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アトリエを設計する #7 素材を考え始める

前回の投稿が8月で、すっかり季節が変わってしまいました。
お久しぶりです、杉山です。

農地転用のため書類作成や十和田市農業委員会とやりとりをしていたこともあり、また自分のことだと思って後回しにしているうちにすっかり時間が経ってしまいました。
年末を意識する時期に入ってきましたが、できれば年内、雪が降る前に基礎などできることはやっておきたいなと思いつつ、少しずつ動いています。

.....とこの記事を書き始めたのが10月の頃だったのですが、それからまたひと月以上経ってしまいました。今後は少し振り返りをしながらになりますが、記事を増やしていきたいと思っています。


ということで時系列に沿って書いていきます。
さて、農地転用の手続きはスムーズに進み、先日10月12日に農業委員会のご担当者さんから無事許可が下りたとの連絡がありました。

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参考までにご紹介すると、十和田市においては農地転用の手続きの流れは下記のようになっています。

1. 必要書類を作成して農業委員会に提出・・・毎月24日に締め切り(今回は8月24日)
申請書の他、計画図面、資金計画、事業計画、土地の所有者の同意書など

2. 後日申請者が農業委員会に出頭して聞取調査・・・2週間後(今回は9月7日)
午前中に担当の審査委員が現地を訪問、午後に市庁舎内で聞き取り面談、申請書の記載事項に虚偽が無いか等

3. 市の農業委員会から県の担当部署に送られ内容確認・・・1ヶ月程度

4. 許可証発行・・・(今回は10月12日)

ということで、毎月24日に書類提出を締めてから1ヶ月半〜2ヶ月弱は必ずかかるということになります。

その間、見積もりや確認申請に向けて、具体的にどんな素材を使うかという部分について考えていました。自分の考える建築を素直に表現し、クライアントワークではなかなか提案できないことを試してみたいというのは以前にも書きましたが、それをマテリアル(素材)に関して具体的にどう捉えていこうか...。

【”身近な素材”を使ったハンドメイドな質感が感じられる建築】

これまでサイズ感やプロポーションについては触れてきましたが、マテリアルや建築全体の質感について改めて考えるうち、以下のように思うようになりました。

・手仕事が感じられる素材を使いたい
→ひとひとりの手で扱える大きさ、重さ、形状

・自分でメンテナンスできる素材と工法を使いたい
→部分的に補修可能、素材が手に入りやすい、生産者と直接会える

つまり、”身近な素材”を使ったハンドメイドな建築を考えられないだろうかと思っています。ただ、建築すべての部分についてこだわりすぎるとなかなか大変ですし、あまりにも汎用性の低い建築のあり方はそもそも建築の持つ社会的役割から目を背けているように思います。誰かが真似したいと思ったときに真似できるものではありたいなという思いはあります。


前置きが長くなりましたが、今のところ考えている素材は以下。

【外壁】漆喰(具体的には検討中...できれば近場で取れた土もしくは骨材など使いたい)

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【屋根】杮葺(県産のスギを使った柿板生産者が八戸にいます)

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【床】三和土(コンクリートではなく土のたたきを試してみたい、使う土は計画地に元々あった土を使えないか)

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【建具】県産のスギで製作する木製建具

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長くなりましたので今日はここまで。
この数ヶ月のうちに屋根を杮葺にしてみたいと考えるようになり、建築のディテールの方向性が定まってきました。
次回はそのあたりも書いていきたいと思っています。

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