「英才個別学院」は団体交渉に誠実に応じて、アルバイト講師に100%休業補償を支払ってください!

ブラックバイトユニオン(総合サポートユニオン・アルバイト支部)では『英才個別学院』をフランチャイズ運営している株式会社D-ai(代表取締役:原田亮)にアルバイト講師全員の100%の休業補償と安全対策を求め団体交渉を申し入れました。

その結果、D-ai社は、アルバイト講師の在宅勤務を認め、講師と生徒のためのマスクを会社が用意するなど、私たちの要求の一部を実現させました。

しかし団体交渉のために会社が指定した会場まで足を運んだところ、不当な理由で交渉を拒否し、話し合いに応じてくれませんでした。そして、いまだにアルバイト講師に対する休業補償は一切支払っていません。

ブラックバイトユニオンでは引き続き、D-ai社に対して団体交渉に誠実に応じ、アルバイト講師に対して休業補償を行なうよう要求をしていきます。

本記事では、『英才個別学院』でどのような問題があり、それに対してブラックバイトユニオンが何を求めているのかを説明したいと思います。

英才個別学院でどのような問題があったか?

(1)アルバイト講師に対する休業補償をいっさい支払わない

『英才個別学院』をフランチャイズ運営する株式会社D-aiは4月8日(水)から4月30日(木)、会社の都合で休業をしたにもかかわらず、労働基準法26条が命じる休業補償をアルバイト講師に対して一切支払っていません。

株式会社D-aiは神奈川県での緊急事態宣言が5月25日に解除される以前に株式会社D-aiは営業を再開したことからも、県や国からの指示ではなく、会社の都合で休業と再開を決めていたことがわかります。

塾業界などでは生活費や学費を稼ぐために多くの学生や若者のアルバイトが働いています。塾業界は少数の正社員をのぞき、学生や若者のアルバイトに大きく依存しています。このように株式会社D-aiは社会的な責任を負っているにもかかわらず、責任を果たしていません。

(2)不十分だった安全対策

5月に入りZoomを用いてオンラインでの授業が再開されたにもかかわらず、講師は教室に出勤するように指示されており、時間帯によっては「密」な環境になることもありました。

しかし講師や生徒に対するマスクの配布などはなく、教室ではNITE(製品評価技術基盤機構)が有効性と安全性に疑問が残るため使用を控えるように求めている次亜塩素酸水がコロナウイルスを「99.9%撃退」するとして使われています。

さらにオンライン授業に必要なスマートフォンは講師の私物を利用するように指示を受けていました。

休業補償と安全対策を求めて団体交渉へ

このような経緯からブラックバイトユニオンは、以下の要求を掲げて、5月20日に株式会社D-aiに団体交渉を申し入れました。

①全アルバイト講師への100%の休業補償
②安全対策としての在宅ワーク環境整備(やむを得ず教室で授業を行う場合はマスクや消毒液の配布すること)

ところが、「団体交渉には誠実に応じる」と繰り返していた株式会社エイサイ・コミュニケーションと株式会社D-aiは、団体交渉申し入れ後に、合理的な理由なく、人数制限や録音・録画の禁止、参加者名簿の提出を要求してきました。

そして団体交渉当日、「人数が多いから会場に入れない」という理由で交渉を拒否してきたのです。

英才個別学院の不当な対応について

①不当な人数制限

私たちはあらかじめ、人数制限をせずに広めの会場を用意することを会社に伝えていました。

ところがD-ai社とエイサイ・コミュニケーションは、「感染予防」のためと言い張り、定員6名の狭い会議室を指定して、一方的にユニオンの参加者を3名に制限してきたのです。

