見出し画像

日本人が中国で運転! 交通マナー向上?監視社会の交通事情に迫る!

皆さんは中国の交通事情についてどのようなイメージを持たれていますか?昔、中国に来たことがある人は運転がめちゃくちゃ!クラクションがすごい!というイメージを持たれているかもしれません。

筆者が中国で実際に運転し、無法地帯から監視社会に変化した交通事情をレポートしてみたいと思います。


日本人が中国で運転するには免許取得が必要!?

先ずは基本情報として中国はジュネーブ条約に加盟していないため、国際運転免許証で中国国内を運転することは認められておりません。そのため中国で運転するためには、中国の運転免許証を取得する必要があります。

日本の有効な運転免許証を持っている場合は、実技試験免除で筆記試験のみとなります。中国で運転免許証の取得を検討している人は下記URLを参照ください。
http://japanese.beijing.gov.cn/mostrequested/drivinglicense/
※北京市人民政府 -運転免許証の申請と更新

筆者が運転免許証を取得したのは2013年です。
当時は外国人向けの試験が始まったばかりで、日本語の筆記試験がありました。友人からもらった1000問くらいある問題集で勉強したのですが、これがひどい…

問題集の日本語はそのまま翻訳機で訳したような意味不明な日本語だらけ…とりあえず軽く勉強して試験会場に向かうと、パソコンの前に座らされ、画面上で問題がスタートしますが、同じように意味不明な日本語だらけ…

回答が全て終わり、終了のボタンを押すとすぐに合否が画面に出てきますが、不合格の文字が…
当時は1日に2回試験を受けられたので、もう一度挑戦するも不合格…

これはアカンということで、中国人の友人に相談したら中国語の問題集をくれ、改めて中国語で勉強しなおし、試験を受けたら簡単に合格…
最近運転免許を取得した友人に聞いたところ、今は日本語表示しっかりしているみたいです。しかしあの意味不明な日本語試験はなんだったのか…

筆者より前に運転免許証を取得した友人は、名前を書いただけで合格になった。試験官にワイロを渡したら全て試験管がパソコンで回答してくれた。という時代もあったようです…

ようやく中国の運転免許証を取得!
運転免許の更新は、1回目は6年、2回目以降は10年となります。筆者も数年前に免許更新を行い、今は10年有効の運転免許証になりました。

画像1


いざ運転へ!とんでもない点数制度だった!?

免許取得と同時に車を購入!
今でこそ中国ブランドの電気自動車が台頭してきていますが、当時は安いけど壊れやすい中国ブランド車、品質は良いけど高い外国ブランド車という感じでした。

筆者の場合、間をとって中古の日本車を購入しました。
中古車といっても、日本のように新古車で安く販売しているという市場ではなく、中国の場合、中古車もけっこう高い値段します。

いざ運転!と初めてハンドルを握りますが、最初はとにかく怖かったです…
中国は日本と反対で、左ハンドル、右側通行。
そして赤信号でも右折は行けるし、歩行者に対して車が優先!
※筆者が勉強した問題集には一応歩行者優先と書いてありましたが…

とにかく少しでも隙間をあければ割り込み天国。割り込みされようものなら後ろの車からクラクション鳴らされプレッシャーを与えてくる…
走行禁止の側道からもバンバン追い越してくるため、視界360度で運転!w

そんなある日、車検が近づいてきたので免許証の点数をキレイにしてこいと言われ、最寄りの公安に行き、違反がなかったか確認しに行ったのですが、なんとそこにはすごい行列が!

中国の運転免許証の持ち点数は12点あります。
免許証の点数とは別に、各車のナンバーに交通違反履歴が残ります。この交通違反履歴を全てキレイにしないと車検が受けられません。

筆者の場合、車の登録証を渡すと交通違反が速度超過で4点ありました。この場合、運転免許証を提出すると、運転免許証から4点減点され、罰金支払いの紙が渡されます。
この罰金を支払うと車の違反履歴がキレイになり、車検が受けられるようになります。

この時わかったのが、中国の驚くべき減点制度でした。
ちょうど筆者の列の先頭が手続きで15分くらいずっと揉めていたところ、後ろに並んでいる人達が、「何してんだ!早くしろ!」と騒ぎ出しました。
揉めている人は「80点も減点されているんだ…助けてくれ…」と一言...
怒っていた人達も、そりゃ仕方ないよなと笑いが起きていました。

80点も減点されているのに、12点の持ち点からどうやって処理するのでしょうか。
その場合、点数を持っている人をたくさん連れてくる!という方法で処理します。つまり80点を処理するためには点数を所持している人を大勢連れてきて、順番に免許証を渡して処理を行います。

ここで面白いのが、なんと点数を販売するビジネスがあります。当時は1点100元〜300元(1,500円〜5,000円)の範囲で販売されていました。
ペーパードライバーの人は運転しないので、小遣いかせぎに点数を販売しています。
点数を使いきっても1年間たつとまた12点に復活するので、けっこう良い稼ぎになりますね。

筆者の友人は自分で運転して通勤しているのですが、通勤経路に速度違反装置が設置されており、全く気がつかず違反の点数処理に行ったら120点の違反をしていることがわかりました…この点数処理を行うために20万円以上出費したとか…

画像2


監視社会が変えた交通マナー

当時は交通ルールなど全く無視の無法地帯でしたが、今では交差点に監視カメラが設置されており、停止線を越えようものならパシャリ!右折禁止を曲がろうものならパシャリと全てカメラで監視されております。

筆者もこのカメラで何回か違反写真を取られ、罰金を経験しています。
そんなことから今では交通マナーもかなり向上しており、無理な追い越しや、クラクションはかなり減ったと思います。まあそれでも運転が荒い人はいますが…

運転していて困ることが、長距離移動で使う高速道路です。
国土が広いので目的地まで遠いのですが、とにかくサービスエリアが少ないです。ひどい時は50kmくらいサービスエリアがなかった道もありました…
そのため、側道でトイレタイムをしている人がけっこういます。

また交通事故に対しても以前は示談が9割と言われておりましたが、今ではしっかり警察を呼んで、事故検証をした上で保険会社がしっかり処理するようになりました。高級車が増えた影響でしょうか。
筆者も車通しの接触事故を起こした経験がありますが、軽く擦っただけということ、お互い古い車だったことから、相手と「まぁいっか!」と言って終わりました。

画像3


まとめ

今では交通マナーもよくなり都市部を中心にかなり運転がしやすくなったと思います。
但し注意が必要なのが、以前に比べて配達のバイクやシェアサイクルが増えたことで、車どおしの接触事故から、バイクや自転車との接触事故が増えていることです。

また内陸部の都市では今でも運転が荒い地域もありますので注意してください。
筆者は大連市の運転が一番苦手です…ロータリー交差点が多く、車線変更が上手くいかない時はロータリーを3周くらいしたことがあります…

海外で無理に運転をする必要はないと思いますが、行動の幅が広がり、仕事や旅行では非常に便利です。最新の中国産電気自動車に乗るのも良いですね!
事故処理などは中国語で大変ですが、挑戦してみるのも悪くないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?