描いて構わないとの事だったので、夏の風物詩であるひまわりと風鈴を描きました!

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本田さんはカラフルな猫がいっぱい!

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次にお互い絵で好きな箇所を選んで、ちぎってシェアします。私はきいろい猫ちゃんを貰いました。本田さんには風鈴をプレゼントします。

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自分の絵もちぎって回転させたりして、ペタペタと蛇腹状の画用紙に貼り付けていきます。
もちろん、本田さんから貰ったきいろい猫ちゃんを忘れずに。

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最後に絵や文字を書き足したら……完成!

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あっという間に、シェア絵本ができてしまいました!


ハサミやカッターなどを使わずに手でちぎって遊べるため、小さなお子さんにもおすすめのワークショップとなっています。


誰かの絵をもらい作品に組み込むことによって、あげた側ももらった側も新たな発見ができると感じました。


例えば私が描いた風鈴は、本田さんの絵本の世界ではクラゲとなって登場していました。

親子で参加する場合、お子さんの自由な発想がたくさん出てくるそうです。それに伴って、大人でもこんな発想の仕方もあるんだ!と新たな発見があることも……。


こうして誰かとシェアして絵本を作る――、即ち、ものづくりを通じて人とつながりを持つという事は、BookBASEならびBASE自体のコンセプトにもなっています。



BASEの由来は「みんなの秘密基地」







BASEのオーナーである渡邉さんによると、板橋区内にはコミュニティビジネスが多くあるとか。渡邉さん自身も、仲介役となって人と人とをつなげる架け橋になっていると語ってくださいました。


そんな渡邉さんのもとでBookBASEの管理をしている本田さんは、街とつながっていける秘密基地のような存在を目指しているそうです。


「私の本業は革製品を作って販売したり、ワークショップをすることです。しかし、新型コロナウィルスによって機会が減っていき、そういう場を探していたところで、同じように場を求めている人がいたんです」

本田さんは以前編集者をなさっていたことや、手製本を習っていた事、板橋にある製本工場とのつながりを例に挙げて、そういった縁がBookBASEという場所を実現させたということもお話してくださいました。

「もともと自分が本好きという事もあって。本は出会いの窓だと思っています。それぞれの棚ごとに棚主さんの経験があって、その人から生み出された本自体が経験の集合知になっているんです。様々な個性がある中で紹介しているので、いろんな人が、いろんな本に出会う。そして棚主さんが行う教室によって、出会いや経験がどんどん広がっていく――そういう場所を街に向けてやっていきたいです」


ものづくりを通したつながりを大切にするBookBASEのもとで、ワークショップを行うてらしまさんも、実は「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」の会場、板橋区立美術館や、ボローニャにゆかりがあって「絵本のまち板橋&ボローニャ絵本さんぽ」に参加したとお話しくださいました。


エキマエ絵本市について


今回の「絵本のまち板橋&ボローニャ絵本さんぽ」の会期中、BookBASEではワークショップのほかにもエキマエ絵本市が行われています。

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上の画像に写っている棚には、てらしまさんが選んだ約100冊の本が並んでいます。この本は実際に手に取り、気に入った物があれば購入することができます!


この100冊の本を選んだ基準は何か、お聞きすることができました。

「選んだ基準は、『私が心底好きな絵本』です。ここにある約100冊は、すべて品質をしっかりチェックして選んだ太鼓判を押せるものばかり。手にとってもらったときに、アタリが多いんじゃないかと思います(笑)。もちろん、その人その人で好みがありますから、お客さんにはここでお気に入りの絵本を選ぶ楽しみを存分に味わってもらえたらうれしいですね。ふらっと来て絵本を手に取った時に、絵本ってなんかいいなって、思ってもらえたら」

沢山ある本の中から、どれを選ぼうか迷ってしまう……。そういう時は、見たことがある本から手に取ってみるのもひとつの手だそうです。


また、絵本そのものについて「子供だけのものにしておくのはもったいない」と、絵本研究家視点で熱く語ってくださいました。

「一般的には絵本って、どうしても『子供向け』と思われがちですよね。でも私は『子供から楽しめるメディア』だと捉えていて。子供を読者層の中心に見据えてつくられるからこそ、ごく限られた形式の中で、世の中の本質を的確に表現していると思います。枝葉をそいで、本当に必要なエッセンスだけを端的にまとめあげる――、それって一見すると易しく思えて、実はかなり技術のいることです。だから、絵本の一冊一冊を開くたびに、小宇宙のようだと感じます。また、絵本には映画や写真、舞台など、絵本以外の媒体から刺激を受けた多様な表現があります。ものをつくる人にとっては、そういう観点があることも、絵本を面白がってもらえる新しい切り口になるかもしれません」

絵本は技術と経験の宝箱であり、そこから学べる表現も多いのだと思いました。そうして学べたことは、私たちを次のつながりへと導いてくれるでしょう。



おわりに

棚貸本屋でありワークショップスペースという特徴、そして渡邊さんや本田さんたちの人とのつながりを大切にしたいという思いを実感する場所でした。そのため、本やものづくりの楽しさを誰かと共有したい人にとって、とても居心地の良い場所だと感じました。

また、ワークショップではつい時を忘れて熱中してしまうほど楽しく、自分の新たな一面を見ることができる貴重な体験をさせていただきました。
このような体験はなかなか味わえないのでぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

BookBASEでは、今回のイベント以外にも様々なワークショップや展示を予定しています。

また、貸棚の枠はわずかに残っているそうです(2021/7/31時点)
棚はグループで借りることもできるので、サークル等で使用するのもいいかもしれません。

本を選びたい人はもちろん、貸棚で自分の本やZINEなど売りたい人も、ぜひお店に足を運んでみてください。

渡邉さん、本田さん、てらしまさん。
貴重なお時間をありがとうございました!


BookBASEときわ台
〒174-0072 東京都板橋区南常盤台1丁目29

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BookBASE公式Facebook


てらしまちはるさん
絵本研究家、ワークショッププランナー、コラムニスト、講師
アトリエ游|てらしまちはる note
てらしまさんのTwitter
絵本ナビスタイルでのてらしまさんの連載







※スケジュールや営業時間は公式 Twitter と Instagramでご確認ください。
※撮影時のみ、マスクを外しています。
※緊急事態宣言に伴い、板橋区立美術館で開催される2021ボローニャ関連イベントは、会期中の開催は中止となっています。
※一部のイベントは、映像の配信や秋以降の開催が検討されています。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染予防対策については、各施設、店舗によって異なりますので来店される際には各店舗のホームページやSNSをご確認の上、ご協力ください。

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