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文化と救いの話

私が、映画を含む、だいすきな「文化」と言われるものたちに“救われたな”と思っているのは、自分のなかの感情や思考に気が付くことができて、表現できて、心に留めて置けること、それ自体。
文化に救われてこなかったら、もっとずっとどうしたらいいのかわからないこと、想像すらできなくてたどりつけないこと、抱えることすらできずに忘れてしまうことがとんでもなく多かったのではないかな。

文化による救いの存在は、人生がガラッと変わったり、自分の体験したことのない戦争を映画で感じたり、そういうのも、もちろんあるのだけれど、私の場合は心の大きく震える大きな“感銘”のようなものというよりも、毎日に寄り添う自分の一部という感じがあります。自分が過ごしてきた中で触れてきた文化たちが、こころのなかに幾層にも重なって、生きていて起こるすべてのことを受け止める「心の中にあるザル」みたいなところの網目を少しずつ細かくしてくれているような。

私は心にいろいろなものが勝手に留まっていくタイプではなく、ザルの目を日々細かくすることで、なんとか留まるものを増やしています(直感や自分自身を信じきれていないことが由縁しているので、これはきっとコンプレックスでもある気がします)。心に留めることがもちろんゴールではないのだけれど、いずれにせよ、私自身の人生にとって、自分の中の感情や思考を、温度や湿度を持って感じ取れるのも、表現できるのも、抱えて心に置いておけるのも、本当に大切なことであって、私がヒトらしく生きられているなと思う大きな理由の一つだから、だから私にとってはやっぱり文化はかけがえのない“救い”なんだな、と思います。
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