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幸福度と年収は比例しない
就職活動において、年収は誰もが考慮する重要な要素です。
初任給はいくらで、30歳ではいくらになって…
私も新卒で、そんな就職活動をしていました。
結果、30代前半で1000万円近くの年収が確約された、業界大手の総合職の内定を獲得します。
当時は本当に嬉しかったです。意気揚々と入社式に出席したのを覚えています。
しかしその後私は、人生観を根底から覆す重大な事実に気付き、5年で退職することになります。
幸福度と年収は比例しない。
最後に上司に伝えた言葉です。
この事実に決定的に気づいてしまった、私にとっての人生の分岐点。
27歳の誕生日の話をさせてください。
27歳の誕生日
8回目の異動で本社勤務になってから、本格的に総合職として会社の「何でも屋」を演じることに疲れ始めていました。
自分が心からやりたいことって、この職場で見つかるのかな…
整備士時代。
肉体労働なんて、まるで向いていませんでした。
怒鳴られ、からかわれ、それでも歯を食いしばってやれることをやっていました。
飲み会は大の苦手でしたが、疲れた体にムチ打って参加していました。
財務部時代。
会計の知識なんてまるでありませんでした。
本社のトイレの場所すらわからない状態から、民法や簿記の勉強をしました。
お金と仲良くなるために、FPも取りました。
初めての出張では、手土産のセンスがないと怒られました。
なんだか会社にいいように育て上げられてる気がする…
この時期は何となくモヤモヤを抱えながら出勤していました。
そんな中、27歳の誕生日を迎えます。
毎年、誕生日は色々なコミュニティから友人を呼び、一緒に過ごすことにしています。
午前中は外で謎解きをして、午後は我が家で誕生日会。大好きな友人が10人近く集まってくれて、丸一日私の好きなことをして一緒に過ごしてくれました。
本当にありがたいことで、これだけで心の底から幸せです。
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会がお開きになり友人が全員帰った後、写真の整理をする私に残されたのは強烈な違和感でした。
職場に毎日出勤している自分は、一体誰なんだろう…
画像フォルダの中の幸せそうな自分を見れば見るほど、仕事中の自分が何者なのか、わからなくなってしまったのです。
母子家庭で育った私は、お金があれば幸せになれると盲目的に信じていました。
しかし本当は違いました。
幸せとは本来身近なところにあるもので、出世や昇給で得られるものではない。
その日私は彼らから、プレゼントよりも大切なことを教えてもらった気がします。
上司を見て気づいたこと
当時の職場では、はっきり言って上司が全く幸せそうに見えませんでした。
自分の3倍は年収があるだろう上司よりも、誕生日当日の私の方が100倍幸せな自信がありました。
そんな上司を見て気づいた、2つの大切な事実をお伝えします。
環境で幸せの上限が決まる
結婚して、家を建てて、経済的に裕福なはずなのに、出勤している上司の口からこぼれる言葉は愚痴ばかりでした。
○○部のやり方が…
嫁が…
もちろん、聞いていて気持ちのいいものではありません。
しかし、8つの職場で幾多の苦難を乗り越え、ソルジャーと化していた私にはわかっていました。
これは個人ではなく環境の問題であると。
尊重や感謝の言葉がない職場環境のせいで責任転嫁が習慣化し、ベテラン社員に愚痴を吐かせているのです。
そんな大人には絶対になりたくありませんでした。
出世して経済的に豊かになれたとしても、ネガティブを撒き散らして生きる人生はまっぴら御免です。
この環境で得られる幸せって、たかが知れている気が…
だとしたら、1日も早く逃げないとまずい。
躊躇よりも強い焦燥感が、私を走り出させていました。
私が転職を決意した、大きな理由の1つです。
幸せな時間を蓄積した人が勝ち
多くの学生が、就職活動で考慮できていない重要な要素があります。
それは、この会社にい続けた時にどんな大人になってしまうか、ということです。
私は第一志望の会社に入ることができましたが、入社後にキャリアの延長線上にいる上司を見て、役職や年収よりも日々幸せに生きることに天秤が傾きました。
大企業とか出世とかいいわ。
今年の誕生日みたいな日を10年後も過ごせていたら、俺の人生勝ちだわ。
上場企業や総合職といった肩書きを捨てた瞬間、社会人以前に人間らしくなれたような気がします。
結局のところ、幸せな人生とは満足度の高い日々の積み重ねです。
仕事上の地位や年収で人生の幸福度は決まりません。
人生は点ではなく、線で考えましょう。
あなたが幸せを感じる瞬間は、どんな時ですか。
この記事が、身近にある幸せに少しでも目を向けるきっかけになれば幸いです。
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