見出し画像

街道歩き温故知新4 中山道 蕨宿

街道歩きは前に進む事で精一杯。寄り道できず、又来ようと心に誓った場所は数知れず。そんな場所を訪れるシリーズ、街道歩き温故知新。

今回は2021年に中山道を歩き始めて日本橋から二つ目の宿場町の蕨宿。
何も無いと思っていたら、資料館が2つあったり、路上に中山道宿場町の絵が描かれていたり、その時は先を急いで素通りしてしまいましたが、印象深かったので再訪してみました。

2024.10.20

1.下木戸

中山道蕨宿 石碑

江戸から向かうと、国道17号から右に分岐するY字路の真ん中に中山道蕨宿の石碑があり、ここより蕨宿が始まります。

蕨宿下木戸

木戸がお出迎え。
歓迎されている気がして心地よいです。

関所以外で、宿場町に門や木戸が残されている場所は案外と少なく、記憶に残る木戸は北陸道の越前國と近江國の境、栃ノ木峠にある板取宿。
単調な国道の峠道を歩いていて、退屈していた時に、それは忽然と現れました。

(2024.09.05 北陸道 板取宿)

上の画像が板取宿越前側の木戸。
一瞬お屋敷の入口かと思って近づいていくと、板取宿の説明看板がありました。

(2024.09.05 北陸道 板取宿)

街道ではなかったら、入るのに勇気がいる木戸の先に石畳が続いていたので、入って行きます。
街道というよりお屋敷にお邪魔する感じでした。

(2024.09.05 北陸道 板取宿)

石畳の坂道の左右には、畑があったり、建物の遺構の石垣が残っていたり、往時の街並みを想像しながら歩くことが出来ます。
少し歩くと目の前に驚きの光景が。

(2024.09.05 北陸道 板取宿)

なんと茅葺き屋根の民家が現れました。
お伽話の様で、北陸道を13日間歩いた中でも、トップクラスのインパクトでした。

詳しくは、北陸道を栃ノ木峠を歩いた時の記録をご覧ください↓


2.街道愛に満ちた路面

宿場まつり

再来週にある様です。
今回で41回目、歴史あるまつりですね。

路面の中山道街道絵 日本橋
蕨宿マンホール

マンホールも蕨宿。

宿場愛が強い蕨市ですが、ひょっとしたら多くの市民は、宿場町がある事を知らない気がします。
それは中山道が、蕨駅から西に約1.5kmも離れており、昔から住んでいる住民でない限りは、目に触れる事が無い場所にあるからです。

青銅屋根の旧家
路面の中山道街道絵 鴻巣宿
蕨宿地図
街道をふり返る
側溝の蓋も蕨宿

細長い側溝の蓋にもわらび宿と書かれていまました。


3.織物の産地

歴史民族資料館 分館

歴史民族資料館 分館。
機織業を営んでいた旧家が開放されています。

格子戸越しの中山道

案内の方から、江戸から昭和にかけて蕨双子織(わらびふたこおり)と呼ばれる、2本の洋糸を絡ませて作る織物が流行り、大いに蕨宿は賑わったそうです。
織物の産地とは知りませんでした。
さいたま市の私の自宅から、蕨宿まで直線距離で二里程度なのに、まだまだ知らない事がたくさんありますね。

路面の中山道街道絵 望月宿
路面の中山道街道絵 長久保宿

街道愛が強い宿場町は、その街道の他の宿場町を紹介しています。
蕨もそのひとつで、路面に中山道の街道絵が順番に貼られていました。

いままで街道を歩いてきた中で一番街道愛を強く感じたのは、東海道の土山宿。

街道の街並みが美しい事もさることながら、東海道検定の事務局が土山宿にあります↓

土山宿の風景
伝馬館

極め付けが伝馬館。
門構えだけでも十分なのですが、館に入る前には、再現された蝋人形付きの建物が何軒か建っています。

一階のミニチュア大名行列
一階のミニチュア大名行列

館に入り、一階にある圧巻のミニチュア大名行列を見終わると、控えめな階段があります。
二階に上がると、そこには異次元の東海道ワールドが繰り広げられていました。

五十三次切絵&名産品コーナー
五十三次切絵&名産品コーナー

二階には、東海道五十三次全ての切絵と名産品が展示されています。
圧倒され、もっとゆっくり見たいところですが、先を急がねばならないので、帰ろうとすると、もうひとつ蔵の様な建物がありました。
期待せずに二階に上がると、そこにも驚きの世界が。

浮世絵とミニチュア
浮世絵とミニチュア

五十三次全ての浮世絵とミニチュアが、ひっそりと展示されていました。
これを作るのは本当に大変だったと思います。

伝馬館がある東海道土山宿を歩いた時の記録はこちら↓


4.蕨市歴史民族資料館

蕨宿開設四百年 記念石碑
蕨市歴史民族資料館

前回中山道を歩いた時に入れなかった資料館、今日はゆっくり見学できます。

旅籠の風景
街道ジオラマ
街道ジオラマ
街道ジオラマ

街道ジオラマ。
ジオラマをみると、宿場町特有の短冊状の区割りの裏側は、畑になっていた事がわかります。

関札
関札

関札。
大名が宿泊する際に本陣などの門前に掲げる札。
大名自身が用意して持ってくるので、これを運ぶ人も大変だったと思われます。

中山道地図
皇女和宮御行列 刷物

皇女和宮御行列 刷物。
総勢25,000人、前代未聞の大行列だったそうです。

本陣跡
路面の中山道街道絵 御嵩宿
美味しそうな店
江戸時代からの葬儀屋
和菓子屋
貫禄ある蔵
路面の中山道街道絵 守山宿
蕨宿 説明看板
上木戸

上木戸。
中山道は江戸側が下木戸、京側が上木戸になってます。
三年ぶりの蕨宿、満喫できました。

蕨宿を歩いた時の記録はこちら↓

いいなと思ったら応援しよう!