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平井堅の変なPVの歴史

こんにちは。平井堅が実は好きです。少し前にリリースされた「1995」のPVがヤバいというツイートを見かけたので、早速Youtubeに行ってみたらマジでやばかった。

平井堅の生首を抱えて遊ぶ老人。スーパーで楽しそうに遊ぶ老人。
「平井堅のPVはマトモなPVと変なPVが交互にある」とYoutubeでコメントされているのを見つけたので調べてみたなんか色々出てきたので解き明かします。

1995〜2004のPV

1995年にデビューしてから2004年『瞳を閉じて』で、一気に大ヒット歌手になった(と覚えてるんだけど……)。
この期間(1995〜2004)のPVを見てみると、下記のようなシチュエーションが多くあります。

 ・1人でどこかへお散歩している
 ・1人で何かから逃げたり走ったりしている
 ・1人で室内で何かしている

少なくとも『1995』の爆発力を持つPVはありません。当時はマルチな歌手というイメージではなく、R&B歌手として捉えられてり、そこまでぶっ飛んだPVを作る雰囲気でもなかったのでしょう。

2005年 『POP STAR』

その後も順調に平井堅はヒット作品を作っていきますが、2005年『POP STAR』のPVが話題になったことを覚えているでしょうか。確か私はまだ中学生だった気がする。VIP STAR...


今までのR&Bや泣ける系?的なイメージを覆す明るい歌とPV。3人の平井堅。キラキラの笑顔の平井堅。可愛い。変。
これがおそらく最初の「変なPV」に当たると思われます。ざっとYoutubeアカウントを攫っても『POP STAR』が一つの転機になっていることがわかりました。その後発表された『バイマイメロディ』も今までの泣ける系シンガーのイメージがぶっ飛ぶトロピカルなPVです。

また、『POP STAR』は、平井堅が明るく元気な「ポップスター」として振る舞っています。初期のPVでは平井堅自身がシンガーとして道を彷徨っていましたが、平井堅自身が役を演じる俳優になるPVの始まりです。

さらってみると本当に『瞳を閉じて』以降で爆発してますね。何か ストレスというか。フラストレーションというか。

2007年 『哀歌』・『fake star』

『愛の流刑地』というドラマの主題歌となった『哀歌』という曲を覚えているでしょうか。歌詞の地獄度合いがデビュー初期のような雰囲気を持った良い歌です。しかしこのPVが実はかなり変です。

『fake star』では平井堅の今後のPVに頻出する、注目すべき要素が現れます。なんかくるくる回ってる拘束された何か人的なオブジェ?生き物? です。何かの象徴と思えばそうも思うし 飾りだと言われればそうだなとも思うし。以降平井堅のPVは平井堅の傍に「何か」とか「なんかいる人」がめっちゃ増えます。変なPV以外にもいます。

次のPVは『POP STAR』に対をなす曲の『fake star』です。これはいい曲ですね。歌唱法としてのフェイクがかっこいい。

このPVは平井堅がかなり体を張って堕ちるスターを演じています。かなりわかりやすくドスケベな演出です。『哀歌』も”何か”が拘束された感じはエロティックでしたが、もっと直截的です。ここまでで、中期の平井堅の変なPVの要素が出揃いました。

 ・平井堅が俳優として振る舞う
 ・何かわからないやつが出てくる
 ・エッチ

2009年 『CANDY』

今あげた要素が全部一気に出てくる変なPVが2009年の『CANDY』です。見てもらった方が早いのでご覧ください。

『バイマイメロディ』で使ってる頭があるってことは同じ監督さんでしょうか。このPVいいですよね。私は歌手が窃視したりめちゃくちゃになってるシチュエーションに何食わぬ顔で入っていくPVが好きなんですけど、これは完璧です。
『CANDY』発表後は、しばらく原点回帰した比較的おとなしいPVが続きますが、2010年『アイシテル』は棺から平井堅が出てくるので「変」はほぼ固定されました。

2014年 『ソレデモシタイ』

これがめっちゃ話題になりましたね!「変なPV」と聴くとこの曲が先に浮かぶのではないでしょうか。インド人になった平井堅。多分インド人が似合うからなんでしょうね。歌詞関係ないから。

調べていますと、変なPVは『ソレデモシタイ』以降、歌詞とPVの関連がどんどん薄くなります。今まで紹介したPVは割と曲名とPVの雰囲気が揃ってたんですけど、『ソレデモシタイ』からほぼPVの内容と歌詞の内容が無関係になります。冒頭の「変なPVとまともなPVが交互に出てくる」もここら辺から始まるぽいです。

変なPV作り係の人のタガが外れてしまったらしく、『ノンフィクション』『トドカナイカラ』『知らないんでしょ?』で3作品「平井堅となんかすごい人」シリーズが出ます。『トドカナイカラ』は平井堅の髭がピンクのラメだし、『知らないんでしょ?』は怖い。

2019年 『いてもたっても』 現実を超越する平井堅

最後の衝撃は『いてもたっても』。今までギリギリ薄皮一枚あった現実感が完全に消失し「平井堅のPV」という世界が爆誕しました。インド人のコスプレの平井堅はいるかもだけど、魔法使いになって可愛い猫ちゃんに乗ってどっかへ行く平井堅はいない。

書きながら気づいたんだけど、平井堅とともに居た「何か」を平井堅自身がやるようになってきてるんですね……。発端の『1995』の平井堅の生首も「何か」そのものですね。これからPV世界において平井堅が「脱平井堅化」をはかり、シンガーとしてではなく「何か」としてなんかすげえ音楽作るんだろうなーって思いました。

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