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緊張する場面で、何を考えればよいか

大人数の前で話すことって、緊張しませんか。
私は今でも結構緊張します。

大人数でなくても、

  • 上司に提案する時

  • 初対面の人に話しかける時

など、人との関わりの中で緊張する場面は日常的にあると思います。


今日は、緊張する場面で、何を考えればよいかという話を、楽器演奏の経験を絡めてお伝えしたいと思います。


楽器演奏と緊張

中学生の頃、私は吹奏楽部でフルートを吹いていました。

吹奏楽では、曲中にソロパートといって特定の1人にスポットが当たる部分があります。
合唱やダンスでもありますよね。

ソロを任された人間は、曲中に1人だけ席を立って舞台の最前部まで歩き、スタンドマイクを使って演奏します。
スポットライトが当てられます。
客席との距離は3mもないでしょう。
そしてひとたび音を出せば、ホール中に自分の音が響き渡るのです。

その瞬間、数百人の聴衆の注目を独占することになります。


目立つことが好きな人には夢のようなステージですが、当時の私はあがり症でした。
大勢の前に出て何かをするということが、そもそも得意ではなかったんですね。

舞台上でいつも難しいソロを華麗に吹きこなして席に戻ってくる先輩を、本当にすごいなぁと思って見ていました。


カボチャ作戦

そんな私でしたが、練習の甲斐あって、ついにソロパートを任されるようになりました。


運命の初ソロ本番が始まる直前、舞台袖で生まれたての子鹿のように震えていた私は、先輩に尋ねます。

「だダDa駄目です、緊張でおかしくなりそうです……ddどうすればいいですか……」

すると能天気な先輩はこんなアドバイスをくれました。

「お客さん全員カボチャだと思えばいいんだよ🎃」


カボチャ??🎃


カボチャ作戦の穴

このカボチャ作戦、どう思いますか。


私はその後もソロを任される度に、何度も試しました。
でも、なかなか効果を実感できなかったんですよね。


うまくいかなかった原因は2つ。

  • そもそも人をカボチャだと思うことに慣れていない

  • カボチャに対していい演奏はできない


録音を聴き返してみると、まぁひどい。
練習の方がよほどいい演奏でした。

まぁ、それもそのはず。
数百人の人間をカボチャだと思い込むことに全集中していたせいで、肝心の音楽表現を完全にそっちのけで演奏していたんですから。


ハッとさせられました。

これは、人に届ける音楽ではない。

お客さまに楽しんでもらうために、演奏しているはずなのに。
自分がその時間を乗り切るために、どう自分を守るかしか考えていなかった、と。


その次の演奏会から、カボチャ作戦はやめました。

その代わり、演奏会が始まったら舞台上から家族を見つけて、母や妹にかっこいいところを見てもらいたい、という気持ちで演奏するようにしました。
家族が見つからなければ、可愛い女の子を見つけては勝手にターゲットにしていました。

でも、たったそれだけで、いつの間にか緊張を忘れられましたし、ソロの技術はどんどん上がっていったのです。


まとめ

このことから私は、緊張する時こそ以下の2つを大切にしています。

  • 内容ではなく、相手と向き合うこと

  • 伝えたいことに自分の熱量を乗せること

音楽だけではありません、論文発表でも自己紹介でも告白でも全てそうです。
緊張する場面には、必ず相手がいます。

そんな時に自己防衛を考えるのではなく、相手と向き合って、熱量をもって伝えること。
これが一番大切で、効果的な気がしています。

職場のプレゼンや提案でも使えます。
緊張しがちな人は是非一度、試してみてはいかがでしょうか。

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