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【アセック セクハラ闘争記 Vol.1

みなさん、こんにちは。私はSonyやAppleなどの世界的な企業と取引をしているアセック株式会社という会社で働いています。上司からセクハラ、パワハラを、副社長と役員からも人権侵害などのハラスメントを受け現在休職をして、現在労働組合で闘っています。

これまで受けてきたハラスメントの内容や、申し入れ時の詳細は別途noteにあげておりますのでこちらをご覧ください。

【アセック株式会社】へ申し入れをしました。セクハラ・パワハラを許さない!
The harassments I received:Asec Corporation(英訳版)


【なぜ私が会社と闘おうと思ったのか?】

私が今回声を上げたのは理由の1つは、”ハラスメントをされた”という人生で終わりたくなかったからです。もしアセックを辞めて他の企業で働いたとしても、この記憶は一生ついてまわります。被害者だという負い目を感じたくなかったし、こうした事がまたあるかもしれないとビクビクしながら生きたくありませんでした。
ハラスメントの相談をした副社長や役員からは、「セクハラ、パワハラっていうのも受ける立場でだいぶ変わる」、「30年間40年間働いていく上で1つ2つ(の問題)なんて大したことない」などと被害者も悪いと言わんばかりの言葉を浴びせられました。私は当時、”セカンドハラスメント”と言う言葉を知らなかった為、私が悪いんだと本気でそう思わされました。
こうした部長クラス以上の社員のほとんどがハラスメントを行い、隠蔽し、擁護し、会社ぐるみで被害者を黙らせにかかっています。現に私は「落ち着いた環境で仕事をさせてあげたいから」と言われ、不本意な部署異動をさせられました。一方の加害者である上司は、職位そのまま、今もなお変わらずに仕事をしています。上司も会社も、私が、被害者が黙っていれば全て解決だと思っていることが本当に許せませんでした。どういう結末になるかは分かりませんが、闘いぬいて終わらせたいと思いました。

最初は個人で会社と話し合いをし、労働局へ相談し、労災申請を行い、警察で被害届を提出しました。それでも会社は”個人”に対しては何もしないばかりか加害者を守るばかり。”個人”でできることはもうないと思っていた矢先、『東映のセクハラ事件』で被害に遭いながらも声を上げている女性がいることを知りました。彼女は労働組合に加入し企業側と闘っており、こうした方法があることを知り組合に相談をすることにしました。
東映元社員がセクハラで労災申請 映画・映像業界で続く#MeTooの「告発」

組合には、ハラスメントだけでなく様々な労働問題に対し、当事者や被害者が企業に声をあげ闘っている人がたくさんいました。それだけではなく、更にそうした人たちをサポートしたいと一緒になって問題に取り組んでいる仲間も大勢います。日本全体を見ると、声をあげた人たちの数はまだまだ少数派でしょうが、労働者同士が支え合い、これからの社会を変えていくのだと思います。そこには必ず同じ意思を持つ仲間がいます。こうした取り組みがもっと日本中に広がり、人々の意識を変え、生きやすい社会になるように。それは誰しもの権利です。

【申し入れ時の会社の対応】

2023年8月7日にアセックへ申し入れをしました。軽くその時のことを振り返っておきます。
12時過ぎに会社へ到着し、申入書を渡すベく副社長を呼ぶよう人事総務部長へ要求しました。まともに対応せず4時間以上待たされました。その中で会社側は1度は「副社長を呼んでくる」と約束したにも関わらず、「そんなことは言っていない」と平気で嘘をついたのです。
急遽その場でチラシを作り、会社の目の前で街頭宣伝を行いました。

【30分で社員と弁護士が退室した!団体交渉…?】

2023年9月11日に第1回団体交渉を行いました。初めての団体交渉でしたが、不思議とあまり緊張せずに当日を迎えていました。それでも会議室に入る直前になると、入りたくないという気持ちが強くなり、動悸がしていました。最初はどうしたらいいのか、何を話したらいいのかと不安感が強くありましたが、会社の対応があまりに酷かった為、気がつけば自分自身の声を発して喋れており、いつの間にか動悸もおさまっていました。
ただ、「こんな事言っていいのか?」と考えてたり、相手の言葉を待ってから発言しようとしている自分がいたので、そんなの関係なくなるくらい純粋に言いたい事をただ言えるようでありたいと思いました。

