レストラン珊瑚礁を経営する株式会社コーラルリーフは、外国人労働者の使い捨てをやめてください!

総合サポートユニオンは昨年(2021年)9月4日、神奈川県鎌倉市で「珊瑚礁」や「モアナマカイ珊瑚礁」などのレストランを運営する「株式会社コーラルリーフ」(神奈川県鎌倉市七里ガ浜東4-2-3)に対して、長時間労働の削減や残業代の支払いなどを求めて団体交渉の申し入れを行いました。

この会社では多くの外国人労働者が、キッチンやホールで働いており、名物料理であるカレーや炭火焼きなどの調理から食材の発注まで、様々な重要な仕事を外国人労働者も任されています。現在、総合サポートユニオンには、調理に従事していた台湾人やスリランカ人、さらにホールで働いていたインドネシア人などが加入して、会社と交渉を行なっています。

働いている外国人労働者の在留資格も様々で、ワーキングホリデーの方から、2019年に新たに新設された特定技能の資格で働いている人もいました。

この会社での問題点は大きく分けて2点です。

1.長時間労働と残業代不払い(固定残業代制度)

特定技能の資格で働いていた台湾人のAさんの労働時間は以下のとおりでした。

2020年6月:残業時間96時間42分(総労働時間265時間43分)
7月:残業時間84時間06分(総労働時間251時間34分)
8月:残業時間125時間43分(総労働時間279時間57分)

国が定めた過労死ラインは残業時間が月80時間以上であり、Aさんはいつ倒れてもおかしくない水準で働いていたことが明らかになっています。ここまでの長時間労働は、「働き方改革関連法」で定められた労働時間の上限である月80時間を遥かに超えており、この点で違法だと言えます。

さらにこの会社では長時間労働だけでなく、残業代の不払いも横行していました。Aさんには給料として基本給17万5000円に加えて固定残業手当として3万円が支給されただけで、手取りは約16万円でした。固定残業代が導入されていたため、時給計算すれば、1017円と神奈川県の最低賃金(2020年10月までは1011円)とほとんど同水準でした。

しかし、国はこれらが違法として会社に対して是正を求めています。2020年10月2日付けで、藤沢労働基準監督署は会社に対して以下の3点で労働基準法違反が確認されたとして是正勧告を行なっています。

労働基準法第15条(労働条件を明示していない)
労働基準法第37条(時間外手当を支給していない)
労働基準法第106条(就業規則を明示していない)

Aさん以外にも、ワーキングホリデーの資格で働いていた台湾人のBさんは、8ヶ月ほどこの会社で働きましたが、毎月80時間から100時間近い残業を強いられ、その結果、未払い賃金が100万円以上発生していました(Bさんに対して、会社は残業代を組合の主張どおり支払いました)。つまり、この職場では長時間労働と賃金未払いが蔓延していることを表しています。

会社に対して組合はきちんと自身の違法行為を認識すること、そして他の組合員に対しても不払い賃金の支払いを求めています。

2.外国人労働者に対する賃金差別

また、Aさんら外国人労働者と日本人労働者の間の給料差別についても、申し入れをしています。

株式会社コーラルリーフでは多くの外国人が働いていますが、同じ調理の仕事をしていても、外国人は日本人よりも給料が低く設定されています。Aさんや他の外国人労働者は調理や盛り付け、食材の発注作業まで日本人と同じ業務を日常的に行っていました。それにも関わらず、日本人の給料が23万円なのに対し、Aさんを含めた外国人は20.5万円と「2.5万円」もの待遇格差があり、店側も給料に格差があることを認めています(ただしそれが外国人であることを理由だとは認めていません)。

法務省は、特定技能で働く外国人が差別されることがないようこのように定めています。

特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令
第一条
三 外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること
四 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと

しかしながら、これらの規定は単に最低賃金以上を支払っていれば条件を満たしてしまうというほとんど実行力がないものとなっており、実際の現場を見てみると同じ調理師でも日本人よりも台湾人など外国人のほうが給料が低くなっていることからも、外国人労働者に対する賃金差別が横行し、一切是正されていないことがわかっています。

私たちは、同一労働同一賃金の原則に則り、人種や国籍、性別に関わらず同一業務に従事している労働者に対して同一の賃金を支払うよう会社に求めています。

この事案の意義

この事案は、「特定技能」の在留資格で働く外国人の労働問題を扱った初めての事案だと考えられます。2019年に新設されたこの在留資格は、外食や農業などの人手不足を解消するために、いわゆる「単純労働」に外国人労働者が従事することを初めて認めた制度で、国際的に「現代版奴隷制度」と批判される技能実習制度に対する一つのオルナタティブとして、社会的にも注目を集めました。特定技能という新たな制度の下で、外国人労働者の待遇が改善されることが期待されたのです。

しかし、実態を見てみるとこの会社で働いていた労働者の様に、毎月過労死ラインである月80時間の残業を遥かに超えて働かせられていたことがわかっています。固定残業代という、基本給に予め残業代を含めておくことで残業代の計算をややこしくしたり、給料表記が本来の基本給よりも高く表示されるといった手法をこの会社は導入しており、長時間労働と残業代不払いで外国人労働者が次々と使い捨てされています。

さらに外国人労働者の給料が日本人よりも低いという賃金差別が行われています。このような問題に対して、私たちは外国人労働者の組織化をすすめて、差別を始めとする労働条件の改善に今後も取り組んでいきます。

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