労働組合の正当な活動に「訴訟提起予告」? 不当労働行為がとまらない「英才個別学院」

『英才個別学院』をフランチャイズ運営する株式会社D-ai(代表取締役:原田亮および代理人:宇田川敦史弁護士=桜橋法律事務所)がブラックバイトユニオンに訴訟提起を予告してきました。

ユニオンは株式会社D-aiが全アルバイト講師への100%の休業補償を求める団体交渉に応じないため、抗議のために団体行動を行なってきました。しかし、会社は誠実に対応するどころか、さらなる不当労働行為を重ねてきています。

会社は誠実に団体交渉に応じて、アルバイト講師に対して休業補償をしてもらいたいと思います。

■不当労働行為①:団体交渉の拒否

あいかわらず、株式会社D-aiは「ルール協定」に固執し、団体交渉を引き延ばし続けています。しかし、こうした対応は許されません。

団体交渉ルールが未成立の場合、本来の団体交渉の前に団体交渉ルールについて交渉することは正当であり、それを予備折衝で行うことも正当な理由がある。しかし、ルール未確立を理由に団体交渉を拒否することは許されない。(菅野和夫ほか(2015)『論点体系 判例労働法 集団的労使関係・紛争解決手続』(第一法規)、43頁)

また、私たちは、感染予防を理由に人数制限をする会社に対して、広めの部屋を用意するか、オンラインでの交渉にも応じるという柔軟な姿勢を示し続けています。にもかかわらず、会社はルールの協議に固執し続けているのです。これは明らかな不当労働行為です。

■不当労働行為②:ネット上のコメントを利用した組合員に対する誹謗中傷

株式会社D-aiおよび代理人は、ユニオンや組合員に対するネット上の誹謗・中傷・誤った情報を含むコメントを引用し、メールにて複数回にわたり送ってきました。その内容には組合員の容姿にかかわる文言も含まれていました。(全て記録・保存済み)

さらに、株式会社D-aiおよび代理人はメールにて、当ユニオンの組合員を名指しで「一方的なものの見方しかできない」と評価しました。(こちらも記録済み)

■不当労働行為③:訴訟提起予告

株式会社D-aiがこうした不当労働行為を重ね、団体交渉に入ることができないため、私たちは労働組合の正当な活動である団体行動や宣伝活動を行なってきました。

すると、6月12日(金)に株式会社D-aiは当ユニオンの団体行動を不法行為として損害賠償を請求すると予告してきました。私たちが行なったのは、労働組合としての正当な宣伝行動であり、当然に認められた権利です。それに対して「訴訟提起予告」を行うというのは、不当労働行為に他なりません。

株式会社D-aiは、どこまで不当労働行為を重ねる気なのでしょうか?私たちは人権感覚に欠けるこれらの行為に強く抗議します。

■アルバイトの権利を実現するためにストライキと抗議を継続します

労働組合には、アルバイトだから、と不当に休業補償を支払ってもらえないという相談が多数寄せられています。

アルバイトに大きく依存する個別指導塾や小売・飲食などの業界は、アルバイトを含む労働者の生活を補償する責任があります。また、国も雇用調整助成金などの制度を整備し、企業が休業補償をするよう促しています。ところが、英才個別学院をはじめ多くの企業は、不当に休業補償を支払っていません。

組合員の無期限ストライキはすでに3週間目に入りました。多くのアルバイトの権利を実現するためにも、私たちは英才個別学院に対して、ストライキと抗議を継続していきます。

同様の問題を抱えている方は、ぜひブラックバイトユニオンに相談してください。いっしょに権利を実現していきましょう。

【これまでの経緯については以下よりご参照ください】

「英才個別学院」は団体交渉に誠実に応じて、アルバイト講師に100%休業補償を支払ってください!

「英才個別学院」で働くアルバイト講師がストライキに突入しました!

総合サポートユニオンの活動を応援してくれる方は、少額でもサポートをしていただけると大変励みになります。いただいたサポートは全額、ブラック企業を是正するための活動をはじめ、「普通に暮らせる社会」を実現するための取り組みに活用させていただきます。