松本の建築をめぐる
松本建築芸術祭というものがあるのを、長野に戻ってきた翌年に知りました。
松本市内にある名建築?を巡り、随所で作品の展示等もされているものでした。
東京にいた頃は、たとえば美術館やデパートがそうであったり邸宅が開放されていたり、そうした「建物」に触れる機会がほぼ日常的にありました。
県内ではなかなか街中の建物に意識を向けたことはなかったので新鮮に思い、新しい発見があるかもと思って出かけてみました。
この頃は単焦点レンズでのお出かけにハマっていたので(今も)、お供になったカメラはこちらの2台です。
α7Ⅲから再燃した写真熱でしたが、当時のブームに乗せられて当然のようにfujifilmに流れ着きました。
カメラ自体が与えてくれる持つ楽しみ・撮る楽しみがこの時のfujifilmからは多分にあり(今は…)、この日の建築芸術祭でも良き友となってくれました。
ワイドコンバージョンレンズをつけたx70は35mm版換算で21mm、x-pro2は50mm。
建物の全景を収めたり室内を広く撮るときはx70を、「この部分が面白い」と感じた部分にはx-pro2を、という具合に使い分けていました。
フィルムシミュレーションはクラシッククローム。
冬の冷たい空気に、ほんの少しまろやかな暖かさが宿ってくれた気がします。
高校生の頃は松本市に住んでいたので、懐かしい景色と感じながらもこうして街にある建物を見ること、またそれを通して改めて松本市を眺めることができたのはとてもいい時間でした。
こうした建物たちは現代ではビルや「効率のいい建物」に置き換えられてしまうでしょう。当時からうっすら覚えていた居心地の良さの正体は、今もこうした空間が残されているところによる、懐の深さや余裕に由来するかもしれません。
高い建物も少なく、道は広々としていて(国道の渋滞は問題ですが)、いい街だなあと思います。
撮影に使ったフィルムシミュレーションはクラシッククロームと冒頭に記しましたが、正確にはメガネ屋のモアイさんが公開されていた"hitohada classic"を使用しています。
fujifilmを使っていたときはほぼずっとこれで過ごしていたんじゃないでしょうか。
X-E4など後続の機種でも試してみましたが、個人的にはx-pro2のセンサーと合わせた時が一番好みで、こってりしすぎずくどくなく、適度にハイライトとシャドウを切り捨てたような絵作りが心地よく感じられました。
この「切り捨て具合」がいい意味で「絵」っぽく、あるいはフィルムっぽさかもしれませんね。
またx-pro2のシャッターフィーリングもかなり好みで、ダイヤルの操作感と相まってとても良い撮影体験でした。
実際今回の建築芸術祭でも、メインで使用していたのはx-pro2で、なぜならそれが一番楽しかったからに他なりません。
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