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【数学を学び直す】〈確率#1〉数え方の基本

今回から数学を学び直す【確率】を始める

確率は数学の中でも現実で使いやすい分野なので、学び直しの第一歩としていただきたい

確率を考える上で重要なのが
全パターン数を調べる
ということ

例えば
コインを2個振って表と裏が1回ずつ出る確率
を求めると

起こりうる全パターンは
1回目の表裏と2回目の表裏で
2×2=4通り

そのうち表と裏が1回ずつ出るのは
表裏と裏表
となる2通り

求めたい確率は
$${{2 \over 4}={1 \over 2}}$$

このように
あることが起きる確率は
あることが起こるパターン数を
起こりうる全パターン数で
割ることで求められる

なので、今回からいろんなパターンの数えるための武器を与える

3桁の数はいくつあるか?

100 から999までが3桁の数だから
999-100+1=900個
(なぜ1を足したのかは、0から5までの個数を考えてみて)

これでも求めることができるが、違う考え方をしてみる

3桁の数は
1の位、10の位、100の位
の3つからできる

それぞれ考えられるパターンは
1の位→0〜9の10通り
10の位→0〜9の10通り
100の位→1〜9の9通り
(100の位が0だと2桁の数になってしまうので除外)

物を並べる時のパターン数は、それぞれのパターン数の積になる
1の位が0のとき、10の位は10通り
1の位が1のとき、10の位は10通り
1の位が2のとき、10の位は10通り
これが10個続く
100の位についても同様

つまり3桁の数は
10×10×9=900個
である

このように物を何個か並べるとき
全パターン数はそれぞれの場所でのパターン数をかけ算すれば良い

問題1

3桁の数のうち、4と9の両方とも使わない数は全部でいくつあるか?

4人を1列に並べる

先ほどの問題は
同じ物を何回も用いていい物だった
(1の位に1があっても、10の位にも1を使っていい)

次は、1度使ったら使えなくなる

分かりやすいのは集合写真
4人で1列に並んで撮影するが
一番左にいる人が他の場所にはいない
(そりゃそう)
その時の全パターン数を数える

仮にその4人をa,b,c,dと名付ける
ここでは左から順に考える

一番左の人はa,b,c,dの4人
(仮にaとする)

その隣は一番左に行かなかった残りの3人
(b,c,dの中の誰か
仮にbとする)

その隣は先の2人以外の2人
(cかdのどちらか
仮にcとする)

最後は残った1人
(d)

つまり、4人が1列に並ぶ時その全パターン数は
4×3×2×1=24通り

これは4人以外の場合でも同じことができる
5人なら
5×4×3×2×1通り
10人なら
10×9×8×…×2×1通り

毎回
10×9×8×…
と書くのは面倒なので
これを
10!
と書くことにする
読み方は10の階乗(かいじょう)
階段状にかけ算(乗)する

4人の並べ替えなら
4!通り
5人の並べ替えなら
5!通り

n人の並べ替えなら
n!通り

$$
n!=n×(n-1)×…×2×1
$$

数学記号や専門用語は
毎回書くと面倒だからこう書こう
というのが多い
難しい言葉は説明を楽にしてくれる

問題2

30人のクラスで席替え、並び方は何通りか?
(計算せず記号で答えて良い)

4人のうち2人を並べる

今度は、全員を並べず一部だけ並べる
ただ、やることは先ほどと一緒

a,b,c,dのうち2人を選んで並べる
全部で何通りか?

これもまた左から考える
左はa,b,c,dの4人
(仮にaとする)
隣は残りの3人のうちの1人
(b,c,dの中の誰か)

2人を並べるだけでいいのでここで終了
つまり
4×3=12通り

これも、4人から2人を並べる以外の場合でも同じ
10人から3人並べるなら
10×9×8=720通り
100人から46人並べるなら
100×99×98×…×56×55

一般にn人からr人並べるときは
$${\overbrace{n×(n-1)×…×(n-r+1)}^{\text{r個}}}$$通り

最後に+1がついてるのは
3桁の数を求めたときを思い出せ

ただ、そんなこと考えず
nから1ずつ減らして、r個かけ算すればいい

これも毎回書くのは面倒だから記号を作る
P(n,r)
読み方はそのままピーエヌアール
Pは順列を意味する英語permutationから

$$
P(n,r)=n×(n-1)×…×(n-r+1)
$$

特に
P(n,n)=n!

P(n,r)をよく見ると
階乗を使って書き表せそうな気がする

P(n,r)に
$${{(n-r)! \over (n-r)!}=1}$$
をかけてみる
(1をかけても数は変化しない)

$$
\begin{align}
P(n,r)&={n×(n-1)×…×(n-r+1)×(n-r)! \over (n-r)!}\\
&={n! \over (n-r)!}
\end{align}
$$

よって
$${P(n,r)={n! \over (n-r)!}}$$
が得られる

正直この公式は覚えなくてもいい
式をこねくり回す練習になるので紹介した

問題3

30人のクラスで委員長と副委員長を決める
選び方は何通り?

4人から2人を選ぶ

先までは並べることを考えてきたが
次は選ぶことを考える

a,b,c,dのなかから2人選ぶ
全部で何通りか?

選ぶ前に一度2人を並べてみる
P(4,2)=12通り

2人並べるのは2!通りある
(abとba)
2!通りは並び方は違うけど、全部同じ選び方

なので、2!を1として数える
そのためにはP(4,2)を2!で割ればいい
つまり
$${{P(4,2) \over 2!}=6}$$通り

もう1つの考え方
2人並べるのは、選んでから並べるのと同じ
2人選ぶパターン数をaとすると
a×2!=P(4,2)
(aで2人選んで、2!で並べる)
$${a={P(4,2) \over 2!}=6}$$通り

これも、他の場合でも同じ
5人から3人選ぶのは
$${P(5,3) \over 3!}$$通り
10人から5人選ぶのは
$${P(10,5) \over 5!}$$通り

一般にn人からr人を選ぶのは$${{P(n,r) \over r!}={\overbrace{n×(n-1)×…×(n-r+1)}^{\text{r個} }\over \underbrace{r×(r-1)×…×2×1}_{\text{r個}}}}$$通り

分子はnから1ずつ減らしてr個かける
分母はrから1ずつ減らして1までかける

これにも記号あり
C(n,r)
Cは組み合わせの英語combinationから
特にC(n,n)=1

$$
\begin{align}
C(n,r)&={P(n,r) \over r!}\\
&={n! \over (n-r)!×r!}
\end{align}
$$

問題4

30人のクラスで美化委員を2人決める
選び方は何通りか?

n!,P(n,r),C(n,r)
これで全パターンを数え上げるための武器は揃った
次回はこの武器をさらに磨いていく

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解答

問題1
1の位→0,1,2,3,5,6,7,8の8通り
10の位→0,1,2,3,5,6,7,8の8通り
100の位→1,2,3,5,6,7,8の7通り
8×8×7=448個

問題2
教室の机を紐で一筆書きして、
それをピンと張ると30人の並べ替えになる
よって30!通り

問題3
委員長、副委員長の順に並べる
P(30,2)=30×29=870通り

問題4
30人から2人選ぶ
C(30,2)=(30×29)/(2×1)=435通り

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