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#2 調査PRでパブリシティを獲得するには

こんにちは。
シグナルリサーチの木須です。

覗いていただき、ありがとうございます。

前回の記事では、そもそも調査PRとは何なのか、どのようなシチュエーションで利用すると良いのかなど、「PRにおける調査の可能性」について書きました。

今回は、「調査PRでパブリシティを獲得するには」について書きたいと思います。


パブリシティとは


そもそも「パブリシティ」とは、簡単に言うと「メディアから報道されること」を指します。
企業は、商品やサービス、IR情報などの生活者に知らせたい内容をプレスリリースなどを通して世の中に発表します。

発表する目的は、自社の姿勢を世の中に示すことであったり、商品やサービスの情報をより多くの人に知ってもらうことにあります。

かの有名なAppleの元CEO、スティーブ・ジョブズはこう言ったそうです。

"いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければ、ないのと同じ"

たとえどんなに情報を発表していたとしても、その情報が広がっていかない限り、目的を果たすことはできないですよね。

なので、メディアから報道されること(パブリシティを獲得すること)が情報を広く知らせるためには重要なことになります。

パブリシティ獲得のために必要な要素


では、一般的にパブリシティを獲得するためにはどのようなことが必要なのでしょうか?

闇雲に情報を発信すれば良いわけではなく、メディアが好む情報から逆算して情報を発信していく必要があります。

メディアが好む情報には、要素が存在します。
様々な解釈がありますが、一般的に言われている8つの要素を一つずつ簡単に整理していきます。

①新規性

「まだ世の中に出ていない情報であるか」
例:A社が次世代型SNSの"●●"をローンチ

②独自性

「唯一無二の情報であるか」
例:業界初、社会の多様化に合わせて"●●●"を導入

③影響性

「広く影響を与える情報であるか」
例:脱マスクによるこれからの社会の変化は?

④社会性

「社会的に価値のある情報であるか」
例:"●●●"は環境問題の解決に向けた試金石となるか

⑤大衆性

「多くの人に関心を寄せる情報であるか」
例:ファストフード大手のA社がB社と共同で"●●●"を開発

⑥人間性

「人間らしさを感じさせる情報であるか」
例:元プロ野球選手"●●"さんに、仕事の流儀を聞いてみると

⑦時事性

「そのタイミングに価値のある情報であるか」
例:今年のバレンタインのトレンドは●●●⁉

⑧地域性

「その地域ならではの特色が出ているものであるか」
例:今、人気観光地 沖縄の海で起きていることとは?

紹介したような8つの要素をどれだけ含ませられるかでメディアが情報の切り口を作れる余地が広がり、パブリシティ獲得に繋がっていきます。

8つの要素が主にメディアが好む情報になるので、そこから逆算してどのような情報を発信すると良いのかを考えることが重要です。

<参考情報>ケーススタディ

参考情報として、Yahoo!ニュースのTOPに掲載されている記事で、それぞれどのような要素が当てはまるかを見ていきます。

2023年2月16日 17:00時点のYahoo!ニュース TOP画面

・「コロナ2019」に名称を変更へ
 →社会性
・東海道新幹線 上下で運転見直し
 →影響性
・偵察気球巡り バイデン氏が演説か
 →大衆性
・郵便局に強盗で1人重傷 男は逃走
 →大衆性
・ロッテリア ゼンショーに売却へ
 →社会性
・トヨタ、ノアなど19万台リコール
 →影響性
・都会風やめて物議 移住した町議は
 →地域性
・ハイスタ恒岡さん 3.11への思い
 →人間性

複合的に要素が絡み合っているものもありますが、おおよそこのように分類できるかと思います。

このように、記事になって情報が拡散していくということは、8つの要素のうちのどれかを含んでいるということです。

調査PRでパブリシティを獲得するには


一般論として、先ほど紹介したような要素が重要になります。

では、調査PRの場合はどうでしょうか。

結論として、PRの傘の中に調査PRがあるので、調査PRも先ほどの8つの要素を組み込むことができればパブリシティ獲得の可能性は高まります。

ただ、調査PRの場合、8つの要素の上位概念として重要な価値観があります。

それは「意外性」と「自分ゴト化」です。

①意外性

「へぇー、そうなんだ」とその調査リリースを初めて見た人が思えることがとても重要です。

「イメージ(理想)はこうだったけど、実際(現実)はこうだった」と思った経験は多くの方がしたことがあるかと思います。
昔に感じたギャップだったとして、今でも覚えている方も多いのではないでしょうか?
これは"ツァイガルニク効果"という、途中でうまくいかなかったことや中断したことの方が最後までできたことよりも記憶に残る心理現象の応用です。

イメージ(理想)が実際(現実)と違うことがわかると記憶に残りやすいため、調査でギャップなどの意外性のある事実を明らかにすることが重要です。

②自分ゴト化

「自分はどうだろう」とその調査リリースを初めて見た人が思えることがとても重要です。

2019年の東京新聞の記事ですが、オタクの方は政治意識が高いことが調査されています。

オタクの方の政治意識が高かった背景に「自分ゴト化」があります。

当時、環太平洋連携協定(TPP)交渉で知的財産権(著作権など)が議論されていました。
その議論次第では、コミケで頒布されている二次創作物が今後作れなくなる可能性がありました。
それを知ったオタクの方は、政治を自分ゴト化して政治意識を高め、社会を変えるために投票行動を起こしているというのが実態でした。

このように、自分ゴト化できる情報があると、意識変容や行動変容を生む可能性があります。

調査結果から見えてきた事実を用いて、読み手に「自分はどうだろう」と自分ゴト化させることが重要です。

さいごに


以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今回はどのようにすれば調査でパブリシティを獲得できるのかについて整理しました。
次回は「調査PRの体系図」というテーマで整理できればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

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