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#1 PRにおける調査の可能性

はじめまして。
シグナルリサーチの木須です。

覗いていただき、ありがとうございます。
定期的に調査PRに関する情報をnoteに書き留めていければと思いますので、
これからよろしくお願いいたします。

当たり前のように"PR"という言葉を使っていますが、
PRとは、Public Relationsの略で、簡単に言うと「組織が世の中と良い関係を築くこと(世論を味方につけること)を目的としたコミュニケーション手法」です。

PRの話はほどほどにして、このnoteではPR手法の中でも「調査PR」を具体的に紹介していきます。


PR手法としての調査


PRの手段は数多くあります。
例えば、タレントやインフルエンサーのキャスティングや、
発表会などのイベント開催、動画を用いたものなど、
テクノロジーの変化とともにPRの手段も多様化しています。

数あるPR手法の一つが"調査PR(リサーチPR)"です。
調査PRとは、生活者の意識や行動実態を調査して数字(データ)として可視化し、メディア掲載用の情報を開発して発信するPR手法です。

私は今の企業に所属して4年目になりますが、累計200件以上の調査案件に携わってきたことで蓄積してきたノウハウをここで共有できればと思います。

調査PRはどのようなシーンで活用するか


では、調査PRはどのような目的で使うのでしょうか。
目的を具体的なシチュエーション別に3つに分けて事例とともにご紹介します。

①情報開発

・既存商品/サービスなので、新しく出すことができる情報がない
・定期的に情報発信をしたいが、ネタがない
・メディアの気を引くようなワードを作って商品/サービスと一緒に流行らせたい
・業界全体の認知を底上げしたい
・業界のソートリーダー(価値観の牽引者)として自社の立ち位置を確立したい

このような課題を抱えたことがある方も多いのではないでしょうか?
「出せる情報がないから…」と諦めなくていいんです。
情報がないなら作ればいいんです。
調査を用いて新規情報やネタを作るのが「情報開発」です。

事例として、松井証券の調査をご紹介します。
▼世代別「お金事情」に関する実態調査

この調査では、Z世代が他世代よりもお金に対して不安を感じていること、それにより堅実な価値観が生まれていることなどを明らかにしています。

サービスが横並びでなかなか差別化しにくい金融・証券業界の中で、このように調査を用いて新しい情報を作って発信すること自体が差別化となります。
さらには生活者からのイメージとして「有意義な情報を発信している企業」だと認知されるきっかけにも繋がる可能性があります。

②空気感醸成

・新商品/サービスの発表前に話題化させ、情報が広がりやすい状況を作りたい

当たり前ですが、新商品/サービスの発表前に世の中で「話題化の渦」を作れていたら情報は広がりやすくなります。
例えば、ここ1,2年で言うと、新たな世代として「Z世代」が話題になっています。皆さんも記事を見かけたことがあるのではないでしょうか?
「Z世代」のように、話題化の渦を作ってしまえばもっと掲載数が伸びる可能性が生まれます。
調査を用いて話題化する空気感を作るのが「空気感醸成」です。

事例として、損保ジャパンの調査をご紹介します。
▼「若者の動画視聴実態」に関する調査

この調査では、いろんな世代の動画視聴実態を解き明かすことで、Z世代の「タイパ(タイムパフォーマンス)意識」の高さを明らかにしています。

WEB CMの公開を前に、Z世代は倍速視聴している傾向が高いことや通常速度よりも倍速の方が快適に感じているという実態を調査で明らかにしたことで話題化し、それがWEB CMへの導線となっています。
さらに、WEB CMもZ世代が快適だと感じている1.5倍速バージョンを制作しているところも面白いところです。

③ファクト補強

・プレスリリースに納得感のある情報を載せたい
・なぜこの新商品/サービスを発表するのか理由付けをしたい

「なぜ今、なぜその企業がその情報を発信するのか。」
「その情報に載せている根拠は何なのか。」
このような理由付けをすることができたら、情報が届く生活者としても納得感を持つことができます。
調査を用いて納得感のある情報を補強するのが「ファクト補強」です。

事例として、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングの調査をご紹介します。
▼「コロナ禍におけるアルコール消毒や感染予防意識」に関する調査

この調査では、コロナ対応に尽力している看護師と一般生活者の1日のアルコール消毒回数を比較することで、看護師のスキンケアの大変さを明らかにしています。

社会のために働くエッセンシャルワーカーの支援プロジェクトとして製品寄付を行なっているのですが、「なぜエッセンシャルワーカーへのプロジェクトを発足するのか」という理由付けに調査を用いています。
このように、調査によってロジックを補強するのが特徴です。

さいごに


以上、最後までご覧いただき、ありがとうございました。
今回は簡単なPRの意味や調査PRの特徴の説明を含めた「PRにおける調査の可能性」を整理しました。
次回は「調査PRでパブリシティを獲得するには」というテーマで整理できればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

※調査PR・マーケティングリサーチに関するご相談は下記まで※
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