そして、団体交渉当日の定刻になっても株式会社D-ai側が用意した会場にブラックバイトユニオンを入れず、事実上、交渉を拒否しました。

そもそも組合側は会社側出席者の人数の制限や名簿の提出を求めていませんし、組合側から誰が出席するかは組合が決めることであり、会社がとやかく言うことではありません。

また、「感染予防」を主張しておきながら、なぜ広い部屋を用意しないのでしょうか。「感染予防」を理由に、不当に人数制限をしているとしか思えません。

②オンラインでの交渉も拒否

そもそも私たちは感染予防のために、Zoomなどオンラインでの交渉も認めることを伝えていました。にもかかわらず、会社側は「個人情報漏洩の恐れ」を理由にZoomでの交渉を拒否しました。

ところが株式会社D-aiではすでに教室の生徒とZoomでの授業を行なっています。生徒たちの個人情報漏洩は問題ないということなのでしょうか? 明らかなダブルスタンダードです。

③金髪私服姿の正体不明の男性

さらに、私たちが団体交渉の会場に行ったところ、金髪の私服姿の男性とスーツを着た男性の2人が建物の入り口に配置されていました。私たちが、どのような立場でこの場に参加しているのかを尋ねても、いっさい応答することなく無言で立ちつづけていました。

英才個別学院は、この人物と一体どのような関係があるのでしょうか?

株式会社D-aiと株式会社エイサイ・コミュニケーションは、「誠実に対応する」と言うのであれば、所属も立場も明らかにしないどころか、無言で立ち続けるような人物を同席させる行為はやめてほしいと思います。

会社に所属する人間かも不明の男性が同席することを許してしまうと、株式会社D-ai社が恐れる個人情報漏洩に繋がってしまうのではないでしょうか?また、子どもに勉強を教える企業が、生徒や保護者の見えないところでこのようなことを行なっていることも大きな問題です。

英才個別学院は団体交渉に誠実に応じてください!

交渉内容以外のことに固執し団体交渉を拒否することは不当労働行為という違法行為にあたります。最終的には当ユニオンに対し、株式会社D-aiの代表取締役は、「これが不当かどうかは労働委員会に申し立てるよう」断言しました。これは、これ以上話し合いをするつもりはないという宣言に等しいことです。

株式会社D-aiと株式会社エイサイ・コミュニケーションは、こうした不当な対応を改め、ブラックバイトユニオンとの団体交渉に誠実に応じてもらいたいと思います。

■すでに希望者に対する在宅勤務とマスクの配布が実現

すでにユニオンによる要求の成果が出ています。まず、ブラックバイトユニオンが要求しているアルバイト講師の在宅ワークを認めることになりました。

また、講師と生徒の安全のために必要なマスクを教室で支給すると決めました。これから授業が本格的に再開され、特に講師と生徒が密着しやすい個別指導塾で、この成果は大きいと思います。

しかし、ブラックバイトユニオン側には連絡せず、労働組合との交渉を隠すような態度をとっています。

そして肝心な全アルバイト講師への100%の休業補償は未だに行われていません。このような状況で生活費や学費のためにアルバイトをする学生や若者は日々困窮していきます。株式会社D-aiにはしっかりと要求内容について交渉してもらいたいと思います。

おわりに

休業補償が支払われていないアルバイトの人はブラックバイトユニオンで一緒に休業補償を請求していきましょう。すでにユニオンで交渉してアルバイトの全額休業補償を認めさせているケースもあります。ユニオンを通じて、毅然とした態度で休業補償を求めることによって、休業補償を勝ち取っていきましょう。

アルバイトだからといって差別することを許してはいけません。コロナ危機が終わったかのような空気がすでに流れていますが、休業補償が全額されないことによってこれから多くのアルバイトが厳しい状況で暮らしていくことになります。そうなることを避けるためにも私たちアルバイト自身がユニオンで権利行使をしていくほかありません。

総合サポートユニオンの活動を応援してくれる方は、少額でもサポートをしていただけると大変励みになります。いただいたサポートは全額、ブラック企業を是正するための活動をはじめ、「普通に暮らせる社会」を実現するための取り組みに活用させていただきます。