上に立つ人のいちばんやるべきことは、自分のもとで働いてくれている人たちを全力で守ることなんじゃないか。

5年前、初めて主任になった。分掌主任である。若かったので、不安が大きかった。おそらく、周りの先生方も、私のような若造が主任をすることを不安に思っていただろう。校内人事が発表されたとき、私よりも年下の分掌の部員は、私以外に1人しかいなかった。他はみんな私より年上だ。

主任を任されると決まった時、とにかくこれだけはしようと思ったことがある。自分が戴くなら、このような人を戴きたいと思っていたのである。そのような人間になるよう努力しなければならないと思った。次の2点である。

  1. 何があっても、自分がミスの責任を被る。自分が悪くないと感じても、責任は自分にある。

  2. 会議の時間を短くする。システム化し、基本的に会議では簡単な報告と案の決議のみを行うようにする。細かな調整は担当者と主任である私で個々に行う。

2についてはまた書く気になれば書く。

何よりも重要だと思っていたのは1である。

それから5年間、主任を任され続けている。この間、極めて多くのトラブルが起こった。明らかに特定の教員によるエラーであることもあった。しかし、そのすべてを、私は自分の責任だと考え、行動した。

報告が上がるのは早い。なぜか。私は絶対に責めない。また、ひとまず安心させるように心がける。トラブルを起こしたくて起こしたい人などいないのだ。だから、「まあなんとかなります。大丈夫ですよ。」と伝えるようにしている。これを続けているから、私にトラブルの報告がすぐに上がってくるのだと思う。ほんの些細な違和感の時点で、相談しにきてくれる。ありがたい限りである。

トラブルが起きたら、矢面に立つのは私である。管理職への報告も、私が整理し、私の責任として報告する。顛末書も私が書く。保護者や関係機関との連携や謝罪も私が行う。

一度も他の先生を責めたことはない。当然のことだと考えて実行してきた。

私にできることは少ない。できることに集中すべきである。私の場合は、上記2点ならできると思った。それだけは揺るがないようにしてきた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?