団交自体は、会社側の出席者は人事総務部の社員2人(うち1人は書記要員)に弁護士2人で、決定権のある副社長をはじめ、役員や部長クラスの人間は出てきませんでした。会社の弁護士は「調べていることは報告しているので副社長が来る必要はない」という趣旨の発言をする一方で会社からの回答書はほとんどのハラスメントに対して”調査中”という回答ばかり。蓋を開けてみれば「あまり把握できていない」と言うことで、呆れるばかりでした。

まず、私たちは申し入れ時に会社側が約束を反故にしたことについて言及しました。すると「確かに副社長を連れてくると言った」と事実を認めましたが、会社の人間は弁護士に耳打ちするばかりでいっこうに自分の口からは話しません。私たちが自分の口から話すよう要求するも、一言の謝罪もないまま退室してしまいました。
弁護士1名も、「被害者がこの様な場(申し入れや団体交渉)へ来るのが悪い」と言うような被害者の権利行使を否定する発言をした為、私たちが猛抗議した結果退室していきました。

更に、私たちは次回の団体交渉に副社長を連れてくるよう強く抗議しました。その場で弁護士に会社へ電話をかけさせ、副社長のスケジュールを確認するよう要求。弁護士は会社に電話をかけたものの、人事総務部長は「副社長のスケジュールはわからない」などと言い訳。スケジュールはアセックの社員ならば誰しもが見られるようになっている為、わからないはずがありません。その事について指摘をし、再度副社長のスケジュールの確認を取らせ、次回の団体交渉に副社長の出席を約束させることができました。こんな見え透いた嘘をついてまでも副社長を団体交渉に出したくないと言うことなのでしょう。

団体交渉の様子

また、今回も多くの人が一緒に闘ってくれました。様々な人がいるからこそ、様々な視点や切り口、話し方ができ、こうして団体交渉は成り立っているのだと感じました。ただその根底には、おかしいと思った事をただおかしいと声を上げようとする信念を皆同様に持っています。そうした仲間の存在はとても心強く、その場の雰囲気や感情を分かち合えることは喜ばしいことだと思いました。

今回は団体交渉にならなかったので、次回を改めて第1回団体交渉とし、2023年10月12日(木)に実施予定です。その間、時間がありますので、街頭宣伝や配信等行い、会社へ更にプレッシャーをかけていきたいと考えています。自分自身辛いだけだと続かないので、楽しいと思える様な活動にしたいと思っています。
引き続き、ご支援ご協力のほどよろしくお願い致します。

【会社で辛い思いをしている方、そういった人が近くにいる方へ】

打ち合わせの風景

ここまで読んでいただきありがとうございます。
私自身、この総合サポートユニオンと出会うまで、さらには会社と闘うと決心するまで1年以上かかりました。
精神的な問題などで声を上げられない人もいると思います。ですが、被害者だからとか精神疾患を患っているから弱いと決めつけないでほしい。むしろ声を上げて闘う事が自分の心を守る、回復させることにつながると私は感じています。

声を上げるのはあなた自身です。ただし、しつこいくらいに言いますが、1人で闘うと言うわけではありません。そこには仲間がいて、お互いに支え合うことができます。一個人が会社と対峙することは容易ではありませんが、そうした仲間とならできることも広がり、今までの価値観が変わるかもしれません。
これはセクハラなどのハラスメントに限った話ではなく、様々な労働問題や労働環境の改善を求めて企業側と対峙し交渉することによって、生きやすい世の中へ少しでも変えていけばいいのだと思います。

しかし、知らない世界は怖いものですし、精神的にキツい状態かもしれません。そんな時は、周りの人が助け舟を出してあげて欲しいと思います。その役目が私たちの組合と言うことでしたら、お声がけください。悩んでいることがあればまずは相談してみるというのも1つの手だと思います。ご活用ください。

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