デジタルとマスの狭間

私はデジタル広告代理店でキャリアをスタートした。そして、職種はコピーライター。期待の新生として期待されていたわけではなく、とにかく自分で何かを生み出して社会の負を解消したい、その一心で会社の偉い人たちに幼い知識と熱意を押し通して配属してもらった。

正直、コピーのことはおろか、広告のことも何も知らなかった。
デジタル広告がこんなにも「バカに」されているとは思わなかった。広告とは、テレビを代表としたマスメディアがメインで、デジタルはそのおまけ。数字ゲームとして見られることが本当に多いとは思わなかった。

マスの広告代理店にいる友人は、デジタル広告はちょっと違うからな〜なんて言っていた。もっと言えば、自分の会社の先輩の中にも、デジタル広告って…笑 というスタンスの人さえいた。

前述の通り幼い知識と熱意だけはあったので、書店にある「コピー」とか「広告」とか書かれた本は片っ端から読んだ。もう本当に片っ端。嘘じゃない。

そこで気づいた。
デジタル広告は、どこか「広告以外の何か」として扱われていることに。
この時のなんとも言えない悲しさと腹立たしさ、悔しさをいまだに覚えている。
私は元来、負けず嫌い、かつ逆境こそ燃えるタイプ。下に見られているデジタル広告の世界から、あのマスの人たちを驚かせる。そんなクリエイター、コピーライターになる。

そんな粗い鼻息を立てながら、右も左も分からないまま、走り出した。社会人1年目の春だった。

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