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韓国の思い出を韓国に行けるその日まで語り続ける【DAY2 2000年冬 景福宮】

2000年12月6日。
はっきり覚えているのには理由がある。
前日に木村拓哉が結婚したからだ。
関空のテレビは木村拓哉の囲み会見を流し続けていた。

初韓国で出会ったSさんに会いに、ひとりでソウルに来た。

初韓国から帰国後、Sさんとメールで連絡をとっていた。あとで知ったのだがMもKも連絡をとっていたらしい。そりゃあね、Sさんは30代にして年収2000万超えの優良物件だったもの。仕方ない。

そんなことはつゆしらず、わたしはSさんに「またソウルいきたい!Sさんは次いついきますか?」とメールをしていた。「来週から1週間ソウルだよ!」と返事が来て、一人でもいけるツアーを探して予約した。当時比較的自由のきく仕事をしていたからできた。「来週の行きます!よろしくお願いします!」

2000年12月6日。
降り立った金浦空港はクリスマス装飾一色だったことを覚えている。
そして12月のソウルは極寒なのだと知った。
迎えのバスに乗り、ホテルのある明洞に到着し、ぼろぼろのそのホテルの部屋に荷物をおき、前日にSさんから指定されたホテルに向かう。

高速バスターミナル駅直結、その年できたばかりの高級ホテル、J.Wマリオット。

でけええええええええ!!!!
さっきの私のぼっろいホテルはなにーーーー!(そのホテルは現在リノベーションでめちゃくちゃきれいになってます)
そびえるホテルに完全に圧倒されているわたし。すげえな!外資系営業マンはすげえな!

Sさんから前日に「マリオットに16時には着く予定だけど遅れたら悪いからロビーでお茶してて」とメールをもらっていた。完璧か。
わたくし27さいで初めて海外の一流ホテルのロビーでお茶をするという体験をしたのです。
当時英語も韓国語も一切できませんでした。なのでオーダーも一苦労。っていうかそんな低スペックでよく一人で海外に来たな。

ビスコッティを紅茶に浸しながらぼりぼり食べていると「おまたせ」。
日本語!!!Sさんの登場。
「部屋、上のほうだったの。見る?」
と各段エロいかんじでもなく部屋に誘われたので当然いってみた。

クイーンサイズのベットがふたつ。めちゃくちゃ広い。
窓がでかい。なにこれ。ビジネスホテルのシングルルーム3つぶんは優にある。

前回のソウルでは観光はしていないというと、景福宮をいくことになった。

​地下鉄を乗り継いで30分ぐらいでついた。
敷地はとても広くて、散歩するにはぴったりだった。クソ寒かったけどな。
2回目に会う人と、外国で、二人きり。
恋に落ちるしかなくない?
あ、Sさんはバツイチ子ナシの38歳だということをこの日に知った。

帰りに明洞でソルロンタンを食べて、マリオットに戻った。

ホテルの部屋でSさんのパソコンに入っているクリスマスソングを聞いた。
テレビはつけたけど韓国語が全然わからなかったので消した。ケーブルテレビでは日本のテレビもやっていたけど別に見たいともおもわなかった。
コンビニで買ってきた韓国のうすいビールと、かっぱえびせんみたいなのを食べながらSさんはしきりに「日本語で話せるのっていいなあ」と言っていた。日本にはもう3か月も帰ってないらしい。

日が変わり、帰りますと言った私にSさんは言った。「明日朝またおいでよ。泊まってもいいよ。ベッドふたつあるから」
わたしは「わーい!」と叫び、明日朝に来ます!と、言い、呼んでもらったタクシーで自分のホテル(ボロ)に帰った。

夢みたいな一日だった。


写真は2019年撮影 景福宮


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